写真はスキャンダルをどう切り取ってきたのか?死体、セックス、HIV、原発…“スキャンダル写真”の進化史

――芸能人や著名人の“スキャンダル写真”は、写真週刊誌を開けば目にすることができるだろう。しかし、これまで写真家たちは、そのような醜聞のみならず、各種のスキャンダラスな瞬間にカメラを向けてきた。そして今や、情報と技術を備えたカメラマンだけでなく、誰もが“スキャンダル写真家”になれるのだ。

ウィージーの写真集『WEEGEE』(Alfred A. Knopf)より。 彼は写真の裏に「WEEGEE THE FAMOUS」という自己宣伝を兼ねたスタンプを押した。

 日本で“スキャンダル写真”といえば、「フライデー」(講談社)や「フラッシュ」(光文社)といった写真週刊誌を思い浮かべる人も多いのではないか。本稿では、20世紀から現在にかけてスキャンダルと写真の関係がどのように推移してきたかを考察していきたい。本誌で「写真時評」を連載する小原真史氏は、“スキャンダル写真家”の元祖のひとりとしてアメリカで活動したウィージーの名を挙げる。

「ウィージーは、本名をアーサー・フェリグといい、1930~40年代に毎夜事件を求めてニューヨークの街を撮り歩いた写真家。警察無線を傍受し、誰よりも早く現場に駆けつけることができた彼は、その霊感めいた嗅覚の鋭さからウィジャボード(占い盤)にちなんでウィージーと名乗っていました。また、彼は車に暗室なども完備していたので、撮った写真をすぐ現像・発表することができました」(小原氏)

 ウィージーが撮影した多くは、殺人事件や喧嘩、火事、交通事故といった残酷だが耳目を集める出来事だった。彼が写真を提供していた「ニューヨーク・デイリー・ニューズ」や「PM」といった新聞は犯罪やゴシップを掲載しており、彼のスキャンダラスな写真は頻繁に紙面を飾った。

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