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電力って何?【大人になって抱く電気のギモン_5】

なぜ酢豚にパイナップルが入っているのかわからない

まいど!

理系大学院卒現役エンジニア
兼フィットネストレーナー

サイバーサイエンスTAMOです。

これまでの1~4の記事で、
電流、電圧、抵抗について、
またそれらの計算方法についても
初心者向けに説明してきました。

今回は電力について初心者目線で
説明していきます。

電力と聞くとワット(W)が思い浮かぶかと思います。

家電を観察してみると
600Wとか1200Wとかいろいろ書いてますよね。

画像4

これらは電力と言い、
家電を動かすために必要な電気のパワーのことで

例えばドライヤーを動かす際には
1200W(ワット)の電力が必要だということです。

ではこの1200という数字はどこから出てきたのか?
そもそも電力のイメージがまだピンと来ていない

という方にこれからもう少し具体的に説明していきます。

まず1200がどこから来たのか説明します。

これは電圧×電流の計算で求められています。

電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)

です。

例えば、家庭用コンセントには100Vの電圧がかかっています。
このコンセントにドライヤーをさして電源を入れると
ドライヤーの内部に電流が流れます。
この電流がファンを回したり、熱い風を作り出したりしています。

画像1

回路図に表すとこんな感じです。

画像2


ケーブルの内部には2つの同線があります。
これが家庭用電源にささることで回路が完成します。

そして、この時流れている電流が12Aだったとします。

つまりドライヤーに100Vの電圧を与えると12Aの電流が流れた
ということになります。

ドライヤーを動かすには100Vの電圧と12Aの電流が必要ということになります。

いいかえるとドライヤーを動かすのに必要な電力は

1200W(ワット)である。

ということになります。

電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)

なので

電力(W) = 100V × 12A 
= 1200W

です。

もっと詳しく言うと、

ドライヤーを使うために必要な電力のことを
消費電力と言います。

ドライヤーの消費電力は1200W

ということになります。

ドライヤーの設定を弱から強に変えると
ファンが勢いよく回ります。
この状態でドライヤーに流れる電流は15Aだったとすると、
この状態での電力は1500Wということになります。

ここで勘の鋭い方はこんなギモン浮かぶと思います。

「なんでわざわざ電圧と電流をかけるとかややこしいことするの?
電流が流れるとドライヤーが動き、
また電流が変わるとドライヤーの勢いが変わるなら、
電流が電力として扱えばよいんじゃないの?」

的なギモン

これには理由があります。

例えば

例1:
2Ω(オーム)の抵抗に24Vの電圧を与えると、

電流 = 電圧 ÷ 抵抗なので

電流 = 24V ÷ 2Ω
= 12Aとなり

12Aの電流が流れます。

次に

例2:
50Ωの抵抗に600Vの電圧を与えても
電流は

電流 = 600V ÷ 50Ω
=12A 

となります。

例2は例1より抵抗が大きいので
例1と同じ12Aの電流を流そうとすると、
例1より大きい電圧を与えないといけません

つまり、例1より頑張らないといけません。

もっとでいうと、

例3
スーパーのカートを押して歩く

画像3

例4
自動車を押して例3と同じ速度で歩く

どう考えても例3より例4の方が頑張らないといけないですよね。

例4の方が大きいパワーが必要なのに
同じ速度で歩けたから消費するパワーは例3と同じです、、、

と言われると理不尽極まりないですよね。
例3と例4が平等に扱うためには

物体を押す力と押しているときの速度をかけ合わせると
なんだか平等に扱えそうですよね!

電気の世界でもこれと同じです。
電流は物体が動く速度です。
電圧は物体を押す力です。

これら電圧と電流をかけ合わせることで、
ドライヤーにどれだけのパワーを与えたかを平等に扱うことができます。

もし興味があれば家電製品を観察してみてください。

扇風機の消費電力は50Wくらいです。
ドライヤーの20分の1くらいの電力で動きます。

ドライヤーを動かすためにはかなり頑張らないといけないということがわかります。
それだけ電気代がかかるということです。

今回は以上です。

 


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