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なぜ、サイボウズが『山の上のパン屋で人が集まるわけ』を出版するのか

こんにちは。サイボウズ式ブックス編集部です。

このたび、サイボウズ式ブックスの第3弾となる書籍『山の上のパン屋に人が集まるわけ』の発売が決定しました! 4月28日(金)より、全国の書店やオンラインにて発売を開始します。

装丁です。パンのような紙がかわいい

著者は、長野県でパンと日用品のお店「わざわざ」を営む平田はる香さん。平田さんがお店をつくるまでのお話や、わざわざの経営について、さらにはものやお金との向き合い方についてなど、平田さんの人生哲学がたっぷりと詰まった一冊です。

Amazonやわざわざのオンラインショップでは事前予約がスタートしており、すでに多くのご予約をいただいています(ありがとうございます)!

このお知らせを見て、「平田さんの本を、なぜサイボウズが出版するの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

そのため今回は、IT企業であるサイボウズが、なぜ平田さんの本を出版するのか。その理由について、くわしく書いてみたいと思います。

そもそも「サイボウズ式ブックス」って?

サイボウズ式ブックスは、2019年にサイボウズが立ち上げた出版レーベルです。兵庫県明石市にある出版社・ライツ社と協業し、「はたらくを、あたらしく。」をコンセプトに本を作っています。

もともとサイボウズは、2012年から「サイボウズ式」というオウンドメディアで情報発信を続けていました。

このメディアでは、サイボウズの「チームワークあふれる社会を創る」というパーパスを実現するために必要だと考える、「多様な個性を尊重する」「個人の自立と議論を大切にする」「公明正大である」といったカルチャーを体現する人々の記事をつくり続けています。

オウンドメディアでの発信をはじめて10年。「ウェブ」の可能性をたくさん身に染みて感じるとともに、私たちはその限界も感じていました。Twitterをはじめ、SNSでビジネスの情報収集をしている人たちの数は限られています。そこで新しい情報発信のあり方を模索していたときに、本屋・書店という場所の持つ可能性をあらためて思いました。本という媒体を通して、私たちが大切にしている価値観を伝えていけたらと思うようになったのです。

本という媒体で、本屋・書店という場所で、サイボウズの価値観を伝えていく。

この目的をしっかりと達成するために、私たちが出版事業を始める時には、「取次を通して広く一般流通させること」が必要な条件でした。ですが私たちには出版業界のノウハウがない……。そこで協業のお声がけをしたのがライツ社さんです。

ライツ社とともに、全国各地の書店で購入いただけるような一般流通に乗せられる本を作る。そして、サイボウズが目指す「チームワークあふれる社会を創る」という理想に近づくための価値観を伝えていきたい。

それが、私たちがサイボウズ式ブックスをつくった目的と思いです。

平田さんとの出会い

平田さんとの出会いは、2019年まで遡ります。サイボウズ式ブックスの1冊目『最軽量のマネジメント』の出版記念イベントの際に、著者であり元サイボウズ副社長の山田さんと対談をしていただいたのが、平田さんとのはじめての出会いでした。

その頃から編集部の中では、「平田さんの経営観がおもしろい」「サイボウズと共通するところがあるのではないか」と話題になっていました。

個人に無理をさせるのではなく仕組みで解決をするところ、従業員の幸せと会社の利益を両立させようとしているところ。平田さんは、世の中の「こうあらねばならない」「働くには我慢がつきものだ」といった呪いを、自分なりの方法で解いている方のように思えました。

そしてその後も、サイボウズ式でコラムを書いていただりと、細々と関係は続いていきます。

サイボウズ式ブックスでは、これまで2冊の本を出版していますが、そのどちらもがサイボウズ社員が著者の本。私たちは「サイボウズの中のこと」だけを伝えたいわけではなく、「チームワークあふれる社会を創る」ための考え方を広めていきたいと思っています。そのときに社内とか社外といった線引きは意味がないと考え、3冊目は「同じような思想を持つ、社外の方を著者に迎えたい」と前々から話していました。

そこで、平田さんの本を作りたいという話になったのです。

プロジェクトがスタートしたのは、2020年の9月。議論に議論を重ね、つくるのに2年半以上かかりましたが、その分とてもいい本ができあがったと思います。

今回の書籍チームとして、ライツ社に加え、藤原印刷さん、ライターの土門さん、装丁家の吉岡さんと、心強いみなさまがジョインしてくださいました。

平田さんが、今回の書籍についての思いを書いてくださっておりますので、ご興味を持ってくださった方はぜひこちらもご覧ください。

この本の特徴

本の内容の詳細については、ぜひ予約ページを見ていただければと思うのですが、今回の本には少し変わった特徴があるため、2点ご紹介させていただきます。

■通常書籍より低い掛け率を実現

サイボウズ式ブックスは、前述のような目的のために成り立っているプロジェクトなので、売上が第一義的な目的ではありません。そのため、どのような形であるべきかを議論した結果、「サイボウズ式ブックスに関わるステークホルダーのみなさまが幸せになる形」を目指すことにしています。

サイボウズ式ブックスから出版される本は「取次に50%」で卸すことによって、「書店マージン35%」を実現しています(今回の書籍以外も同様です)。直接取引の場合は、今回は100冊以上のご注文で「掛け率55%」です。

長年、出版業界で課題とされていた書店粗利の問題に一石を投じるために、通常よりも低い掛け率で設定し、書店・取次のみなさまに還元できるビジネスモデルにしています。

■廃盤になってしまう紙を利用

平田さんは、わざわざでのものづくりにおいて「ゴミにならないこと」「環境に配慮したものづくりをすること」を心がけていらっしゃいます。

その平田さんの思想を、今回の「本」というものづくりでも体現するべく、本文用紙に使用されている紙は、すべて「廃盤となり使用されなくなる紙」を使用しています。その時々の廃盤用紙を使用していくため、重版以降は用紙の種類は変わっていく予定です。

本の内容だけではなく、本の作り方、売り方に関わるところまで、既存の出版業界の常識を超えて、さまざまな理想の実現を考えていきたい。そんな風にチーム一同思っています。

平田さんの本を皮切りに、これからも、さまざまな著者の方の本を作っていく予定です。(発売はマイペースになるかもしれませんが……苦笑)。

これからも、サイボウズ式ブックスをどうぞよろしくお願いします。

お問い合わせに関して

書籍のご注文に関するお問い合わせは、下記よりお願いいたします。

(株)ライツ社 
TEL:078-915-1818 FAX:078-915-1819 
MAIL:takano@wrl.co.jp

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