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愛と烏合の衆「結-Yui-」レコ発 あとがき

改めて11月11日の「結-Yui-」レコ発に遊びに来てくださった皆さん、
出演してくれたハルカカナタとFOUJITAくん、
お店で全面サポートをしてくれたらぁめんさん、
客席に最高の音を届けてくれたがっちゃん、
そして、ここまで一緒にいてくれた大好きなメンバー、
心からありがとうございました。

「愛と烏合の衆」というバンドを組んだのが、ちょうど1年前の11月。
そこから練習を重ね、1月のごりごりハウスの4周年で初めてライヴをした。
愛と烏合の衆は、みんなそれぞれに持ち場があるので、
毎月たくさんライヴをしたり、練習もなかなかこまめには入れない。
でも、みんなの足並みが揃うペースがゆっくりになっても
私はどうしてもこのメンバーでバンドがやりたかった。
このメンバーなら、絶対にいいバンドになる自信があった。

1月に初のライブをやって、
その後からレコーディングして作品を作ることを決めた。
5月からレコーディングを開始して、製作を進めつつ、
6月の終わりごろに、私個人としては非常に久しぶりとなる「レコ発」というイベントをやろうと一念発起。
レコーディングは6月、遅くても7月くらいには終わる予定でいたけれど、
難航に難航を重ね(特に私の歌入れが)9月中旬にやっとすべての録音が終わった。
そこから10月下旬の入稿ギリギリまで編集作業を何度も何度も繰り返した。
平行して夏くらいから今回すべてのデザインを担当してくれたまっきーと打ち合わせを始めた。
ジャケットも歌詞カードも盤面も、何度も何度もやり取りを重ねて
それでもまっきーは最後まで付き合ってくれたどころか、
入稿当日の最後の最後まで丁寧な仕事をしてくれて、ものすごく素敵な仕上がりにしてくれた。

音源もデザインも、みんなの力をたくさんたくさん借りて
私ができることを、できる限り丁寧に妥協をせずに精一杯に作った。
こんなに長い時間、製作に没頭し続けたのは本当に久しぶりだった。
大変なことはたくさんあったし、
うまくできない自分に悔しい思いをした時間は長かったし、
一緒に製作してくれたみんなにたくさん迷惑をかけたことも多かったけれど、
本当に心から夢中になった時間だった。

そして音源の製作と平行して、レコ発というイベントの製作も初夏の頃から始めた。
11月にやるイベントの製作を初夏あたりから始めると言うのは、
自分としてはだいぶ遅い。
レコーディングを始めてすぐに
「レコ発をやるならハルカカナタは絶対に欠かせない」
という想いがあったけれど、
そのタイミングで、ハルカカナタのドラムの桃ちゃんが決まっているスケジュールをもって休止することを知った。
私にとって桃ちゃんは、音楽仲間という枠を越えて、特別な友人としてもとても存在が大きい人。
だから、本当は桃ちゃんにいてほしい。
でも桃ちゃんは芯をまっすぐに通す人だから、いくら特別な友人であったとしても、
自分たちのレコ発だけシークレットで叩く、というようなことはしないだろう、
そういう依頼をすることも無粋だし、
桃ちゃんやバンドが考え抜いた決意を、私は一友人として尊重したい。
状況からして、ハルカカナタに出演してもらうことは、なかなか困難になるだろうなと思った。
でも、私はやっぱりどうしてもレコ発にハルカカナタがいないことが考えられない。
ある夜、私は桃ちゃんを呼び出して、
事情を全部承知した上でハルカカナタを誘いたいこと、
当日桃ちゃんが来られる状況であるなら1曲でも良いから叩けないか検討してほしいこと、
叩けなかったとしても、当日桃ちゃんにもそこにいてほしいこと、
でも、最終的には桃ちゃんとハルカカナタの考えを尊重したいと思っていること、
すべて正直な気持ちで伝えた。
バンドの状況からしても、返事はすぐにもらえないことは重々承知していたので、
どんなに遅くなってもこちらから状況を伺うような連絡はせず
返事をくれるまでとことん待とう、と決めた。
そして、夏の終わりにサナダくんから「出演でよろしくお願いしたい」と連絡がきた。
連絡をもらった時は本当に本当に嬉しかった。
(LINEで踊るスタンプを連打して返信した)
これで最高のイベントになる、と思った。
当日、ハルカカナタは久しぶりのステージで新体制一発目のライブとなった。
サポートドラムはユウネトのあかねちゃん。
あかねちゃんは、そんなハルカカナタのステージをものすごい集中力で
微塵の迷いもなくバシッと決めてきて、すごく格好良かった。
ベースのほっしーがあかねちゃんのリズムを確かめながら導いているように見えて
優しいお姉さんに見えた。
サナダくんはイベント前からLINEやSNSで
「愛と烏合の衆はバンド界の『愛のバクダン』」だとか
「愛と烏合の衆に『愛のバクダン』落っことします!」だとか
大好きなB'zの曲を引用しては、たびたび発破をかけてきた。
「もうそれ言いたいだけでしょ(笑)」と思ったりもしたけど、
本当に愛のバクダンを落っことしてきた。
ハルカカナタの愛のバクダンは、すごい威力で会場を燃やした。
この大事な日に最高の愛を投下してくれて本当にありがとう。
ハルカカナタがいてくれて本当に嬉しかった。

FOUJITAくんを誘おうと決めたのも初夏の頃だった。
FOUJITAくんとは去年の夏、新しくなったMojo;Mojaというお店で久しぶりに再会をした。
その時、嬉しそうな笑みを全面に浮かべて、
とことん音楽を愛でるように歌うFOUJITAくんを見て、
改めて私の中のFOUJITAくんを好きな気持ちが爆発した。
FOUJITAくんもその日の私のライブをよく褒めてくれて、
「ごりごりで、緒方さんのPAで爆発する愛さんを見たい」と言ってくれた。
弾き語りというスタイルで表現するうえで、
私にとってFOUJITAくんは憧れの存在だった。
FOUJITAくんのライヴは私とは全く違う、私には全くできない温度感がある。
高さじゃなくて、深さと静けさ、広がり。そこにある愛。
そんな存在の人にそんなふうに褒めてもらえて、私にとって忘れられない夜になった。
その時に「いつかごりごりで大事なイベントをやる時には出演してもらえるように頑張ろう」と思った。
そして、レコ発をやろうと思った時に「その時がきた」と思った。
最初は、バンドとしてのレコ発なので、
出演者もバンドメンバーにゆかりのあるバンドで集めた方が良いかなと思った。
でも、そういった都合も時には大事だけれど、
今回は、この大事な日に本当に自分が一緒にやりたい人だけを呼びたいと思った。
メンバーに
「FOUJITAくんを呼びたい。FOUJITAくんを知らないメンバーもいるから、
私の独断になってしまうけど、わがままをきいてほしい」
とお願いして、メンバーに快諾してもらった。
私はFOUJITAくんの直接の連絡先を知らなかったので、
SNSに連絡先として掲載されているメールアドレスに連絡をして
手紙のようなやり取りを何度かして、無事に出演してもらうことが決まった。
FOUJITAくんの言葉はいつも、短いけれど心地良かった。
FOUJITAくんのライヴはいつ見ても、同じ曲でも、ライヴがいつも違う。
「その日その時の自分」で歌っている。
当日のライブでは、座っていられないほどギターをかき鳴らすFOUJITAくんがいた。
彼の中で、閃光のように音楽への熱がほとばしっているように見えて、
そんなFOUJITAくんの姿を見られたことがものすごく嬉しかった。
そしてこの日、たくさんいろんな話ができたことも、とても嬉しかった。
そこに大切にしたい言葉がたくさんあった。
FOUJITAくん、素敵な歌をたくさん歌ってくれてありがとう。

この一年間、
私は自分でも驚くくらい夢中になって音楽に打ち込んだ。
ライヴの本数が多かったわけではないし、
たくさん発信をしたわけではないので
表から見える活動はそんなになかったかもしれない。
いろんな場所を駆け回った20代の頃のような情熱は
もう私の中には戻ってこないのかもしれないと思っていた。
でも、いろんなことを経験しても、
音楽ほど私をあんなにいい場所へ連れていってくれるものは他になかった。
ソロとして弾き語りで活動している間は、ずっと自分の思うようにできないことばかりだったけれど、
もう一度、その場所へ行きたくて音楽をやめられなかった。
4人で音楽をやり始めた時、
体の中にやっと音楽が鳴り響き始めた実感があった。
みんなの演奏に自分の歌が思うようについていかなくて、悔しいこともたくさんあったけど、
練習の録音を何度も繰り返し聴くたび、
私がひとりで作った歌が、みんなの演奏で生命を帯びていくようで泣きたいほど嬉しかった。
みんなと音を合わせたり、音楽の話をするたび、
あの頃よりずっと大きくて純粋な情熱が私の中に戻ってきた。
レコーディングを始めてからレコ発の日まで、
自分で指揮をしていろんなことを進めていくのは、正直とても大変だった。
でも、不思議なくらい今までの自分にはない機動力が湧いた。
自分の大切なお店を立ち上げるみたいに、
とても小さな個人商店だけれど、一つ一つ細部にまで丁寧に想いを込められた。
私がそこまで頑張れたのは、メンバーの存在があったからだ。
私はこのメンバーが心底大好き。
この大好きなメンバーで今の自分が描けるとびきりの景色を見たかった。

当日を迎えるまでの一日一日がとても愛おしかった。

この日は私にとって個人商店のオープン日であり、集大成のような日だった。

満席となったごりごりハウスで、みんなが最高に楽しそうに過ごしてくれて、
(そして瓶ビールが空になるほどたくさんお酒を飲んでくれて)
もう本当に、こんな幸せなことはなかったです。

本当にありがとう!!!!

愛と烏合の衆は今年はこれで終わりですが、また来年、新たな出発をしたいと思います。
また、ありったけの愛のバクダンを落としていきたいと思います。

シーユー!!
どっか〜ん!

【当日の会場BGM プレイリスト】
< OPEN〜START>
Makoto Ozone & Scottish National Jazz Orchestra/'Jeunehomme' Mozart: Piano Concerto No 9 K

<愛と烏合のGuitar Duo〜ハルカカナタ 転換>
1. 真心ブラザーズ/BABY BABY BABY (MB's Live ver.)
2. B'z/ 愛のバクダン
3. B'z/ 愛のバクダン
4. B'z/ 愛のバクダン
5. B'z/ 愛のバクダン
6. B'z/ 愛のバクダン

<ハルカカナタ〜FOUJITA 転換>
1. B'z/ 愛のバクダン
2. SUPER BUTTER DOG/5秒前の午後
3. Amos Lee/Keep It Loose, Keep It Tight
4. ハンバートハンバート/ぼくのお日さま
5. The Beatles/Across The Universe
6. くるり/男の子と女の子

<FOUJITA〜愛と烏合の衆 転換>
1. THE FISHMANS/いかれたBaby
2. U2/I Still Haven't Found What I'm Looking For
3. クラムボン/GOOD TIME MUSIC
4. リトルキヨシトミニマム!gnk!/北風
5. 井上あずみ/君をのせて

<ENDING>
1. また逢う日まで/尾崎紀世彦
2. Norah Jones/The Long Day Is Over
3. Jason Mraz/It's So Hard To Say Goodbye To Yesterday(Boyz Ⅱ Men cover)
4. UA/この坂道の途中で
5. THE BACK HORN/花びら
6. Lisa Loeb & Nine Stories/Taffy
7. Lady Gaga/The Edge Of Glory
8. 電気グルーヴ/虹 (Short Cut Mix)