情報商材だけじゃない!?――日本経済にまん延するコンサルの誘惑

――悪質な情報商材は、一般市民から小金を巻き上げていくビジネス。一方で、大手企業の担当者や個人事業主なども、似たようなパターンで騙されている可能性もあるのだ。

『コンサルティング業界大研究[最新]』(産学社)

「基本的に、コンサルタントというポジションが飽和している業界というのは、そもそも稼げないか、すでに稼げなくなっているかのどちらかだと言い切ってもよいかもしれません。だって、稼げるならコンサルタントを受けずとも、本人たちがやっているわけで」

 リスティング広告など広告代理店業務で起業した経営者・A氏はそう話す。A氏は仕事柄、さまざまな業種のビジネスモデルに触れているが、稼げない業種ほどコンサルが幅を利かす傾向があると日々、感じているそうだ。

 コンサルティングを名乗ると格好はいいが、そうした、“儲けられる情報”を提供する仕事というのは、本質的には情報商材と似た部分があることは否めない。なぜならA氏が言う通り、その情報を使えば本当に稼げるのなら、わざわざそのネタを他人に教える必要はないからだ。情報商材を悪とするならば、世間にはびこるそうした情報も、情弱ビジネスと言えるのかもしれない。

「そもそも、他人に自分より儲けさせてやろうと思うビジネスマンはいないんですよ。切れ端をくれるだけ。それが、世の中の仕組みです」

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