「暮しの手帖」みたいな生活は可能なのか?――「金」と「時間」が追いつかない!「丁寧な暮らし」雑誌の実と虚

「暮しの手帖」「&Premium」「天然生活」「クウネル」、これらは上質でこだわりの暮らしに関する情報が満載の雑誌だ。アンテナの高い女子は、今すぐにでも参考にしたいところだが「部屋着2万円」「ほうき1万9千円」……。一体、いくらつぎ込めば「丁寧な暮らし」は実現できるのか!?  実際に検証してみた。

「体に優しい」「きれいになる」「本当に頼りになる」……どの雑誌も、「丁寧な暮らし」の追求に余念がない。けど、実践はムリ!

「丁寧:細かいところまで気を配ること。注意深く入念にすること。また、そのさま」(デジタル大辞泉より)。

 近年、「丁寧な暮らし」という言葉がはやっている。インスタグラムで「#丁寧な暮らし」と検索すると、48万2000件近くの投稿がヒットする(2018年2月5日現在)。同じ言葉をうたった書籍も多く存在し、雑誌の世界にも「丁寧な暮らし」系雑誌とでも呼ぶべき一群がある。ライフスタイル誌ならば「暮しの手帖」(暮しの手帖社)、「天然生活」(地球丸)、「&Premium」「クウネル」(共にマガジンハウス)、ファッション誌ならば「ナチュリラ」(主婦と生活社)、「リンネル」(宝島社)あたりがあてはまる。ライフスタイル誌の最新号表紙に並ぶタイトルを見てみよう。

「体にやさしい台湾ごはん」(「暮しの手帖」18年2・3月号)

「家庭料理、私の工夫」(「天然生活」18年3月号)

「心地のいい部屋に、整える。」(「&Premium」18年3月号)

「おいしい料理には物語があります」(「クウネル」18年3月号)

 誌面には、冬野菜を使ったレシピや、インテリアショップ店主、料理研究家らが紹介する「生活の定番品」紹介、東北で暮らす女性の冬の暮らしの工夫、オシャレ夫婦のこだわりの自宅建築などが掲載されている。こうした雑誌が提唱するライフスタイルは、ざっくりまとめると「衣食住に使用する物にこだわりを持ち」「毎日の生活で手間・工夫を惜しまず」「体にも環境にも優しい」。これこそが、「丁寧な暮らし」の正体のようだ。

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