詩「秋空(あきぞら)のこよみ

こよみが変わる一瞬で 秋もおとずれる
残暑の中にも 涼しいそよ風

浜辺でも にぎわいを見せたのに
若者が 残したビールの空き缶と
少しの熱気だけ
砂のお城が たかい波に飲みこまれて行く
目の前のお城が 崩れていくたび
冬の気配も どこからと感じてくる

今ひとりでいる私
あの秋雲に乗り 真夏を追いかけたい
とわに つかめない真っ青な景色を…

だが 浜風から キンモクセイの香りに
ゆっくりゆっく

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いってきます

いってきます

と言って

歯が抜けた口もとを大きく開けて

きれいに笑った

キミの笑顔は

こんなにも美しかったのか

一度も振り返らずに

まっすぐ進むキミを見て

涙がでた

とても美しい朝

【断章】壊れた世界

この世界が壊れた場所だということを
私はとうに知っていた

だから 世界が音を立てて崩れてゆくのを目にしても
(ああ、こういうこと、前にもあったな・・・)
と どこか懐かしいような気さえしてしまう

そう
どこか懐かしい
壊れた世界

そもそも世界が壊れていなかったことなんて
あっただろうか
もうずっとずっと前から
世界は壊れていたんじゃないか
ただ それを見てしまう者と 見ようとしない者がいるだ

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すべてが変わってしまうなら

すべてが変わってしまうなら、どうしても今の時を止められないなら、それに耐えられないなら、私が変わってしまえば楽になれるのかな。

私がすべてを受け入れてそして私をすべて壊してしまえば、この気持ちも楽になるのかな。私がすべての過ちならば、私がすべての原因ならば、私がすべてになってしまえば楽になれるのかな。

私が変わってしまったならば、あなたは変わらないでいてくれるのかな。私があなたにすべてを渡せば

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詩「コスモスよりも」

もうすぐ コスモスの風景に包まれる
この町も だんだん黄色いへ深まってく
ぼくも 秋と共にダンディーになってく
コスモスに似合う町歩けば
どこからともなく 白っぽい風吹く
この風は 身が引き締まる

香りにのって
白っぽい風と 身が引き締まる風景へ…
ぼくも バリバリ引き締まる想い

ちょっとずつ 氷の景色へ染まる
その前にその前に
ぼくも りりしくはきはきとしなければ…

ウチの縁側の裏に かわ

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透明人間

僕は彼女の細い首に手をかけた。
く、と軽く上がる形の良い顎を見つめ、そのまま手に力を込める。
手のひらに彼女の脈動を感じる。
薄く開いた唇から、小さく息が洩れた。
彼女が瞼を開く。
凪いだ水面のような瞳が僕に向けられている。
きっとその目は、僕を見てはいない。
彼女が僕を通して誰を見ているのか、僕は知らない。

いつだって僕の傍にいる彼女は愛おしくて、僕を透かして誰かを見ている彼女は憎らしかった。

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風待ち

風を待っていたら、君に会った。
風がどこから来るのかを君は知っていた。
ふんわりと匂いがしてそちらをふりむくと来るんだと君は言う。
ふんわりと匂いがしてそちらをふりむくといつもそこに君がいた。

風街というまちがある。
そこには、風を待つひとが集まる。
さわやかな水色とかがやく黄色を織り交ぜたにおい。
キラキラした海沿いをはしる列車、かぜまちライン。

そこに行っても、君はいない。
風は君がどこか

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詩「耳は聞こえるから」

乾燥機の音が
車の音が
電車の音が
川の音が
波の音が
人の話が
心の訴えが聞こえるから いい

何もできなくても
こんなに聞こえるから いい

風の音がして
風の香りもして
草をけって歩いた

緑の葉を揺らす木々
実をついばむ小鳥たち
拾うもの捨てるもの
悩むもの大切にするもの
続けるもの無くなるもの

綺麗な緑
やわらかい風
やわらかい風
素直な気持ちだけの私

気づいてください