【無料公開中】大作が軒並み連載終了で縮小するマンガ業界……もはや頼みの綱は電子と海外!?

――出版業界全体がそうであるように、マンガももはや、「紙」の売り上げのみで勝負する時代はとうに終わった。一部のベストセラーだけに頼るのか、急拡大する電子コミックで勝負するのか、あるいは海外に望みを託すのか?ニッポンのマンガビジネス、そしてそこで育まれてきたカルチャーの行く末を、本誌流に徹底分析!

■今年も圧勝の“あの作品”
『ONE PIECE』の年間売り上げ

1410万部

本文の通り一時期の勢いは失われた『ONE PIECE』だが、かといって全体から見れば圧倒的な勝者であることに変わりはない。今年も余裕の1000万部超えという空恐ろしい数字を叩き出してみせた。

■堅調な北米市場に先行投資
米国のコンテンツ市場規模

5000億ドル

5000億ドル以上のコンテンツ市場規模を誇る米国。講談社はこうした市場をにらみ、米カリフォルニア州に本拠を構える子会社「講談社アドバンストメディア」を通じ、電子書籍を直接自社配信に切り替えていく予定だという。

■下げ止まりの気配なし
雑誌と単行本の売り上げ

3569億円

2014年のマンガ単行本の売り上げは2256億円、マンガ雑誌の売り上げは1313億円であった。総額3569億年。2006年に5000億円を割り込み、2011年には4000億円割れ。下落はもはや“既定路線”である。

■急拡大する電子コミック配信
電子コミックの年間売り上げ

1000億円

2014年度、電子書籍全体の売り上げは、前年比35%増の1266億円となった。このうちコミックが占める割合はだいたい8割程度といわれており、これを適用しても1000億円は超えたこととなる。2020年度には電子書籍全体で3000億円に近づくといわれており、ということはコミック分野だけでも2500億円を超える計算となるわけだ。


 出版業界を引っ張ってきたコミック市場の縮小傾向が止まらない。出版科学研究所によれば、コミック誌+コミック単行本の2015年の売り上げは、2年連続でが増加傾向にあった単行本が今年1~6月期ですでに前年比8%減、さらに雑誌は長期低落傾向を脱することなくますます落ち込んでいることから、5~10%の範囲で前年を下回ることが予想されている。

 その最も大きな理由としては、ここ数年市場を牽引してきた『ONE PIECE』(集英社)と『進撃の巨人』(講談社)という二大作品の販売部数ピークアウト、『NARUTO』(集英社)など人気作品の終了、さらにアニメ・ドラマ化作品の不調などが挙げられる。もちろん、16年版『このマンガがすごい!』(宝島社)でオトコ編1位の『ダンジョン飯』(エンターブレイン)とオンナ編1位の『ヲタクに恋は難しい』(一迅社)、さらに十数年ぶりの新刊が出た『孤独のグルメ2』などのように、ヒット作も出てはいる。しかし先述の落ち込みを補うほどにはまったく至ってはいないのが実情だ。

 一方で電子書籍の市場は、14年度で前年比35%増という市場成長傾向は続いている。これに呼応するかのように、電子書籍のサービス事業者と出版各社の連携は今年もますます進んだ。KADOKAWAは「ニコニコカドカワ祭り」と称するネットと連動した書店来店促進キャンペーンを実施。これは、KADOKAWAのコミックスの購入者にネット特典をプレゼントするというものだが、その7割がニコニコポイントを選択したといい、期間中、対象商品の売り上げは9%伸長したという。

 さらに海外市場に目を向けてみると、北米を中心とする海外マンガ市場はリーマンショックによる冷え込みから脱出し、昨年から今年にかけて好調に推移しているようだ。特に講談社は、野間省仲社長が「絶好調」と語るほどで、出版世界最大手の米ペンギンランダムハウス経由で配信していた電子コミックを子会社「講談社アドバンストメディア」による直接配信に切り替え、17年までに2000作品を投入する予定だという。

 さてさて、そんなコミック市場の2015年の“数字”は上をご覧いただくとして、年に一度の本誌「マンガ特集号」は、そんなコミック業界をいつものようにナナメ斬り。元KAT-TUN田中聖が語る美しきマンガ愛から、知る人ぞ知るエロマンガのディープな世界まで、硬軟交えてお届けする。数字が落ち目でも、やっぱりマンガは面白い。その奥深さを、今回もとくとご覧あれ!

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サイゾー

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