MY SWEET WALL

「アダム&アダム」っていうライアン・レイノルズ主演の映画が公開されてて、それがめちゃくちゃ面白かったよ。

過去の少年だった頃の自分に大人になった自分が出会って、まぁ一緒に危機を潜り抜ける、みたいなシナリオなんだけど。うーん。過去の自分との対話ってさ、モノを作ってると常にテーマじゃない?で、もう超初期の自分の作品を作った頃の自分とかとさ、すげぇ真正面から向き合わなきゃいけなくなったりするじゃん?その時の自分が今の自分を見てガッカリしそうだな、なんて思ってたら絶対その先、モノ作れないから。そうね、それ(過去の自分を頑張ったって褒める)もいいけど、逆もいいと思うの。過去の自分が今の自分を見て、「まぁ、頑張ってんじゃねぇの?」って。「よくやってんじゃん」って。

今は言ってもらえそうな気がしない。「仕事は予想以上に頑張ってくれてるけど、休みの過ごし方は酷いし、腰壊すなんて思いもしなかった。」って言われそうだ。


リハビリの日。この日は、リハビリが終わったら在宅勤務にするつもりだった。家を出る直前まで迷って、私服で行くことにした。洗濯が面倒くさいとも思ったが、私服で外に出ることがめっきり減ってしまったので、気分は上がる。「私服を着たい」と思ったことが「ときめき」なら、アンミカの本のおかげかもしれない。

リハビリの空いた時間で読んでいた。アンミカの思考回路を少しでも覗いてみたいと読んでみた。ネガティブな人ほどポジティブになれる才能を持っているという内容から始まる。1番しっくりきたのは、「乗り越えられない壁は目の前に現れない」ということ。逃げてもまた似たような壁がやってくるのは、そういうことだったのかと納得してしまった。壁のほうから越えてくれと言わんばかりに来ていたなら、可愛く見えて仕方がない。簡単に越えれるものばかりではないから、「いつまで愛でてるんだ。さっさとしろ。」と急かされそうな気もしてくる。だけど、なんとなく焦りみたいなものがなくなって、気がかなり楽になった。

もう一つしっくりきたのは、「迷ったらときめいたほうを選ぶ」ということ。この本に限ったことではないけど。最近は少しだけ、やるか、やらないかの選択になった時は、やる選択をするようにしている。私服で病院に行くことにしたのもこれのおかげだ。最近してみたのは、ケーキのワンホール食い。子どもの時、誕生日に買ってくれたホールケーキを包丁で切り分けずに、フォークで思うがままに食べたいところから食べてみたかった。思い立ってケーキを買いに行った。「誕生日用ですか?」と聞かれた。はい、と答えてから気づいた。今、「誕生日用ですか?」と聞かれた?反射で答えてしまった。確かに誕生日なんだけど、自分のものだからそのままでよかった。何かを聞かれたが、反応が遅れて聞き返してしまった。ドライアイスを入れる個数を把握するために、家に帰るまでの時間を聞かれていた。ろうそくとチョコのプレートに名前を入れるのも断ると、店員はすごく変な顔をしていた。自分の名前が書いてあるケーキを自分で買って自分で食べるのは、かなり食べにくくなってしまう。持ち帰って食べると、どこから食べようかと迷う楽しみがあったが、次第に飽きがきてしまった。4分の1も食べてない。味が悪いわけではないし、むしろ美味しい。量の問題だ。自分にとっては余裕で食べ切れる量ではあったけど、こんなにはやく飽きが来るとは…。子どもの時はコース料理を見ても、色んなもの少しずつ何品も出さないで、好きなもの1品を多く食べたほうがいいと思っていた。今は違っているみたいだ。お祭りの500円くじのハズレ景品だったカルパス1箱とか、業務用のアイスとかも食べてみたかったが、しばらくは、やめておくことにした。子どもの時にやりたかったことは、はやめにやっておくべきだったと思った。やってみたことに後悔はないし、飽きながら食べるのも少し楽しかった。


少し脱線してしまったけど、リハビリに戻る。この日は診察よりもリハビリが先だった。腰の痛みはほとんどない。小走りなら問題はない。何も気にせずに座椅子に座れるようになって、ここ最近は座椅子に座っているだけで幸せを感じる。一瞬なら座布団の上であぐらもかけるようになった。足の痺れも残ってはいるが和らいできた。問題なのは、筋肉の硬直。背骨と骨盤の境目にある筋肉が硬直しているせいで、神経を圧迫してしまっているらしい。それに加えて、くるぶしの筋肉も硬直してしまっていて、歩く時のクッションがなくなっている。そのせいでふくらはぎの普段が増えて、ふくらはぎの筋肉も硬くなってしまっている。朝起きて伸びをすると、ふくらはぎをつってしまいそうになる。力の瞬発力は問題なくなっているけど、持久力がまだ戻ってないらしい。足のクッションがないのも相まって、歩きすぎたり、力を使うようなことを続けていると、夕方に痛みが出てくる。

リハビリに行くと、「何か困ったことはあるか?」と毎回聞かれる。ちょっと雪もチラついていたので、除雪で腰が壊れそうだと言ったら、言いたいことを我慢しながら笑っていた。もう壊れてるだろって言ってくれたら面白かったのに。最近は困ったことより、できるようになったことを言うようにしている。先生の顔が曇らずに済む。最近はお腹周りのインナーマッスルを腰に負担をかけずに鍛えるメニューがメインになってきた。仰向けで寝て足の上に先生が乗り、先生が出している手をタッチするように腹筋を使って体を起こす。クッソ、コイツ自分が届くか届かないかギリギリのところに手を出しやがって…。(先生はこれが仕事なので、何も悪くない)実際、本気でやって届くか届かないかの距離だから腹が立つ。リハビリが終わる頃には腹筋をバキバキに割って帰してあげようか?と言われたが、そこまでリハビリに通いたくない。明日にでも通院をやめたいところだ。診察に行くと、足を触られる感覚が右と左で同じになった。9点と10点の間がとても長かった。片足立ちもバランスは悪いが、力は問題なく入ってできるようになった。確実によくなっている。

ポジティブでいるためには、現状を受け入れて、時の流れに身を任せることらしい。仕事中に思い通りに行かなかったり、ヘルニアになってリハビリに通ったり、何をしたいか考えてるうちに終わってしまう休日も、何かしらの意味がある。

アンミカになりたいとか、24時間365日ポジティブでいたいとかじゃない。今よりちょっと自分を好きになって、今よりもうちょっと自分を信じたいだけ。


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