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【呪術廻戦】一億人呪霊の正体は〇〇である【考察】


はじめに


 本記事では呪術廻戦において提示された概念である一億人呪霊に関する考察である。ネタバレには留意を。


1.一億人呪霊とは


 まず初めに、一億人呪霊に関して軽く説明をしておく。一億人呪霊とは物語の黒幕である羂索が作り出そうとしている呪霊である。物語中で起きた出来事、事件は基本的にはこの目的へと繋がっている。

 詳細を省きその作り方を解説すると、その名の通り日本に住むおよそ一億人の人間を呪力へと変換し、巨大な一つの呪霊を生み出す、というモノである。

 この一億人呪霊が生まれた時、果たして何が起こるのか、どんな姿をしているかなどは羂索にも想像がついていない。というより、想像がつかないからこそやろうとしているのだ。


2.何が生まれるのか


 千年を生き暗躍を続ける羂索ですら予想が出来ない一億人呪霊。しかし、結論を言えばその結果は既に作中において登場している存在なのである。

 すなわち、真人である。


呪術廻戦 第21話 幼魚と逆罰-参-


 その理由は主に二つ

 先に説明した通り一億人呪霊とは一億人の人間の集合体である。つまり人間をこね合わせて出来るモノは結局のところ人間なのではないか、というものである。

 ただこちらの方はメタ的というか皮肉めいた発想をそのまま理由付けに使ったモノで、根拠としては薄い。本命はもう一つの理由である。

 それが呪霊の成り立ち一億人呪霊の形成過程である。

 

呪術廻戦 第21話 幼魚と逆罰-参-

 呪霊の姿や能力はその元になった人間達のマイナス感情に結び付くイメージに左右される傾向にある。特に漏瑚や花御といった強力な呪霊だと顕著であり、呪霊としての格が高いほどに元になったイメージ(モチーフ)を体現するような存在になる。

 それを念頭に置いた上で、一億人呪霊の形成過程を考えてみたい。人間が一つの呪力の塊として合体するということは、それすなわち個の境界が取り払われるということである。

 AもBもCも一つになる。果たしてそれは幸せなことなのか?これは筆者の私見も入ることになるが、呪術廻戦的な思考的にもそれは決して幸せなこととは言えない

 家族、友人、恋人といった親しい人間でさえ、一つになっていいのかと聞かれれば疑問である。もっと分かりやすく赤の他人や嫌いな人間と、と考えれば分かりやすく嫌悪感を抱く人間が大半ではないだろうか。

 そして、この嫌悪感こそが鍵なのである。

 個の境界が取り払われ強制的に同化させられる過程において、一億人の被害者たちが抱く悪感情。嫌悪、恐怖、畏怖。それらは一体何に対する悪感情なのか?

呪術廻戦 第20話 幼魚と逆罰-弐-

 すなわち、自分以外の見知らぬ人間に対する悪感情に他ならない。そうして出来た共通の畏怖を形作るには、本来であれば年月による大量の呪力が必要なワケだが、この場合は時間をかける必要はない。受け皿を求める大量の呪力はすぐ隣にあるのだから。


蛇足


 現状出ている要素を元に一億人呪霊の正体を考えるのなら、真人が最も妥当なのではないか。そんな考えから本考察が生まれた。
 
 また、正体が真人というのはかなり皮肉が効いている。なにしろ羂索は一億人呪霊を生み出す素材としてまず真人を消費している。千年をかけて達成した実験の果てに生まれたモノが、既に実験過程で使用した素材の一つだった、というのは何とも皮肉めいた、人によって抱腹絶倒の結果だろう。


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