サンボマスターの「可能性」という曲を思い出して読んでほしい。(ビリギャルみたいなことではない。)

タイムマシーンがあったら何がしたいか。前までは特にしたいことがなかったから、the pillowsみたいに「壊す」と答えようと思っていた。でも最近は違う。14歳の7月に戻って、その頃の自分と話してみたくなった。

まずは13歳の4月から14歳の6月までを振り返ってみる。

当時中学生の自分は、全てがバスケに向かっていた。部活をしたいがために委員会には所属しないようにしていた。帰りのホームルームが始まる頃には練習着に着替えはじめていて、先生の話も聞いていなかった。今思えば、学校祭が嫌いだったのはこの頃からはじまっていたと思う。そんなに面白いと思えないことに時間をとられて、バスケができなくなっていた期間だから。部活は週に3、4回だったが、昼休みに体育館を使える日は必ずバスケをしていた。昼休みにすぐバスケができるように、当番でもないのに給食当番を毎日やっていた。そうして作った時間で早めに食べ終わって、チャイムと同時に体育館に行っていた。部活があろうがなかろうが、冬や雨が降っていない時は家の前でもバスケをしていた。簡易的なバスケットゴールがあった。坂の街というだけあって、家の前は斜面であったが、それがいい練習になっていたと思う。近所の小学生ともドリブルの練習だと思って、たまに一緒にやったりもした。週に1回は部活の後19時から21時頃まで社会人と一緒にやっていた。よくバスケの教則本を買っていた。付属しているDVDが見たかった。当時はノートパソコンが家になく、DVDをテレビに繋いだDVDプレイヤーで見ていた。一回では覚えきれなかったり、上手くいかなくて、部屋と外を何往復もした。時間がもったいないと、外にテレビとDVDプレイヤーを持ち出そうとして親に怒られたことがある。台風が近づいていた時に、早めの下校となったことがある。時間ができたと思って、雨が降っていなかったから、外でバスケをした。これもまた親に怒られた。中学校までは25分から30分ぐらいあった。その時間も有効に使えないかと、ドリブルをしながら登下校をしようとした。親にも先生にも怒られた。夕飯時、父親が見たい番組がない時にはNBAの試合を見ながら2時間ぐらい夕飯を食べていた。

ありがたいことに、中学1年・2年と市の選抜に選ばれていた。そのおかげで、他校の選抜メンバーとは面識もあった。練習試合や大会で会うのが楽しみだった。他校の生徒からは「お前らとはやりたくない」とよく言われていたけど…。試合中も、対戦相手とは思えないぐらい和やかな雰囲気で話すこともあった。何故か負けても清々しい気持ちだったし、素直に「楽しかったよ」と言えていた。中学校の体育館が開いてない時は近くの体育館に行って練習もした。そこには隣の中学校のバスケ部もいた。一緒に練習や試合もした。

当時は悩みという悩みもなかった。あったとしても、バスケに関することだけだった。難しそうな顔をしていたこともあってか、担任の先生はよく気にかけてくれていた。今思えばいい先生だったと思う。

先生「何か悩みでもあるの?」

自分「いや、ねぇかな。」

先生「そんなことないでしょ。悩みがないのが悩みとか言うんでしょ?」

自分「悩みはないかな。強いて言えば、他校に手の内知られてきたから、新しい技がほしいけど思い浮かばないことぐらいかな。」

先生「またか。バスケ意外で…」

自分「やべぇ!部活行ってくるわ」


本当にただのクソガキだよ。これを踏まえて、14歳の7月当時の自分と話をしてみたい。その頃はちょうど中体連が終わって、自分たちがバスケ部を引っ張っていくんだと意気込んでいた時期だ。「話をしたい」と言っても、過去の自分からは何も帰ってこない。ここからは、一方的に今の自分が話したいことを、過去の自分に向かって語りかけてみたい。





14歳の7月って言ったらさ、ちょうど怪我が治ったころでしょ。試合中、たまたま自分の膝に相手の膝が入ってすげぇ痛くて。でもそれ以上にさ、顧問の先生が駆け寄ってきてくれた時に心配してくれるのかと思ったらさ、「そこでそのプレーを選択したお前が悪い」って言われてさ。後からだんだん痛くなってきたよね。さすがに泣きそうになったよな。というよりちょっと泣いたか(笑)。でももう少ししたら、その先生から練習中に「お前はバスケットのセンスをお母さんのお腹の中に置いてきたみたいだから、今から取りに帰りな」って言われるんだよ。当時はすごい衝撃だったよ。「自分ってセンスないんだ」ってすごい落ち込んだし。でもたまたまコミセンの隣の図書館でNARUTOを読むんだよ。

※コミセン:コミュニティーセンター。学校の体育館が開いてない時に行った体育館

そこでたまたまロックリーの話を読んで気づくのさ。努力でセンスと同等の物は得られる。時間はかかってもそこまで辿り着けるって。前より努力するようになったかな。というかNARUTOじゃなくて、スラムダンクを読みなよ。今になってめっちゃバカにされるから。

会っていきなり一方的に話して悪いね。なんで14歳の7月の自分に会いたくなったか話さないと困るよね。お前がシュート練習を感覚でやろうとしたり、試合中も感覚でボール運びをしてるせいで、今シュートフォームはめちゃくちゃでシュートは入らないし、ボール運びもできなくなっちゃって、仕事の昼休みに教則本を読んでるところだよ。だから先生にあんなこと言われても当たり前だよ。むしろよく言ってくれたと思うよ。

今のは嘘じゃないんだけど、それが1番の理由じゃないかな。お前からは想像できないだろうけど、すごい悩んでることがある。それはお前にしかわからないだろうし、解決もできないと思ってる。それを話すには説明しなきゃいけない出来事が多すぎるから、かなり長くなっちゃうけど、これから自分の身に起こることだから、聞いて損はないと思うよ。

まずは、信じられないかもしれないけど、高校に入るとバスケを辞めるんだ。C高校(名前は伏せてある)は私服の高校だから嫌だし、O高校は何度か練習に参加させてもらって気付いてると思うけど、練習が好きじゃなかった。それで高校は市外の高校に行く。そこでバスケを面白く感じなくなって、やめてしまう。バスケが嫌いになったわけじゃない。膝が悪いわけでもない。その怪我とは関係ないけど、膝に少し違和感を覚えはじめてる頃だと思う。病院嫌いなのは今も変わらないけど、はやめに医者にみてもらったほうがいい。右足の膝にオスグッドと十字靭帯の炎症が同時に起きてる。確かにバスケをやめないと治らないとは言われるけど、それはただの言い訳。実際、膝の違和感から1年、しっかりと練習も試合もやった。やめた後に支障はない。強いて言えば、雨の日とか気圧が変わる時に膝が少し痛むぐらい。でもたいした痛みじゃない。

バスケを辞めたのはお前がバスケを200%も300%も楽しんでいたからなんだ。その時はそれに気づかなかった。それが高校に入った途端に、100%になったら面白くなくなってもおかしくないだろ。スタメンとは部活でも部活以外でも、平日も休日も祝日も関係なく毎日一緒にいるのが当たり前に感じてた。そりゃあ試合中、目があえばお互いに何がしたいかわかるようになるし、高校に入って知り合った人とは目があっても何をしたいのかなんてわからなくて当然だよ。今そんなにバスケに打ち込んでるのは、単純にバスケが好きなだけじゃなくて、みんなのために少しでもいいプレーをできるように上手くなりたかったって部分もかなりあったと思う。それも高校に入ったら、なくなってしまう。

「バスケをやめるな」って言いたいんじゃない。よく「灰色」という表現を使ったりもするけど、バスケをやめてからは、自分の世界から色が消えたような、そんな時期もあった。でも今はなんやかんやあって、幸せなことに大事なものを持ってる。「あの時バスケをやめてなかったら」なんて考えるのが申し訳ないぐらいにね。

問題はバスケをやめた後。それまでのチームメイトに合わせる顔がないって連絡を取るのを自分からやめたんだ。今は北海道にすらいないから会うこともなければ、連絡も取らない。でもこれだけは未だに後悔してる。向こうから連絡くれていた時に気づけばよかった。バスケをしてるお前とだけ付き合ってたわけじゃない。バスケをやっていないくても、お前をお前として付き合ってくれてたんだ。同窓会で久々に会ってわかったよ。向こうもかなり気にしてくれてたよ。25歳でまた同窓会やるぞって言ってたけど本当かな(笑)。まぁ、過去を1個だけいじっていいって言うならここかな。

そういえば1個報告がある。新しく靴を買ったんだ。それがバッシュ(バスケットシューズ)なんだ。お前は24〜25歳の自分の想像は、毎朝行きたくない会社のためにため息を吐きながら起きて、憂鬱な気分で駅のホームを通過して、満員電車で通勤。怒られながら仕事をなんとかこなして、家に帰る。その家では灯りをつけて待ってくれている人がいて。でもその生活にはバスケがない。そんな社会人を想像してたと思う。でもまるで違うぞ。スーツなんか1年に2回着たらいいほうだし、車通勤。仕事は楽しいし、誇りを持って毎日仕事してるよ。でも灯りをつけて待ってくれてる人がいないのは残念かな。でも最近、少しずつバスケやってるんだよ。だからバスケのことも聞きたかったんだ。これはビックリだよね。

少し話はズレちゃったんだけど、その靴は俺とお前にとっては大事な靴になるんだ。その靴が俺とお前を繋げてくれる。なんか別人のように感じるからね。その靴は少し手間かけたり、めんどくさいことしちゃったから、届くまでは結構時間がかかるんだ。でもその靴は紛れもなく世界に一つの特別な靴になるはずだよ。今お前が履いてる靴も特別だと思うけど、今の俺を少しだけ困らせるんだ。バスケをしててもお前のことばかり考えてしまう。試合中は相手と対峙していても、お前と1 on 1をしているようだし、味方もあの時のチームメイトと思い出してしまう。今一緒にやってる人にも申し訳ない。高校に入ってからはずっとそうさ。申し訳ない。これは靴だけのせいではないんだけど、何か自分の中で変えたいと思った結果が、「靴」だったんだ。バスケをやめてからは、お前から溢れ出て抑えて切れないような情熱も、心の奥底に眠ってしまったし、積極性もなくしてしまった。自分にも嘘をつく回数も増えた。そんな自分を少しでも取り戻せるきっかけに、靴がなってくれればいいな。お前も俺なんだからできないわけはないよ。

(靴に関しては、また今度別の記事で書こうと思っている)


まぁ言いたいことは言ったかな。あとはこの後起こることで何個か。

まずはあんまり顧問の先生を邪険に扱ってやるな。大して残業代も出ないのに、好きでもなんでもないバスケの顧問ってだけで休日も学校に来るんだ。悪口も「そんなんだから、前の学校でパンツ燃やされんだ」ぐらいにしなよ。冗談まじりでね。これでも結構だと思うけどな…

※前の学校で、生徒に焼却炉でパンツを燃やされたという噂があった顧問の先生。期末テスト明けに、自分自身はそんなことはなかったが、先生はやる気がないように見えたらしい。先生はかなり頭に来て、練習を止めてバスケ部員をゴールの下に集めた。「なんでそんなシュートも入らないんだ!この黒い四角の上の角に当てれば入るだろ!!」そう言って4本ゴールの真下からシュートを打ったが、1本も入らなかった。そこから先生を信用するのはやめた。試合中もなんとなくディフェンスが悪くて相手に押されているのを感じている時に、先生がタイムアウトを取ってくれてベンチに戻った。

タイムアウト:試合の途中で時間をとめて、1分間作戦会議を行うことができる

先生「ディフェンスが悪い。しっかりやれ。以上。」

自分「はい。(そんなのわかってるんだよ。どこがどう悪いか考えたり、修正するのがお前の仕事だろ。これで30秒無駄にしたわ。話が長い)」

自分「多分あそこが穴で、そこつかれてるからカバー入れるように注意するか」

ということが多々あったから、自分で多少は勉強してる部分があった。……※


あとゾーンに1回だけ入る。ゾーンに入ったら、オフェンスの時はハーフラインから1回ドリブルをつくだけでディフェンスを抜き去って、ゴール下まで行ってしまうような感覚だ。シュートは外れないし、ファウルされてもまるでされてないかのように何も感じない。パスにしても、自分がパスを出したところにチームメイトが来るような感覚だ。ディフェンスに至っては2秒先が視えるような感覚。止められないわけがなかった。その日は前半まで無得点だったけど、後半からゾーンに入って24得点。ありえない数字だよ。その日は俺を止めるために相手のエースが出てきて、俺よりそいつが身長が高くてミスマッチ。なのに相手は俺を全然とめられなくて。その次の試合で会った時、めっちゃ睨まれたぞ(笑)。ゾーンに入るための条件が人それぞれにあるみたいだ。お前の場合はチームのためにっていう思いかな。その日は特別調子が悪かったからな。多分チームメイトが誰でもいいわけじゃないから、未だにゾーンはその1回だけなんだ。小学生の時と合わせて2回だけだな。

※小学生の時、試合前に、何が原因かわからないが、腹を下してトイレにこもっていた。そこでコンコンダッシュをされた。誰にされたかはわからない。そのイライラを八つ当たり的に対戦相手にぶつけて、今まで勝てなかったチームに勝ったことがある。その時に正露丸をもらってから、腹が痛い時は正露丸と決めている。……※


高校と練習試合の時に、靴を履いて準備してたら、靴紐が切れちゃって。それを高校に指さされながらめっちゃ笑われて。それに腹が立ってボコボコにしてやったんだよ。バスケで。先生方いなかったらボコボコにされてたと思うよ。拳で。睨まれてめっちゃ怖かったなぁ…。なんか睨まれてばっかだな…。そんなに怒ることじゃないんだから冷静にやりな。

冷静にと言えば、試合中、怒りすぎてベンチに戻って我に返ってってこと何回もあるだろ。そしてその怒ってた間の記憶がない、みたいな。それは本当に直したほうがいい。みんなあんまり経験したことないらしいぞ…

中体連の前日のことはやけに覚えてる。明日試合だからって練習をはやめに切り上げたんだけど、なんか物足りなくて。家に帰ってからも少しボールを触ったんだ。特別に綺麗だったわけでもないし、特別、澄んでたわけでもないけど、夕日が綺麗で空気が澄んでいるような気がした。時間の流れがゆっくり感じた。今でも覚えてる。

次の日の中体連では、ボックスワンしかけられて「うわ、めっちゃ嬉しい…」って思ってる間に負けるぞ。本当にチョロいなぁ…

※ボックスワン…オフェンスのキーマンとなる人物にボールを持たせないように、その人にディフェンスが1人ぴったりと守る、ディフェンスのフォーメーション。

でも、その試合は負けたのに気持ちが良かったな。その試合は予選だったけど、相手はみんな泣いてたぞ。優勝したかのように。かなり俺らのことを研究したらしいぞ。なんか負けたのに嬉しかったな。その相手は決勝までいって、惜しくも決勝で負けるんだ。「そこまでいったら優勝だろ」って言ったから嫌われてちゃったかな。

あと「あひるの空」がアニメ化するぞ!なんかガチオタクみたいになってしまうから気をつけなよ…


これぐらいかな。まぁあとはもっと1日1日楽しめるよ。大事に過ごしな。ありがとね。




長々と書いてしまった。近々死んでしまうような文章だった。本当はこんなに書くつもりじゃなかった。2週間もかかってしまった。でも今、とてもスッキリしている。実は靴を買おうと思ったのも、これを書いている途中だった。思わぬ出費だったが、後悔はしていない。この記事を通して、自分の中では大きな変化となった。前までは、あの頃の自分と向き合うのを避けていた。でも今回でしっかりと向き合えた。あの頃の自分がすごく輝いていて眩しすぎた。(客観的にみたらそうじゃないかも)

ようやくこれで100%前を向けるような気がする。はやく新しい靴を履いて、バスケがしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?