見出し画像

音を活用した顧客誘導とブランディング

皆さんは声や音が持つ力がマーケティング活用できることをご存じですか?「音を活用した顧客誘導とブランディング」のテーマでゲストにお聞きしました。

今回のゲストは前回に引き続き、「サウンドパワー」著者で音楽芸術博士のミテイラー千穂さんです。

ポッドキャスト番組のトーク内容を覗いてみましょう。


音を活用した顧客誘導とは?

店舗や空間、商品開発、ブランディング、マーケティングなど、多岐にわたって、音を戦略的に活用することで、顧客を誘導し、商品購入もしやすくできるとか。そのあたりについてミテイラーさんに伺いました。

■サウンド・プライミング効果とは?

まず音には「3つの機能」があります。音によって私たちの「感情」が引き出されたり、動かされたりします。そして、音によって「記憶」が呼び起され、さらに音によって「行動」が喚起されます。この「感情」「記憶」「行動」の3つの機能は、音を活用するにあたって、重要なキーとなります。

そして、音によって物事の選択や決定などの感情や行動を促す「トリガー」(きっかけ)を引き出し、無意識に意図されたところに導く作用となるのがサウンド・プライミング効果となります。

■記憶と購入行動のつながり

川のせせらぎや小鳥のさえずりの音が聞こえると、穏やかな感情や安全な感情が引き出され、その音から「ナチュラル」「自然」「きれい」「新鮮」などの表現の「記憶」が呼び起され、そこで野菜やフルーツを見ると、購入する「行動」が高まります。

■シズル音の効果

「プシュッ」と開けた缶、ガラス製のグラスに「カラカランッ」と鳴る氷、缶から「シュワーっ」とグラスに注ぐ音、グラスの中で炭酸が「シュワシュワーッ」と鳴る音、ひと口ふた口と「ゴクゴクッ」と飲む音、飲んだ後に「HAhhh-」と言う声、こういったサウンドを聞いて、炭酸飲料が飲みたくなる傾向もあります。


音を活用したブランディング

最近注目され出した音でのブランディング=「ソニック・ブランディング」についても伺いました。

■昨今のソニックブランディング事情

ロゴマークなど特定の色や形といった視覚的に覚えてもらう方法が中心でしたよね。でも、最近ではポッドキャストやオーディオブック、そして音声認識インターフェースなどの普及や、コロナ禍でのリモート普及、そしてソーシャル・アプリの拡大などによって、音声や音楽などの「音」に関わるマーケットがかなりの勢いで盛り上がってきています。

■海外ではソニックロゴの格付けも!

海外では音を使って企業のイメージを定着させ、エンゲージメントを高める、ソニック・ブランディングの取り組みが急速に増えてきています。

その中でも、自社の企業理念やメッセージを表現するために、音楽理論や心理学を考慮し科学的に作曲された短いメロディのソニック・ロゴにいたっては、欧米ではスコアリング格付けレポートが発行されており、投資家らもそのスコアを注目するようになっていますね。

■ソニックロゴ6つのポイント

企業価値を高めるソニックロゴをつくる上でのポイントがあります。

1:サウンドポイントを網羅する
2:顧客像を明確にする
3:顧客の感情を引き出す音づくり
4:オリジナルのサウンドである
5:シンプルである
6:一貫したサウンドを用いること

欧米では音楽理論や心理学を考慮した科学的な根拠をもとに、企業理念やメッセージを表現するサウンド制作を行っています。


音のマーケティングの未来

最後にミテイラーさんにグローバル視点での音の流れから、音の近未来予想について伺いました。

■音のソーシャル・レスポンシビリティ

最近では企業のソーシャル・レスポンシビリティを求められるようになっています。サウンドによって、不安や怒り、暴力などネガティブな感情や行動へのトリガーとなったり、差別的感情を喚起する可能性が高いサウンドにならないような配慮が大切になります。

その流れを受けて、特に欧米ではサウンドを制作する前にサウンドを解析するようになっています。


■サウンドパワーは巨大なマーケット規模に

前回お話したクロスモーダル知覚を使ったサウンドマーケティングと、高齢化していく社会においてのサウンドパワーを注目しています。これらは、マーケット規模が巨大ですから、世界中の様々な分野の研究者たちが互いに協力し合いながら研究を進めているところです。

私自身もとてもエキサイティングしながら、励んでいます。そんなに遠くない未来のサウンドパワーに、大いなる期待を持っています。

以上いかがだったでしょう?音の可能性やビジネス活用のヒントになれれば幸いです。

番組目次

●音を活用した顧客誘導・サウンド・プライミング(1:50)
・サウンドが生み出す「3つの機能」
・サウンド・プライミング効果
●音を活用したブランディングについて(6:36)
・ソニック・ブランディング
・ソニック・ロゴ
・資産価値としての音
・ソニック・ブランディングの6つのポイント
●音のマーケティングの未来(12:51)
・サウンド・アセット
・企業のソーシャル・レスポンシビリティ
・クロスモーダル知覚を使ったサウンドマーケティング
・これから高齢化していく社会においてのサウンドパワー

まだまだ聴きどころがたくさん!本編はこちら↓


■ミテイラー千穂さんのnoteはこちら!

■関連記事
●海外の音への捉え方などがおわかりいただけます。

●なぜ音が来ているのか?その理由に迫っています


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?