見出し画像

特定商取引法の通信販売分野における執行状況~消費者庁公表

消費者庁によると、インターネット通信販売を中心とした通信販売(以下「通販」という)分野に関する消費生活相談件数が増加傾向にあるという。消費者に対する注意喚起と、事業者に対する法令遵守意識の啓発を図るため、執行件数やその内容等を公表した。


|現況

インターネット通信販売においても様々な形態が生まれ消費 者の利便性は向上してきたが、一方で通信販売(以下「通販」という。)に関 する消費生活相談件数も増加傾向にあるという。

消費者庁資料より転載

|法律改正

こうした状況を踏まえ「特定商取引に関する法律」が改正された(令和3年6月施行)がそのポイントは以下のとおりである。

① 通販の申込みに係る最終確認画面等において、一定の事項を表示するよう義務付け

② 当該最終確認画面に違反する表示によって消費者が誤認した場合の取消権の創設等

|特定商取引法の規制対象となる「通信販売」

「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が「郵便等」によって売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品、権利の販売又は役務の提供のことをいう。

「販売業者又は役務提供事業者」とは、販売又は役務の提供を業として営む者を意味する。
業として営むとは、営利の意思を持って、反復継続して取引を行うことをいう。 なお、営利の意思の有無については、その者の意思にかかわらず、客観的に判断されることとなる。


|執行概況

〇 通販に関する行政処分
令和5年9月から令和6年4月までの約8か月間で、行政処分(指示、業務停止命令、業務禁止命令)を3案件実施
いずれも定期購入商法に係る処分であり、令和3年の法改正で追加された最終確認画面における表示義務違反を含む事案となっている。

〇 行政指導の積極的に実施
注意喚起による対応であった法違反の疑いがある事業者に対して行政指導を積極的に実施。
令和5年9月から令和6年4月までの約半年間で6案件を実施。うち、プラットフォーム事業者(いずれもサービスの出品等に係るプラットフォームを提供)に対して広告表示義務違反(主に電話番号などが記載されていなかった)」に関する行政指導を4案件実施している。

<参考データ>
国による通信販売の行政処分件数(案件ベース)の推移(令和3年度以降)処分件数の推移

消費者庁資料より転載

 〇 通販のモニタリング調査を実施
委託事業で通販のモニタリング調査を実施し、事業者の法令遵守状況を調べるとともに、その結果に基づき、事業者に対して注意喚起通知を発出している。
令和5年度は1,552件実施し、消費者被害拡大の防止を行っている。
内訳は下図のとおりで、オークションが70%、通販(テレビ通販除く)が28%、2%がテレビ通販。代表者名や住所などが記載されていなかったという。

消費者庁資料より転載


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?