聖闘士であれよ。

上司にちょっと付き合ってくれと言われ、上司がこれから担当する現場に自分が運転をして行った。ここ最近は同じところしか行っていなかったし、遠出も久々だったのでリラックスできた。上司と現場に行くのも久々で、なんとなく懐かしく感じた。運転中は現場から電話がかかってくるたびにああでもない、こうでもないと言いながら調整した。そのせいで懐かしさが薄れた。これは自分の成長によるものだから、薄れて当然だ。現場へ採寸に来たというのに、測定器具も何も持たない。そういう人だとわかっているから、必要そうなものは全て事前に用意していた。なんとなくそのために呼ばれたのだと思っていた。少しぐらい上司は楽をしていいはずなのだ。地方ばかりまわっているから、定年をこえた人の移動距離ではなくなっている。いつまでも上司を楽させてあげられない下の自分らが悪い。情けねぇ。

「ちょっとあそこに寄りたいんだけど。」と上司の担当している他の現場にも寄った。「俺の後継者です。」って客先と名刺交換をさせられる。以前にもこんなことがあったから驚くようなことではないけど、言葉の重みが違って聞こえた。上司の全てを3年で手に入れると言って、残された時間は半年。早すぎる。体感50%ぐらいしか手に入れられてない。不安を和らげるように、「これちょっとやってみな」と自分が経験してみたいと思っていたことができる現場を振ってくれる。それはとてもありがたいんだけど、暇を与えてくれない。ちょっとぐらいはインターバルをくれてもいいんじゃないか…。何もなければ、それはそれでやりたいことは山のようにあるし、周りみたいに明らかに暇を潰すようには仕事はしない。とはいえ、さすがに休みたい時もある。この日も車を400kmも運転させられるとは思わなかったしね。

それ以外の仕事の面で言えば、名指しで残業時間の長さを指摘され、支店全体で改善策を立てろと言われている。1ヶ月間、6勤1休やっていればそうもなるか。他にも名指しで指摘された人とどうしようかなんて話をしていたら、「俺は何かを捨てなきゃダメだって言われたけどね。」と言っていた。捨てられるものは自分もない。現場が炎上してもいいならいくらでも捨てて定時に帰る。出先での仕事が終わってそのまま帰宅できれば残業時間もかさばらずに済むが、そうはいかない。誰でもいいが誰かがやらなければいけない仕事があって、それが自分のところにまわってくる。自分が1番下っ端なわけで、自分がやらなければ火種となってしまう。それがよりによって会社でなければできないことだったりする。他の人がどれだけ残業しようが、自分の仕事が終われば逃げるように帰る人の集団で、チャレンジ精神だワンチームだと言うから気持ち悪い。自分の部署だけならまだしも、他の部署で手に負えなくなって自分の部署に仕事を振ってくることもある。「今週中にやってほしい」と水曜日に言う。「忙しいところ本当に申し訳ないと思う。やれることはやる」と言っていたから書類を作らせてもろくに作れない。作れないことに関してはまったく問題ないが、作る気が見えない。わからない振りをして丸投げしようという魂胆が見える。わからないと言っているところを出先から教えてあげようと電話をしても、平謝りをして話をまったく聞かない。客先に迷惑はかけられないので、机の上に書類を置いとけと言って、結局自分でやってしまう。会社に戻っても向こうは顔を合わせないように仕事をする。60にもなってこんな仕事の仕方で無駄に歳だけくって、金もらうだけもらって最高だな、とイライラしていると、「また今日もブチギレてんの?笑」「なんか俺に言われてる気がする…」「まあまあ」と宥められてしまうから、信じられないかもしれないけど毎朝今日こそは穏やかに仕事するぞって思って仕事に来るんですよとすかさず言う。こればかりは本当だ。イライラしても何もいいことはない。それにしたってこんな仕事の仕方をする部署と将来的には統合するらしい。聞こえはいいけど、上手く使われて終わりだ。メリットを感じられない。

インターネットで調べても上手く出てこないけど、刑事が取り乱した時に落ち着いて判断するためにポケットにキャラメルを忍ばせてると聞いたことがあったような気がして、持ち歩くようにした。6秒ルールというものがあるように、キャラメルを食べてる間だけでもイライラしたことは何も考えないようにする。食べてる間は落ち着くが、食べ終わるとまたイライラしてしまう。まぁ、こんなものですぐにイライラしなくなったら苦労はしないだろうから、長い目で見ることにした。その他には、毎日感謝日記をつけることにした。きっかけは読んでいる本。(読み終わったらnoteの記事にしようと思っているけど、一向に読みきれない。)感謝日記用のアプリに寝る前に書き込む。やりはじめた当初は感謝することがない日があって死にたくもなった。「何事もなく過ごせました。ありがとう。」は逃げてるみたいで卑怯な感じがするから、それで済まさないようにしている。回数を重ねてくると、スルスルと書けるようになった。少し難しく考え過ぎてたようだ。普段何かに感謝しながら生きるようになったとか大層なことはないが、寝る前に感謝することがあることで少し嬉しくなる。他にも寝る前に10分ほど瞑想するというのもやってみた。睡眠の質は上がるけど、疲労と共に寝るような感じなのでしばらくやっていない。

一方、職人さんは、「あまり気にするなよ。今日は早く帰れるから誰も文句は言わないけど、次は文句言われるかもな。」と冗談混じりで言ってくれる。やれる予定のことが客先都合で出来なくなり、後日また来なければならなくなった。「自分のコントロールできないことで悩むな」と言ってくれたのだ。この日を迎えるまでにどれだけの時間をかけ、どれだけの人と打ち合わせをして、何事もないように段取りをしていたのだ。客先都合とは言え、結果が結果だっただけに、自分にもまだやれることがあったのではないかと考えてしまう。1番迷惑をかけるであろう職人さんにそう言ってもらえるのはかなり気が楽になった。それよりも嬉しかったのは、「意外とオリオンはテキトーだからなぁ…これぐらいでもいいでしょ?」と言われたことだ。残念ながら、それはダメだったけれど。なんとなく自分もみてもらえてるような気がした。よく真面目だと言ってもらえることがあって、それは嬉しい。けれど自分では真面目だとは思っていない。自分の家を出て、他の誰かと対面するときにどうでも良くなかったり、妥協したくないと思って行動することがあって、たまたまそういう面ばかりを周囲の人が見ることが多いだけだと思っている。どうでもいいことは本当にどうでもよくて、他人に迷惑をかけなければ何もしたくない。仕事中にどうでもいいことがあってもいいのかということはさておき、おカタイイメージがなくなったのはいいことだと思った。


少しずつ思い出しながらここまで書いていたけど、時間が経ち過ぎて最後に何を言いたいか忘れてしまった。仕事や仕事関係の人たちの付き合いの他にも、飲みに誘われて出かけたり、友達と遊びに行ったりとそれなりにはリラックスをしている。まだ書けることもあるので、今回はこの辺で。



漫画の「銀魂」に少し登場する「聖闘士星矢」。どうしてもその元ネタを知りたい、主人公星矢の必殺技「ペガサス流星拳」を放つときのモーションを再現したいとアニメを見たことがあった。(モーションは習得出来ず)銀魂に出てくる程度なら理解できるようにはなった。このアニメには、「聖闘士には同じ技は二度も通じぬ」というセリフがあり、どんなに格上な相手だろうと、このセリフの後にはその技は文字通り二度も受けない。全人類、聖闘士であれよ。似たようなことやってるんだから2度目はしっかりしてくれよって思うと、このセリフが出てくる。まぁ、小宇宙を燃やしたり、重たい聖衣を常に背中に背負ったりということを考えものだけど。ただ、聖闘士星矢を少し見たことで、飲み会の席で話についていける瞬間があって嬉しい。「あれ、あの…なんだっけ?」ってなった人に、デスマスクですねってスッと言えたりもする。ちなみに自分は蠍座だから、スコーピオンのミロになる。人差し指を使う必殺技で、相手の中枢神経を刺激して殺す前に痛みを持って降伏させる。スカーレットニードルっつって。

仕事で納得できない時は小宇宙を感じてみてはいかがでしょうか。

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