まえがき

ジョニーは、環境テロリストの赤ひげと、猟師コジュウローの、密猟者タイチの身柄をめぐる争いを仲裁します。

本文

ジョニーは、猟師コジュウローに言いました。

ジョニー: 「コジュウロー、密猟者タイチは君の手で警察に引き渡すべきだ。彼は法と正義の裁きを受けなければならない。ベーリング市警察に連行し、彼が犯した罪に対して責任を取らせるがいい。」

さらに、密猟者タイチの引き起こした被害の償いについても提案します。

ジョニー:「ただし、それだけでは終わらせるわけにはいかない。彼の流した毒と電気はテルマ川流域の猟師や漁師に多大なる被害を与え、川の環境にも深刻な影響を及ぼした。その回復には何十年もかかるだろう。だからこそ、彼には償いをさせる必要がある。人の裁きを終えたら、タイチをイーハトーブに帰らせて、テルマ川流域の猟師や漁師への償いを果たさせよう。彼はイーハトーブで稼ぎを得ることで、償いを支払い、川の環境再生に取り組む責務を負うべきだ」

次にジョニーは、赤ひげに意外な提案をしました。

ジョニー:「赤ひげ、君たちの組織はタイチが償いを果たすか監視しろ。数十年後、彼が猟師たちへの償いを終えたら、死後にタイチの遺体をレッド・ベアに引き渡せ。人間は死んだ者を裁けないが、モンスターは死者を裁くという。タイチは『熊の裁き』も受けるべきなのだ」

ジョニーの言葉は厳然たる決意と共に響き渡りました。彼は正義を貫くために、法と環境の回復を求める重大な措置を提案したのでした。

ジョニーは、さらに悲しみと責任感を込めて赤ひげに語りかけました。

ジョニー: 「赤ひげ、君たちが心配しているように、レッド・ベアは多くの子熊を失い、絶滅の危機に瀕している。私は彼らを守るため、ベーリング市の南方に保護区、君たちは解放区というのかもしれないが、これを設置することをベーリング市長に要請すると誓う。かつて数年前、私はベーリング市北方にホワイト・ベア保護区を設けることに成功した経験がある。もし初めから私に頼んでくれれば、今回のような鉄道テロをする必要はなかっただろう」

ジョニーの声には悲しみと後悔が混ざり合っていました。彼は過去の経験から学び、レッド・ベアを救うために全力を尽くす覚悟を赤ひげに伝えたのでした。

ジョニー:「赤ひげ、コジュウロー、両者よろしいか！」

赤ひげとコジュウローの目はうなずいたように見えました。

ジョニー:「そうだ、タイチのコートは赤ひげがレッド・ベアに渡してくれ。レッド・ベアにとっては子熊たちの形見だ。いいなタイチ！」

タイチの酔いに濁った目は、かすかにうなずいたように見えました。

ジョニー:「それでは、【硬直解除】しますが、乗客のみなさんはそのまま自分の席に座って動かないでください。赤ひげとコジュウローは争うことなく、自分のつとめをはたせ。車掌さんは、１、２号車と機関車に状況を伝えて安心するように言ってください。【硬直解除】！」

３号車はホッとした雰囲気に包まれました。
車掌は２号車に向かいました。
赤ひげは、タイチのコートを急いで脱がしながら叫びました。

赤ひげ:「俺はレッド・ベアの群れに帰るように伝える。レッド・ベアの村長１頭だけ連れてくるから、決して攻撃しないでくれ」

ジョニー:「わかった」

赤ひげは転がるように３号車を飛び降りて野原を走って行きました。

あとがき

次回、勲爵士ジョニーと、レッド・ベアの村長が対話します。