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【ライブレポ】KEYTALKオンラインライブ 2010-2020 【REQUEST】

今回は、11月29日(日)に行われたKEYTALKの第3回となるオンラインワンマンライブ「4密サウンドでSUTEKI HOME 〜甘い甘い蜜のよう〜」2010-2020 REQUEST のライブレポです。

3カ月連続での開催となったこのオンラインライブ、第1回は「2010-2014」、第2回は「2015-2020」と、KEYTALKが活動してきたこれまでの10年あまりの期間を半分に区切り、それぞれの期間にリリースされた曲のみでセットリストが構成されてきました。

今回は年代を示す「2010-2020」の後に「REQUEST」と銘打ってありますが、その名の通り、セットリストはファンからのリクエストをもとに決定されるというものでした。

これまでKEYTALKがリリースしてきたすべての曲を対象に、傾斜なしでの一人3曲までの投票権が事前に与えられ、僕も次の曲をリクエストしました。

「見上げた空に」「zero」「S.H.S.S」

どれもインディーズ時代、ですからいわゆる「2010-2014」の期間の曲なのですが、第1回のオンラインライブでは披露されなかった曲たちです。

もちろん大好きな曲なのですが、それ以上に、せっかくのリクエストなんだから生であまり聴いたことのない曲を!という想いが強く出ました。

ですが、KEYTALKの曲はなにもこの3曲だけではありません。
僕も、これまでのオンラインライブでチョイスされなかった曲という観点からこの3曲にましたが、純粋に好きな曲トップ3を選べと言われるとこの限りではありませんし、相当悩んでしまいます。

良い曲がありすぎて、3曲に絞ることはかなりの難儀です。

そんな良い曲たちの中から、ファンからの愛を感じる(義勝ツイートより)厳選により組まれたセットリストはどのようなものだったのでしょうか。

駆け足のライブレポで振り返りながら、セットリストを見てみましょう。

果たして僕がリクエストした曲はセトリにあったのでしょうか

「UNITY」 ~ 「DROP2」 ~ 「アーカンザス」


さっそくセットリストの振り返りと行きたいところなのですが、ライブのしょっぱなから音ズレが目立ちました。

音が映像より半テンポほど遅いのです。
オンラインライブですから歌っている巨匠や義勝の顔がアップに映し出されるわけですが、目にするその口の動きと聴こえてくる音にラグがありました。

デスクトップパソコンで見ていたのですが、このラグって結構気持ちの悪いものなんですね。
曲に没入しようとすると口の動きや、ドラムの八木ちゃんの刻むビートと音との小さなずれでもかなり大きな違和感になります。

通信状況が悪いために画質が急に粗くなったり、そもそも一時止まってしまうなんていうことはこれまで観てきたオンラインライブではよくあることでしたが、音ズレは今までにありませんでした。
そのため想定だにしていませんでした。

このまま最後までずれたまま終わってしまうのかな?

不安にもなったのですが、その後のVTR明け4曲目からは音ズレも解消され、曲に集中することができました。

なぜ音ズレが生じ、なぜ回復したのか。
わかりませんが、こうしたトラブルが起きうるというのが配信ライブの怖いところですね。
アーカイブも残されていないと、より焦ってしまいます。

配信ライブの問題点はここまでにして、本編に移ります

一曲目に披露されたのが「UNITY」でした。
「捨て曲がない」ことでおなじみのインディーズ時代のアルバム「ONE SHOT WONDER」でもトップバッターとして収録されている曲です。

https://www.amazon.co.jp/ONE-SHOT-WONDER-KEYTALK/dp/B00ARK8M6W

3曲目の「アーカンザス」は、原キーより半音だか一音だか高めで歌われていました。
理由は分かりませんが、こちらのほうが歌いやすいんでしょうか。
CD音源とは違ったライブバージョンというのはなにかと貴重です。
音のトラブルさえなければもっと耳にこびりつかせられたのにな、という思いです。

その後続いた「夕映えの街、今」「ロトカ・ヴォルテラ」「暁のザナドゥ」も含めたこれらの前半6曲をふわっとまとめると、ゴリゴリのロックといいましょうか、いうなれば男臭さを感じるような曲が多い印象です。

「マスターゴッド」~ 「鏡花水月」 ~ 「アワーワールド」

中盤のこれらの曲は、すごく雑な言い方ですが「世界観が独特」かなと思う曲です。何を伝えるでも無いし歌詞に耳をこらすこともないのですが、音先行で気が付いたらリズムを取っているイメージです。

特に「マスターゴッド」は義勝作の「下ネタ曲」です。直前の「暁のザナドゥ」とは対照的に少しけだるそうに歌う義勝の姿を目にすると、曲自体の世界観と相まって不思議な世界に迷い込んだような感覚を覚えます。

それから、たぶん「アワーワールド」だったかと思うのですが、巨匠と義勝のツインボーカル二人が、それぞれのパートを歌い終わる際に「義勝!」「巨匠!」などと互いの名前を呼び合ってパートをバトンタッチする、なんていうシーンもありました。

なんだか10代の青春ものがたりみたいで多少の「クサさ」を感じてしまいますが、それでこそKEYTALKです。
得も言われぬ青春感を呼び起こされる点から「らしさ」を感じます。

曲のブロックの合間には、もはやオンラインライブ恒例となったメンバー出演のVTRが挟まれました。

1回目の内容は「THE 自粛記録」、2回目は「THE 外出記録」でメンバーそれぞれの個性的すぎるコロナ禍の過ごし方がクローズアップされていました。
過ごし方というか、「過ごし方コント」のようなものです。
忍者になっていた某氏もいました。

前回2回の流れを汲み、今回も当然VTRコーナーがあるだろうとは思っていましたが、どんなテーマなのかまで想像はつきませんでした。
自粛、外出ときて次は...
ライブ本編でどういった曲がリクエストされるのかはもちろん、小休止であるはずのVTRの内容まで気になっていました。

果たして、今回は「THE 失踪記録」。

時間は前回のオンラインライブ当日(10月31日)に戻り、今からライブが始まるというのに義勝が失踪してしまった!という前振りからスタートしました。

既に集合していた他のメンバー3人が義勝を必死で探すのですが、植木鉢の下だったり藪の中、果ては注文して食べかけのハンバーガーの中など明らかに義勝はいないだろ、というところばかりを必死に調べてみたりと、ツッコミどころが多くて面白いです。
ツッコミどころの多さに関してはこれまでの2回のVTRでもですが。

撮影は日中の原宿でなされたと思われ、一般の人もそれなりに歩いていることがわかります。
そんな中でのこの収録というのは、さぞ不思議な空気が漂っていたんだろうなと想像しちゃいます。

最終的に、義勝は来年のワンマン会場でもある代々木体育館に居たというオチでした。
ライブの撮影場所が何処かわからなくなってここにたどり着いてしまい、しかもスマホと間違えてレッドブルを持ってきてしまったというなかなかのずれっぷりです。

文字に起こすのみだと面白さをお伝えできていないとは思いますが、VTR中のやり取りも含めてバンドの枠を超えた面白さになっていたと思います。

今回のオンラインライブシリーズはアーカイブもなく、DVD/Blu-ray化されるかも分かりませんが、せめてVTR部分だけでもまとめてどこかに残しておいてほしいです。

「少年」~ 「OSAKA SUNTAN」 ~ 「アカネ・ワルツ」

続いて後半戦へ。この3曲の並びは、今回のライブにおいて個人的に一番アツいブロックです。

まずは「少年」。
以前の曲レビューでも書きましたが、こちらは先ほどまでの曲と打って変わり、歌詞をどストレートに聴かせるような曲です。

先述した青春感、青臭さをここにも見出せます。

◆KEYTALK 少年 レビュー

◆少年 MV


続いて「OSAKA SUNTAN」。
詩的要素あり、一見すると楽しげなメロディのなかに哀愁を感じるところがKEYTALKらしさが出ていて魅力的です。
シングルの表題曲になるかも知れなかったという裏話も納得がいきます。

この曲ではさらに、KEYTALKの特長であるツインボーカルの良さが存分に出ているような気もしています。
巨匠から義勝へ、義勝から巨匠へと次々とメロディがつながれていくのですが、片方が歌い終わるか終わらないかの内にもう一人のボーカルがかぶせて入ってくる、息継ぎを感じさせない繋ぎの心地よさはツインボーカルならではの強みでしょう。

僕がリクエストした「S.H.S.S」のMVでは、それが視覚にも象徴的に現れているような場面があります。

◆S.H.S.S MV

Aメロを歌い切った巨匠が最後、目の前のカメラに暗幕のような物をかぶせ、画面が暗転します。
一瞬の間が空き、直後、義勝がB歌いだすとともに暗幕を外し、視界がひらけます。
このスッとバトンが渡されるような感覚は、個人的には先ほどの二人の「繋ぎ」のイメージに近く、いつまでも観ていられます。

いつの間にかまた脱線して、披露されてもいない「S.H.S.S」の話になってしまいました。

ただ、「OSAKA SUNTAN」において一番好きなのが、サビで義勝が歌う、かなりキーの高いここのパートです。

遥か西 遠ざかる夕暮れに心揺れる
地球の裏側に消えてしまう 消えてしまう

「消えてしまう」の歌詞通り、儚さを告げるような歌声が非常に良いです。

一種のか細さも垣間見れるハイトーンボイスという義勝の特徴が出ているところではあるのですが、一方でなかなかにキーが高く、難しそうです。

それゆえに、過去のライブを見ても、喉の負担を考慮してかここの部分だけ何音か低く「アレンジ」して歌っていることが多いです。
長尺のライブをこなすために仕方の無い部分もあるのですが、オリジナルのハイトーンに魅せられていただけに心残りな面もありました。

今回のライブでは披露されるかもしれないけれど高音が聴けないんじゃな...
大好きな曲ではあるのですが、個人的にベストな「OSAKA SUNTAN」が聴けないんだろうなというなんとなくの予見があったから入れませんでした。

実際今回も、1番2番サビの当該箇所では低めのキーでした。
ところが、ラスサビでは目いっぱいの高音を聴かせてくれました。まさかでした。直後の巨匠の笑顔も良かったです。

そしてこのブロック最後が「アカネ・ワルツ」でした。
2019年にリリースされたアルバム「DON’T STOP THE MUSIC」収録の曲ですが、リクエスト1位となっていました。
確かに良い曲ではありますがそれにしても、アカネ・ワルツが1位にまで上がるとは思っていませんでした。
こうした意外性を感じるのもリクエスト形式の面白いところですね。

BUBBLE-GUM MAGIC ~ YURAMEKI SUMMER ~ 桜花爛漫



最後の3曲は、フェスでもワンマンでもおなじみの並びでした。
BUBBLE-GUM MAGIC」も昨年リリースのシングルです。KEYTALKらしい「踊れる」要素に「洗練」さが上塗りされているように感じます。
リリース直後は色々なフェスで聴きましたが、もうすっかりライブの定番曲になっています。

◆BUBBLE-GUM MAGIC MV

最後のブロックとなったこの3曲の時、画面上ではARによる演出がなされていました。

「BUBBLE GUM」なら画面いっぱいに泡のようなエフェクトがあり、「YURAMEKI」は空想世界のような画面が広がり、そして「桜花爛漫」では「ひらりひらり風に舞う」桜が綺麗でした。

ラストが「桜花爛漫」で締められたわけなのですが、目の前の画面に広がる桜の花びらの中、「ありがとう!」と叫んで楽器を置く巨匠はじめメンバーを目にすると、なにか卒業のワンシーンを想起します。

ところで、今回のライブでは僕のリクエストした曲は一曲も入っていませんでした。
少し残念です。

しかし、じつはリクエストに乗っているたという可能性も残っており、次回ライブで披露されるかもしれません。

というのも、ライブ後のトークコーナーで初めて知らされたことなのですが、今回のセットリストの計15曲は純粋なリクエストトップ15ではなく、リクエストにより同率含め20曲挙がった上位15位の曲のうち、半分程度をピックアップしたにすぎないとのことでした。

トークコーナー中、画面に映し出されたリクエストランキング表では、今回のセットリストに組まれていた曲は順位とともに書いてありましたが、披露されなかった曲は伏せられており、その上に「代々木で演奏予定!」と書いてありました。つまり、来年2021年1月に開催予定の代々木第一体育館でのワンマンライブまでのお楽しみというわけです。

◆KEYTALKオンラインライブ リクエスト順位表
1位 アカネ・ワルツ
2位 ?
3位 DROP2
4位 ?
〃 ?
〃 ロトカ・ヴォルテラ
5位 アーカンザス
6位 アワーワールド
7位 ?
8位 暁のザナドゥ
9位 OSAKA SUNTAN
〃 ?
10位 鏡花水月
〃 マスターゴッド
11位 ?
12位 ?
13位 ?
14位 ?
14位 ?
15位 夕映えの街、今

果たしてランキングに入った、代々木で公開予定の残り10曲とは何なのでしょうか?
もしかしたら、ここに僕のリクエスト曲は入っているかもしれません。

他の曲に関しても、あれかな?これかな?と予想は尽きませんが、ひとまず無事に開催されることを願っています。

最後に、全3回行われたこのオンラインライブ、どれも素晴らしかったのでぜひDVD/Blu-ray化してほしいです。

月並みですが、KEYTALKの曲の多様さ、そして質の高さを改めて思い知らされた3回のオンラインライブシリーズでした。

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