放映権料高騰で、昨年比の5倍!アメリカで始まるコンテンツの争奪戦

有料放送に金を払って視聴する文化が定着する、ストリーミング先進国アメリカの現状は、日本コンテンツ産業の未来かもしれない……。

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「ストリーミング先進国」であるアメリカで、その可能性が議論され始めたのが、08年の北京五輪の頃から。3大ネットワークのひとつであるNBCが全種目を2200時間にわたって配信(うち、ライブストリーミングは25試合)し、注目が高まっていった。

 スポーツ専門のストリーミングが本格化してきたのはここ数年で、NFL、NHL、MLB、NBAの4大リーグが、続々と進出したことによる。

「ストリーミングが台頭し始めた当初は、『テレビの視聴者が移行してしまうのではないか?』という不安がささやかれていました。年間数千億円ものテレビ放映権料は、各リーグにとっても巨大な既得権益。テレビに気を使ってストリーミングには二の足を踏んでいました。しかし、ストリーミングがテレビから視聴者を奪うのではなく、相乗効果をもたらすと徐々に判明し、本格的に乗り出してきたんです。また、各リーグともファン層が高齢化しており、若返りを狙う意味でも新たなメディアが求められています」(渡辺氏)

 4大リーグの中で、もっとも保守的と言われるNFLでは、昨年はツイッターに1000万ドルで、今年はアマゾンに5000万ドルで10試合の放映権を販売している。NFLにとってはテスト期間とはいえ、1年で5倍と、ストリーミング放映権は高騰する一方。

 また、MLBが設立したストリーミングサービス「バムテック」には、大型の出資を決定したディズニーのコンテンツ配信も始まる見込みだ。

「ディズニーは、バムテックへの出資によって、Netflixに提供していたコンテンツの配信を引き揚げます。今後は、本格的なコンテンツの囲い込みや奪い合いが起こるはずです」(同)

 一方でテレビ側も、スマホなどでストリーミング視聴できるアプリを開発。今後はテレビネットワークとストリーミング勢との争いが激化するだろう。

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