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浮かぶ島々: ハワイ

今回はハワイ諸島です。

オアフ島

浮かぶオアフ島

ハワイは日本人にとって一番身近に感じる海外ではないでしょうか。
ハワイ好きで何度も通っているリピーターの方も芸能人を筆頭としてたくさんいらっしゃると思います。

日本人が「ハワイ」というときは「オアフ島」を指していることが多いと思います。
キラウエア火山やすばる望遠鏡で有名なハワイ島に行ってきた人は「ハワイ島に行ってきた」と言いますが、オアフ島に行ってきた人から「オアフ島に行ってきた」というのを聞いたことが無いですよね。

オアフ島はハワイ州の中で3番目に大きな島で、州都であるホノルルがあり、ハワイ諸島に住む人口の8割がこの島に集中していることからも分かります。
オアフ島はちょうど静岡県浜松市と同じぐらいの大きさです。
ハワイ州全体でパンデミック前には世界中から年間1000万人の観光客が訪れていましたが、そのうちの半分以上がオアフ島を訪れています。
日本でいうと数年前の京都のインバウンドより大きいので、すごい観光地だと思います。



ハワイ諸島

ハワイ諸島

ハワイ諸島は東から順にハワイ島、マウイ島、カホオラウェ島、モロカイ島、ラナイ島、オアフ島、カウアイ島、ニイハウ島と100以上の小さな島で構成されています。

パンデミックにより、圧倒的に多かった日本からの観光客が激減する中、アメリカ本土からの観光客が急増し、場所によってはアメリカ本土からの観光客が9割以上となる島もあるようです。
アメリカ国内にも関わらず常夏の島で非日常を体験できるのが人気のようです。
今後はまた日本からの観光客が激増するのでしょうね。

なぜ日本人はこんなにハワイが好きなのでしょうか。
やはり、近くて気軽に行けるアメリカだからではないでしょうか。
一番近いのはグアムですが、グアムはハワイと比べると規模が小さいと思います。
ハワイはハワイ島、マウイ島、カウアイ島などのオアフ島とは異なる観光資源を持った島々がすぐ近くにあり、個性的な体験をすることができます。
もう一つは、グアムは日本人が増えすぎたせいもあるかもしれませんね。

個人的な感想を一つ。
独身者や家族に子供がいない人は、夏休みお盆前後は避けた方が無難かもしれません。
子供達が騒ぎまわる飛行機の中で8時間以上飛耐えるのは、並大抵の苦労ではありません。
最近はゲーム機を持ち込んだりして案外静かなのかもしれませんが・・・。
(あくまで個人の感想です。)


ハワイ島

浮かぶハワイ島

ハワイ島です。
前述しましたが、現在も噴火を続けているキラウエア火山や、マウナケア山の頂上にあるすばる望遠鏡などが有名です。
ハワイ島を訪れる人数はオアフ島の1/3~1/5程度だそうです。

この島はオアフ島などとは違い、ずんぐりむっくりしていて全体的に膨らんでいる印象を受けます。同じ諸島内のオアフ島の山脈のようにのこぎりの歯状に凸凹しているわけではありません。
島によってずいぶん山の形が違います。

現在も噴火を断続的に続けているキラウウェア火山は、一番大きい火山であるマウナロアの東側斜面にあります。
小さくあいた火口から溶岩が穏やかに流れ出る噴火を続けているため、比較的安全な火山として考えられており、噴火中でも観光客が近づくことができます。
カルデラになっていますが、阿蘇山のように巨大ではなく、直径5Kmほどです。ですから、地形図等をぱっと見ただけではどこにあるのかすぐには分かりにくいです。
もっと溶岩が流れ出る様子が一目見て分かる地形なのかなと思っていました。

すばる望遠鏡でおなじみのマウナケア山ですが、ハワイ語で「マウナ(Mauna)」は山、「ケア(Kea)」は白の意味で、「マウナケア」は「白い山」を指します。

「白い山」と言われるとピンとくるのが、「モンブラン(Mont Blanc)」ですね。フランス語で「白い山」という意味です。
この山はイタリアとフランスの両方にまたがるので、イタリア語では「モンテビアンコ(Monte Bianco)」となり、こちらも「白い山」の意味です。
アフリカのキリマンジャロも「白い山」または「輝く山」という説があります。
探してみれば世界中に「白い山」の名前の山がたくさんありそうですね。

似たような山の名前で世界中に多いのが「雪の山」です。
これはスペイン語で「シエラ・ネバダ」で、有名なのはアメリアのカルフォルニア州にあるシエラ・ネバダ山脈ですが、スペインのアンダルシア地方や
メキシコ、南米のベネズエラやコロンビアにも同じ「シエラ・ネバダ山脈」が存在します。
ちなみに、南米のアコンカグアも現地の言葉で「雪の山」を意味しているといわれています。
そういえば、日本の「大雪山」も「大雪の山」ですね。

すばる望遠鏡に戻りますが、2022年より現在の望遠鏡の能力を大幅に強化するプロジェクト「すばる2」が開始されます。
でもマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡の見学は当分の間中止です。
原因の一つはパンデミックにもありますが、先住民族の聖なる山であるマウナケアの文化を無視した開発により地元で反対運動が起こっていることが大きいようです。


マウイ島

浮かぶマウイ島

マウイ島はハワイ諸島で2番目に大きな島でひょうたんのような形をしています。
もともとは2つの島だったのですが、かつて右側の島にあったハレアカラ火山からの溶岩により繋がってできた島です。

かつては捕鯨基地として栄えたこの島は、現在冬のホエールウォッチングの中心地です。
それは、この付近の海峡近くでザトウクジラが出産と子育てで越冬するためです。

マウイ島は後で述べるカウアイ島と同じく、日本人が少なくほとんどが北米からの観光客です。


モロカイ島、ラナイ島、カホオラウェ島

浮かぶモロカイ島 ラナイ島 カホオラウェ島

上からモロカイ島、ラナイ島、一番下がカホオラウェ島です。

モロカイ島:
フラ(フラダンス)の発祥は、モロカイ島にある洞窟で女神ラカが踊りを踊ったのが始まりという説があります。
その他には火の神ペレの怒りを鎮めるため妹のヒイアカが躍ったのが始まりとされたり、最初にフラを踊ったのは男だったという説などが諸説存在するようです。
昔のハワイには文字が存在しなかったため、正確なところは分かりませんがほとんどの説に共通するのが宗教的儀式だったということです。

モロカイ島の観光事業は他の島と比べると規模が小さく、観光に訪れる人も年間10万人を下回ります。
モロカイ島の住民の多くは文化や自然保護のため観光開発に批判的で、宿泊施設も限られています。
多くの観光客は賃貸をコンドミニアムや一般の住宅などに宿をとっているようです。


ラナイ島:
長崎県の福江島ぐらいの大きさです。
オラクル社のCEO ラリー・エリソンが島の土地の98%を所有していることで有名です。
ホテルはフォーシーズンズホテルがありますが、最低でも一泊25万円ぐらいからでスイートだと200万円ぐらいですので、一般庶民の宿泊は難しいかもしれません。
年間数万人の観光客しか訪れない理由も納得ですね。


カホオラウェ島:
ハワイ諸島の中で最も小さい島です。
かつては米軍の演習場として立ち入りは禁止されていました。
現在も不発弾の処理や、軍事演習によって失われた自然を取り戻すための植林作業が行われています。
今日、カホオラウェ島は、先住民の文化的、精神的、および自給自足の目的にのみ使用でき、一般人は上陸できません。
しかし、ボランティア活動に従事すればこの島に上陸することができます。
当然ボランティアのために参加費用を支払う必要があります。


カウアイ島、ニイハウ島

浮かぶカウアイ島、ニイハウ島

右側がカウアイ島、左側にニイハウ島です。

ニイハウ島:
ハワイ諸島で2番目に小さい島で、個人所有の島です。
北海道の利尻島ぐらいの大きさです。

現在、ロビンソン家が所有しているのですが、"Forbidden Island(禁断の島)"というニックネームをつけ、外界からほとんど遮断された生活を送っているようです。

ヘリコプターツアーやボートツアーがあります。
ニイハウ島とカウアイ島を巡ってシュノーケリングを行う7時間のボートツアーが食事付で4万円弱で提供されているので、大自然を満喫したい人にはおすすめです。
ニイハウ島は雨が少ない上、海を汚す人間の活動も無いのでハワイの海の中でもとてもきれいな環境で、イルカ、カメ、マンタ、クジラなどの生き物に会うことができるようです。


カウアイ島:
カウアイ島はハワイ諸島最古の島で、別名「ガーデン・アイランド」とも呼ばれる大自然に恵まれた島です。

カウアイ島は北米(アメリカ、カナダ)からの観光客が9割程度で、当然ですが日本からの観光客は非常に少ないです。
世界中どこでも行って行動するイメージがある日本人がなんでそんなに少ないのか不思議なんですが、多分こんな理由なのでしょうか。

ハワイを目指す日本人観光客は、
・便利な都会が好き
・ショッピングを楽しみたい
・流行や食べ物、お土産を楽しみたい
・日本人が大勢いる所が言葉の面で少し安心できる
・アメリカに行きたい

に対して、北米の人はハワイに来る旅行の目的として
・ゆっくりリラックスし、ビーチでのんびり過ごしたい
・大自然を楽しみたい
・いろいろな所に行って、普段できない経験をしたい
・アメリカ国内であり、当然英語圏である

というような傾向があるのでしょうか。
ほぼ大自然しかなくて、ショッピング等があまり楽しめないこの島はハワイ好きの日本人には不向きで、やはり都会的なオアフ島に集中してしまうのかもしれません。
日本人にしてみれば、沖縄本島ではなく西表島に行くような感覚に近いのかもしれませんね。


ハワイ諸島を見てきましたが、観光産業に特化して大規模に開発を行っている島がある一方、昔からの生活と自然を守り観光から距離を置いている島も存在して、とても特徴のある島々だと思います。
私もハワイといえばホノルル、ワイキキ、アラモアナという先入観から認識を変えたいと思います。

ハワイ諸島は以上です。


今回使用した3D画像はJAXAが一般向けに公開している地形データを編集・加工して使用しています


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