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わたしのお家。

引越しが決まりました。
20歳の時からコツコツ貯めていた貯金を頭金にして
古い団地を購入することに決めました。

現在住んでいる町は、小さいながらも過不足を感じさせない、とても落ち着いた雰囲気で、親子2世帯3世帯で住み続けている方がいらっしゃるほどの人気の町。
わたし達ふたりは、25年前に引っ越してきました。
この町で、子どもを授かり、この町で子育てをし、この町で義理の父の介護もはじまりました。子育てと介護の両輪で奮闘するわたしを優しいこの町は支えてくれました、そして主人が病で倒れた後も、そっとわたしを支え続けてくれました。ふたりが住みはじめた小さなアパートは、わたい達家族の喜びも悲しみも苦労もひとりで泣いた涙も、共に過ごした小さな家でした。

5年前の立退では、新しいアパートが出来たらここに住みたいと申しでますと「あんた達では家賃を払えないだろう!!」とつっけんどんに返されました。確かにその通り、更地になった跡地に立ったアパートは、わたし達が支払っていた2.5倍ほどお高い高級アパートが建ちました。

それでも、障害を抱えた夫と子ども達のことを考えると、やっぱり住み慣れたこの町で暮らしたい。
やっとの思いで見つけただいぶ古びた賃貸マンションは、わたし達には身分相応です。しかも少し間取りも広くなり、贅沢すぎるほどのお家でした。夫と3人の子どもと母とわたしの6人家族。時々ケンカをすることもあるけれど仲良く暮らしておりました。

そして昨年11月、人生2度目の立退要請には驚きました。
今住んでいる古びた賃貸マンションの跡地には、
素敵な住宅が建つのです。

さて、わたし達はどこに家を構えようか?

ここ最近は、どこもかしこも家賃が高く、わたしの給料でこの町に住み続けるのは厳しい現実。
ここは、駅まで歩こうと思えば30分で着くことが出来る好条件だけれども…
子ども達も少し大きくなったことだし、少し離れたところでも良いのかも。
『立ち退いてくれ』と言われるのも辛いから、買えるものなら買ってしまおうか…。

悩んで悩んで悩んでいると
ちょうど良く1階の物件が出たタイミングで
築45年の中古の団地を購入することに決めました。
今よりも少し狭くなりますが、
もう『立ち退いてくれ』とは言われないかと思うとホッとしております。

そして何より、今は80歳までローンが組めるそうで、
わたしは80歳まで元気に働こうと思います(笑)

ちょっと昭和レトロなキッチンはリフォームする予定です。





最後までお読みいただきありがとうございます。

タイトルのイラストは
ももろ様のイラストを使わせていただきました。
ももろ様 ありがとうございました。


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