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更に爽快シビック<CIVIC e:HEV>

2023もついに師走である。2024に差し掛かろうとしている。(書き終わる頃には24年になってしまっていた・・・・・)
もう2、3本記事を書くつもりでいたが、思いの外筆が進まず、この時期まで持ち越しになってしまった。流石に一本も書かずに今年を終えてしまうのはいかがなものか(もう終わってるが)ということで、9月にドライブのお供になってもらったシビックe:HEVについて書き記していきたいと思う。


ガソリンよりも更に爽快になった走り

このシビックに2.0Lエンジン+2モーター式のHVシステムが搭載されている。CR-Vやインサイト、アコードにも同構成のシステムが搭載されているが、シビック向けに新しく開発されたものだ。しかも、心臓部であるこの2.0Lエンジンは熱効率41%という驚異的な性能を持ち合わせている。大変高効率でまさに燃費優先なエンジンに聞こえるが、熱効率41%の文字に対して奏でるエンジン音は爽快で心地よい。加速時にはステップ制御が織り込まれているのだが、モーターの滑らかさの中に変速するような音が混じり大変不思議な感覚である。もう少しバッテリーからの電力供給があれば....という場面もあったが気持ちよく加速してくれる素晴らしいパワートレインだ。これだけでも、そこら辺を走るhv車よりワクワクが止まらない。
ステップ制御をなくせばもっと速く高効率化も可能だったはず、、
いや、しかし、“音が楽しみにつながる”そう判断した開発陣の間違っていなかった。
そのおかげかでただ速いだけのモーモー唸るハイブリッド車やphvにはない感覚に訴えかけてくる唯一無二の楽しみを感じた。電動と内燃機関の中間点というのが正しいのだろう。しかも今回借りたこの車両、なぜかポテンザs007aを装着しており、以前ガソリンシビックを乗った際に感じたイーグルのフィーリングよりもよく曲がる上に重さをうまく活用したしっとりとした質感の走りになっていた。乗り心地も硬いことには硬いが快適性を損なわない程度であり、ツーリングからスポーツ走行まである程度万能にこなせる器用な感覚を受けた。
また、驚きだったことがある。それは、8万キロ走っていてもヤレを感じなかったことだ。ボディの緩みも足回りの異音もなく、ここは欧州車っぽい走りの中に日本車らしさを感じた。
しかし、ジャーナリストたちのレビューで感じたほどのしなやかさは感じなかった。やはり、タイヤの差は大きいのだろう。機会を作って個人的には新車装着のタイヤを装着した車両も乗ってみたいと思う。

走るためのインテリア

車内の写真が残っていなかったため公式ページより引用 

このシビック、リラックスできるようなシートではないのだが腰回りを支えてくれるおかげで着座姿勢が乱れることなく運転ができる。適度に硬く、これなら長距離の移動も快適に行えるだろう。
フロントの視界はcm通り水平基調でノイズレスだ。
フル液晶メーターやボタン式シフト等、先進的な装備も備えつつ、エアコンやハザードといったスイッチは「カチッ」としっかりとした反応が戻ってくる。この近年のホンダのスイッチ類のフィードバックはとても良い。運転中でも間違うことなく操作ができる。深く座り込める低めのシートポジションと相まって不思議となんだか居心地が良い、車内は私好みだ。リアシートは足元はともかく天井部分が低いため正直言って圧迫感を感じるが、エアコンダクトやアームレストも装備されており4人での移動も易々とこなせるだろう。走りをメインに考えているであろう車種でここまでの快適性があれば万能の一言につきる。
よく「ここ数年のシビックはデカすぎる!」という声が上がっているのを見かけるが、別に大きいとは思わない。
むしろ、「狭い!」だの「使い勝手が良くない!」だの文句を言っている人間が私の周りにちらほらいたのだが、実用性を損なわない程度にうまく落とし込んでいるように思う。

しかしながらインテリアにおいて気になる面はいくつかあった。特にメーター周りに関してはシビックに限らずホンダ全般的に言えるのだが、情報表示の粗雑さが気になる。情報量としては必要十分だし見やすいメーターだとは思う。
しかし、デジタルメーターだからこそできる表示があまりにも乏しい。その上、モニターが中途半端に小さくなんだか古臭く感じるのだ。左右にパワーとスピードだけではなくセンターに大きくパワーメーターを表示することやオーラやセレナ、エクストレイルのようにセンターにマップを表示できるモードがあればより先進的に見えるのではないか。

ホンダセンシング使用中の画面 ここにマップが表示できればと惜しい気持ちになった。

市民のための車の代替わり


このドライブの後に、ガソリンMT、そしてFL5に試乗する機会があったのだがいずれも現代的解釈の”シビックという車種”に感じた。
しかしどれも、シビックでありながら”シビック”ではないのだ。
実際にシビックという名に反して市民のためというよりかは、価格やパッケージングを含めて一定のドライブ・車好きに対する車へと変化を遂げている。
それはホンダとしての多くの市民向け大衆車としての車種もシビックやシティからフィットやN-BOX と代替わりし、時代の流れに沿って進化していった故の変化だ。シビックという名前が失われなかったことに感謝と同時に、シビックは役割を終え、次なるステップに進んだ故に現行型が存在する。
そして今の”シビック”にあたる車は、N-BOXやフィットの存在なのだろう。
もちろん、ホンダのみならずトヨタやマツダ等国産他メーカーにも言えることだ。
ホンダに関わらず、今後の10年で自動車のあり方は大幅に変わっていくことだろう。次の”シビック”になる車の存在が楽しみである。



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