映画俳優キャスティングと批判報道の裏側――吉岡里帆は「戦犯」じゃない! 俳優に責任を問う報道の愚行

――一躍映画の主演俳優にまでなった吉岡里帆。だがこのほど公開した映画『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ 』が、興業的に爆死。ネットで“戦犯”扱いされている。一生懸命やっている彼女がなぜ、戦犯と呼ばれなければならないのか? 映画キャスティングと戦犯報道の関係とは?

どこまでが本タイトルかわからない映画『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』。とりあえずタイトル長すぎも敗因なのでは?

 10月12日に公開された映画『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の評判が芳しくない。

 テレビドラマ『時効警察』(テレビ朝日)や、麻生久美子主演の映画『インスタント沼』で知られる三木聡監督と、大人計画の阿部サダヲ主演という布陣で臨んだ本作。だが、全国248スクリーンで公開され、時期的に目立ったライバルも不在という好条件にもかかわらず、興行通信社が発表する「国内映画ランキング」でトップ10から落選している。興行収入は公開2日間で3000万円程度、最終的にも1億円程度になるのではないかと噂されている。

 そんな中、この不振の「戦犯」として、阿部と共に主演を務めている吉岡里帆がまつり上げられている。最近ドラマへの主演が続いたものの、『きみが心に棲みついた』(TBS系)は平均視聴率7・7%、『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)は5・7%と、視聴率不振にあえいでおり、続いて主演映画も大ヒットにはならなかった。「男性には人気がある吉岡ですが、女性からはそこまで高く評価されていません」(映画関係者)、「グラビアで評価されてきた彼女は水着になってなんぼ」(テレビ関係者)といった声も聞かれる吉岡に対してドラマ・映画の「失敗」の責任を押しつけるメディアも多く、彼女に対する報道には「戦犯」という言葉が踊っている。

 近年、映画やドラマなどの不振を表す言葉として一般的になってきた「戦犯」という表現。その多くは、矢面に立つ俳優に対して汚名を着せる内容となっている。しかし、映画にしてもドラマにしても、監督、プロデューサー、俳優、脚本家など、さまざまなスタッフたちがその力を合わせて成り立つもの。いったい、俳優に対する「戦犯」という評価は、どこから生まれてくるのだろうか? 

戦犯女優の元祖は鈴木京香だった!?

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