お尻出したんで一等賞っすわ!!

朝食を終え、立って仕事に向かおうとした。お尻と右足の付け根に強い痛みを感じた。次第に右足の甲や裏に痺れも出てきた。上司に連絡をして休みをもらい、朝が早かったので、整形外科が開くまで家で待つことに。仕事は今日明日は自分がいようがいまいが問題なかった。なんなら休もうとすら思っていたので、このタイミングでよかった。

思い当たる節はいくつかある。仕事柄、腰に工具などを身につけるので、それが重たい。ここ最近は腰の痛みもあった。

病院に電話をして、予約が必要かどうか確認することにした。「あの…腰とケ…(こういう時ケツって言ったらいけない…)…結構ですね、腰とお尻と右足の付け根が痛くてですね、診ていただきたいと思いまして…」とケツと言いそうになってしまったことがなぜかツボに入ってしまい、自爆した。予約はしてないということだったので、そのまま向かった。痛みで意識が飛びそうだった。腰がまっすぐにならないので、エレベーターの2階のボタンが遠い。開院直後に行ったが、意外と人が多い。どんな体勢で座ろうが、痛みがある。一向に呼ばれない。とにかく痛くて、待ちながら悶えいるが呼ばれない。リハビリ前の問診がすぐ終わるから先に呼ばれるのもわかるし、病院には迷惑はかけまいと思っていた。しかし早く呼んでもらいたい。45分ほど痛みに耐えたところで、レントゲンに呼ばれた。痛みに耐えながら半ズボンに履き替え、撮影台の上に。登るのに息が上がってしまう。とるポーズとるポーズが痛くて辛い。レントゲンを取り合えて待合室に戻るが、イスに座れない。背もたれに手をついて立ったまま待つことにした。少しすると診察室に呼ばれたが、そのイスにも座れない。なんとかベッドに横になり触診してもらうことに。「コレは痛い?…コレも痛い?…じゃあこれはどう?」と、どれも痛い。痛みを確認するために必要な行為だから痛いのは仕方ないけど、1番痛いところでキープして、「うーん、これはなんなんだろうな」って考えるのやめてもらっていいですか?あの、持ってる足をベッドに下ろしてからじゃダメですか?なんか病院の先生こんな人ばっかりだな。わざとかな?

診察室の隣のベッドに移され、腰にブロック注射を打つことになった。「うつ伏せになってお尻を突き出すようにして、ズボン下ろしてもらえますか?」と言われたが、うつ伏せになってからではズボンを下ろせない気がして、先にズボン下ろしてもいいですか?と断りを入れてズボンをおろし、うつ伏せになった。2、3人の前でケツが丸出し。こんなに恥ずかしいことはない。穴があったら入りたかった。血圧を測りに来た人が何度も血圧を測り、怪訝な顔をしていた。「普段血圧どれぐらいですか?」と聞かれたので、いつもこれぐらい低めなんですけどと伝えたが顔は変わらなかった。もしかして死んでる?
医師の方がやってきて、説明を始めた。「腰に小さな穴が空いているので、そこにある神経に注射をして痺れさせます。その穴を見つけるためにこの姿勢になってもらわないとダメなんだよね…って君の穴の位置わかりにくいから、もちろん一発で決めるけど、二発目もするかもしれない。」とのことだった。ケツ丸出しで注射されるのはアニメとかマンガの世界だけだと思ってたけど実在するんだね。さっきの話がフリだったかのように、二発注射をされた。「注射後、何か変わったことがあったらすぐに教えてね」と言われ、神経が痺れるまで1時間ほど寝ていくことになった。病院の天井は年季が入っていて少し霞んでいた。白って200色あんねんと脳内のアンミカがうるさい。じゃあこの白はその200色ある白のどの白やねん。寝てしまってはいけないと寝るのだけ必至に堪えていた。こんなにぼーっとする時間も久々だった。特に考えることもないというより、考える余裕もなかった。腰の痛みは徐々に引いていった。

1時間後、診察結果を聞くことに。結論は、「椎間板ヘルニア」とのことだった。5番目の背骨の軟膏が飛び出していて、それが背骨の神経に当たっているとのことだった。それで右足に痛みと痺れが出てしまっている。症状としては軽い方で、今すぐ手術とかそういう話ではないが、痛みが引くまで時間がかかるという。「レントゲン見るとね、あなた今…26歳?軟骨減りすぎwww普通は30代からなんだよ。あと股関節と骨盤のジョイントのところ。あなた骨盤の屋根なさすぎwwwこれは生まれつきだから仕方ないけどね。」とすごい笑っていたけど全然笑えない。「とりあえず痛みを和らげる薬と2種類出すから朝晩飲むこと。あと痛いと思ったら麻薬一歩手前の強い頓服出すから。吐き気とかめまいの副作用あるから胃の粘膜保護する薬も出すから一緒に飲んで。」と薬を処方された。最後にコルセットも渡され、着けて帰った。この日は経過観察をして明日また受診することになった。薬は下の階に薬局があるので、そこにもらいに行った。帰り際に、「あの落とし物ですよ。」と女の子が2人写ったプリクラを渡されたが、自分のじゃないと伝えると、「…いや…そうですよね笑ごめんなさいね」とどこかへ持っていった。どうして自分から落ちたように見えたのかも気になるけど、それどころではなかった。

それから上司に電話をした。「ゆっくり休みな。俺も職人もみんなやってるんだ。こういう時じゃないと休めないんじゃない?しばらく現場出てることにしていいから。会社に言っても大丈夫かとしか言われないから言わなくていいよ。」と言ってくれた。その他行く予定だったところにも色々電話をしたが、「いや俺もやったことあるんだよね。」とみんな言っていた。優しい世界だった。普段からなんかあって会社に行けなくなってもいいようにと仕事をしていたおかげで周りへの影響は最小限にできた。

何度か病院に通い、結果的には薬とリハビリで様子をみながら療養して、手術はしないことになった。日に日に痛みはなくなっていき、痺れも残ってはいるけど収まってきた。痛くなってから5日後の現在でようやく普通に座れるようになった。頓服を飲んでご飯の買い出しにも行けるようにはなった。車の運転もできなくはない。長時間立つのは辛いし、まだ右足を引きずったような歩き方ではあるが、日常の家事は問題ない。ただ、右足だけで爪先立ちができないので、右足がまだ思うようには動かない。お盆休みはバスケでもしようかと思っていたから、できなくなってしまったのはかなりショックだ。だけど、目の前で起こることには何かしら意味があるとすれば、この機会にしかできないことをやったほうがいいのかもしれない。ただぼーっとしてみたり、買ったのにやれていないゲームをやったり、本の続きを読んだり。会社に行けなかったおかけでというか、見れないはずだったTHE KEBABSの24時間配信を見ることができた。ゲストセッションで、フルカワユタカが登場し、大好きなTransient happinessを聴くことができた。この瞬間は痛みを忘れて楽しんだ。


現状、いつ治るかは全く検討もつかない。一度寝てしまったら動き出すまで少し痛みもぶり返す。なんとなく気持ちも弱る感じもあるし、できないことばかりが目立つ。病は気からだと思い、今は出来ることからやることにした。日に日に少しずつ良くなるのは救いだし、ちょっとずつできることが増えるのは嬉しい。全く動かないのもよくない。これで楽しめるはずのものも楽しめなくなるのは良くない。前向きに考えていきたい。バスケもまだやりたい。まだ天井じゃない。焦らず、ゆっくり治していきます。2度と人前でケツ出したくないんで。


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