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【飛鳥時代】〜手作りの弥勒菩薩半跏思惟像編〜

今回は飛鳥時代の作品、弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゆいぞう)を作っていきます。
ではまず、飛鳥時代とはどんな時代だったのでしょうか?

・飛鳥時代について

飛鳥時代(592年〜710年)主に飛鳥の地に都が置かれていたことから、そのように呼ばれています。
七世紀、東アジアが激動の時代であり、外国の勢力に滅ぼされる可能性があったため、中央集権の実現、律令国家としての基盤を整えることを目指しました。

飛鳥時代には、遣隋使や遣唐使といった日本と中国の外交交流が盛んに行われました。

聖徳太子の冠位十二階・十七条憲法の制定など、理想の国家体制の礎を築きました。

・弥勒菩薩半跏思惟像について


弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは、「釈迦の死後56億7千万年後の世に降りてきて釈迦に代わって人々を救う未来仏」とされている。
弥勒菩薩半跏思惟像は、片足を他方の足の上に乗せ台に座った姿で思索にふける弥勒菩薩であり、人々を救済する方法を考え思索にふけっている様子を表現している。
(京都じっくり観光さま記事より引用)

・制作について

土偶や埴輪など、これまでは「キャラクター」っぽいものを作ってきていたので、繊細で複雑な弥勒菩薩像を作るのにはかなりの覚悟が要りました。

確実にこれまでとはレベチな作りにビビる

土偶や埴輪など、シンプルな作品とはまた違って、一つ一つのパーツも細かい。もはやこれはフィギュアを作るような領域だと感じ、なかなか手が伸びませんでした。

材質はなんにせよ、粘土を使った造形は時間との勝負です。
「とりあえずやってみるか」という無計画をやめて、ゴールまでに必要なことをしっかりと計画して始めることにしました。

・・・

埴輪の割れから学び、まず芯材を入れることにしました。

最初は針金を芯材に使おうとしていましたが、思ったように頼れる素材じゃなくてまたもや悩みます。

ネットで調べているとアルミホイルを芯材に使ったものが紹介されていたのでやってみることに。

形、太さも自由自在


完成予想が見えてきます

芯材の準備ができたら、まずは台座から作成します。

繊細な模様がパターン化しているので、模様をつける道具を作ります。

竹串にワイヤーを巻き付けた道具

台座が完成しました。

台座、なかなか面白い形をしています。
ここに座って人々を救済する方法を考えていると思うと、なんだかとても尊いものに見えてきました。

見える見える

作った台座の上に布っぽい物を盛り付けていきます。これはおそらく弥勒菩薩の着物かと思われます。
布の垂れ下がり、質感が難しいです。

台座には体と固定するための金具を取り付けます。こうすることで多少は安心して作業できます。

体に粘土を盛り付けていきます。
全体的に一回り大きくなるので、最初に作っていた芯材では手足の長さが足りませんでした。調整しながら盛っていきます。

下半身と上半身は分けて作ることにしました。
まず下半身だけ作って、台座に固定していきます。

上半身と合体させます。

あらかた完成しました。
ここからはデザインナイフやカッターで削りながら、フォルムを整えていきます。
この作業が楽しすぎて、一生削っていられると思えるほど。
今回の作品を通して、

・粘土が乾く前にやるべきこと

・粘土が乾いてからやるべきこと

この2つがあることがわかりました。造形の世界は深いです。

1〜2週間くらいはチマチマと削る日々を過ごしていました。
もういいかな?という頃に削り作業終了。
最終工程の塗装をして完成です!

今回の作品の中でも特に思いが深い作品になりました。
穏やかな表情、手足の指の細かい彫り込みにも注目しながら見ていただきたいです。

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