赤字、会員数の伸び悩み……死にゆく動画サイト、その敗因を考える

『できる100ワザ USTREAM ユーストリーム パーフェクトテクニック』(インプレスジャパン)

「誠に遺憾ながら、○月○日をもって、サービス終了となります」――有料であっても会員数を順調に伸ばし、猛威を振るう動画サイトがある一方で、ひっそりと姿を消していくサイトも。去る6月30日、スマホ向け動画サービスとして12年4月に開局した「NOTTV」が、すべてのサービスを終了。その理由は「想定していた会員数獲得に至らず、今後の事業継続が困難」とのことだったが、開局からたった4年で幕を下ろすこととなった。インターネット動画サイトに詳しいライター橋本修氏は、動画サービス終了の原因を次のように語る。

「動画サイトが支持される大きな理由は、無料/有料問わず、ユーザビリティの評価が一番大きい。もちろん、充実したコンテンツも大事ですが、“サイトならではの長所”をユーザーは無意識に求めています。YouTubeは頻繁に仕様を変えてユーザーを困惑させることもありますが、使い慣れたサイトであれば、ユーザーもすぐに慣れる。つまり、飽きさせることなく、ある種“依存”させることが重要です。また、開始当初は画期的であったUstreamは、広告の強制挿入やチャンネル作成の制限など、サービス根幹の改悪がユーザー離れを加速させ、日本を含むUstream Asiaのサービスから撤退しています。ニコ生やツイキャスと比較して、クイックさに欠けるのも要因のひとつです。ツイキャスやVineなどが中高生から支持されている理由は、細かな準備が不要で、手早く配信できる点でしょう」

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