月明かり。
ケンカして落ち込んで背中を丸めてうずくまる。
何かが少しでも触れたら、涙とともに崩れそう。
弱虫なわたしは、見捨てられて仕舞うのが怖いのに、素直になることも出来ないの。これまで、どれだけの人に「へそ曲がり」と呆れられて来たことか。
きっとあなたからも距離をおかれると思ったら、
一緒にいることが耐えきれなくて、わざとあなたから逃げ出した。
飛び出したアパート、追いかけてくるあなた。
ふたりの足音、あてもなく歩く路。
大通りまで出れば車の音がわたしの涙も紛らわす。
馬鹿なわたしを責めない様に少し距離を保って歩くあなた。
あなたはいつもわたしに「君を捨てたりしない」となぐさめてくれる。
その優しい腕に、抱かれてしまえばいいのかな、
子どもの時からこんなに愛されたことがないからさ
そんなことを言われても信じることが出来ないの。
「わたしがどれだけ良い子になったらあなたとわたしは釣り合うの」
尋ねるわたしに「そのままの君でいい、だから僕から離れないで」とささやいた。
6畳の部屋に差し込んでくる月明かり。
どんなに深くて暗い闇夜も月の光にはかなわない。
あなたのシャツの端をそっと握るわたしは、
「あなたが必要なの」と子どものようにすがりつく。
最後までお読みいただきありがとうございます。
タイトルのイラストは
まっつん 様 のイラストを使わせていただきました。
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