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障害児の人生を見据えた支援:就園・就学・就労の全体像

 この記事では、障害のある子どもの保護者が、子どもの人生における重要な時期である就園、就学、就労において直面するであろう選択肢について、包括的に解説します。

 障害児の成長に合わせた適切な支援は子どもの自立と社会参加を大きく左右します。人生の各段階で利用できる施設やサービスの特徴と役割を明確にし、保護者がより良い選択をするための指針を提供することを目的としています。


はじめに:障害児の人生を見据えた支援の重要性

 障害を持つ子どもたちの自立と社会参加に向けて人生を通じて直面する様々な課題に対応できるように支援することが重要です。なぜなら、適切な養育や教育、支援によって、人生の各段階で子どもの能力が最大限に発揮されるからです。

 例えば、児童発達支援では、障害を持つ子どもたちの心身を適切にケアしつつ、基本的な生活能力や社会性を育むプログラムが提供されます。特別支援学校では、一人ひとりのニーズに合わせた個別の教育計画が策定されます。また、就労支援サービスを通じて、障害を持つ大人が一般企業で働く機会が増えます。

 これらは、適切な支援によって子どもが自分らしく社会に参加できることを示す例です。障害を持つ子どもたちが自分の可能性を最大限に発揮し、社会の一員として活躍するためにライフステージに合わせた支援が役立ちます。

 各ライフステージにおいてどのような支援の選択肢があるのか、その全体像を把握することで、子どもたちに対する適切な支援を提供できるようにしましょう。

1. 就園の選択肢:保育園・幼稚園・認定こども園・児童発達支援

 就園期には、保育園、幼稚園、認定こども園、児童発達支援といった様々な教育・保育施設が選択肢として存在します。これらの施設はそれぞれ異なる特色を持ちます。

 子どもの特性や家庭の状況に合った選択をできるように、それぞれの施設が提供するサービス内容を確認していきましょう。

1.1保育園と幼稚園、こども園の違い

 保育園、幼稚園、認定こども園は、就園期の子どもたちが過ごす主要な施設ですが、それぞれの目的、提供するサービス、利用できる時間などには顕著な違いがあります。

  • 保育園:0歳から小学校就学前の子どもが通う児童福祉施設です。主に保護者の就業や、病気、親族の介護などの理由で自宅での保育が困難な場合に、家庭に代わって保育することを目的としています。保育園は一般的に1日に8~11時間(原則8時間以上)対応しています。また、春休みや夏休みなどの長期休みはありません。年間を通して日曜日と祝日、年末年始以外は原則として開所しています。

  • 幼稚園:3歳から就学前までの子どもが通う教育施設です。主に教育によって心身の発達を促進することを目的としています。幼稚園は一般的に9時~14時の(原則5時間以上)対応しています。朝は7時半頃~9時頃まで、午後は14時~18時頃まで「預かり保育」を行っている園もあるようです。学校と同じように土日祝日はお休みで春休みや夏休みなどの長期休みがあります。

  • 認定こども園:0歳から小学校就学前の子どもが通う保育と教育の両方を提供する施設です。認定こども園は、共働き家庭の増加に伴う保育園の入園希望者の増加と幼稚園の入園希望者の減少を背景に、既存施設の有効活用によって待機児童問題を解消することを目指して2006年に開始されました。認定こども園は一般的に1日4~11時間対応しています。認定こども園の対応時間や休日については子どもの年齢や家庭の状況に基づいて決まる認定区分によって異なります。

1.2医療的ケア児の受け入れに関する課題:看護師の配置、医療的ケアの理解

 医療的ケアが必要な子どもたちの多くは常に医療的な支援が必要であるものの、子どもの状態に応じた集団生活が心身の発達において重要であることには変わりありません。しかしながら、保育園や幼稚園、認定こども園への入園が難しいケースが多いという現状があります。これらの園への受け入れの難しさの背景には、不十分な人員配置や職員の医療的ケアに対する理解不足など、多くの課題があります。

  • 看護師の配置:医療的ケアが必要な子どもたちが保護者と離れて保育園などで過ごす場合には日常的に看護師のサポートが必要となります。しかし、施設によっては看護師を常駐させることが費用や人員の面で難しいのが現状です。

  • 医療的ケアの理解:保育士や教諭だけでなく、施設を利用する他の子どもたちやその家族にも、医療的ケアが必要な子どもたちへの理解を深めてもらうことが望ましいです。しかし、障害に対する理解の不足から受け入れを拒否されるような事例は残念ながら存在します。

 2021年の医療的ケア児支援法によって各省庁および地方自治体は、医療的ケア児への支援の「責務」を負うことになりました。医療的ケア児が保育園等に入園したい場合には、自治体の母子保健所管部署や障害福祉所管部署、役所の幼保運営課に相談しましょう。関係機関と連携をして受け入れ施設の調整が進められます。また、保育園などの施設に従事する職員に対して、医療や福祉の専門家が訪問して研修等の支援を行うサービス(保育所等訪問支援)があります。就園に関する困りごとがある場合には、近隣の療育センターなどに相談し、支援を依頼しましょう。

参考:LITALICO発達ナビ「医ケア児とは?医療的ケアが必要な子どもは保育園に通える?支援法制定による変化や保育園でできるケアや相談先も解説【専門家QAも】」

1.3 児童発達支援の役割

 児童発達支援は、0歳から小学校就学前の障害のある子どもに対するサービスです。児童発達支援事業所か児童発達支援センターで行われます。療育施設と呼ばれることもあります。主に日常生活における基本的な動作の指導や、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などを目的としています。児童発達支援のサービス提供時間は施設によって異なりますが4~6時間が一般的です。また、土日祝日と年末年始はお休みの施設が多いようです。

 児童発達支援のサービスは、障害のある子どもとその家族に対して、包括的な支援を行うものです。サービス内容は大きく「発達支援」、「家族支援」、「地域支援」の3つに分けられます。

 「発達支援」では、子どもの心身の健康、運動や感覚、認知と行動、言語・コミュニケーションの獲得、人との関わりといった5つの領域にわたって支援を行います。これにより、子どもが日常生活や社会生活を円滑に送れるようサポートします。また、子どもが地域の保育・教育機関での支援を受け、同年代の子どもたちとの交流を深められるように努めます。

 「家族支援」では、保護者との面談やペアレントトレーニングを通じて、子育ての課題や子どもの発達状況に関する相談に応じます。

 「地域支援」では、保育園や幼稚園、医療機関など地域の関係機関と連携し、子どもが適切なサポートを受けられるよう取り組みます。

 これらの支援により、障害のある子どもとその家族が安心して子育てできる環境を整え、子どもの可能性を最大限に引き出すことを目指しています。

2. 就学の選択肢:通常の学級・特別支援学級・通級による指導・交流学級・特別支援学校

 就学期になると、子どもたちの前には様々な教育の選択肢が現れます。通常の学級や、特別支援学級、通級による指導、特別支援学校は子どもたちの個別のニーズに応じた教育環境を提供します。これらの選択肢を理解することで、子どもの成長にとって最適な教育の場を選ぶことができます。

2.1 通常の学級と特別支援学級、通級による指導、交流学級の違い

 通常学校における通常の学級、特別支援学級、通級による指導は子どもたちの状態に合わせた教育を提供するためのシステムです。

通常の学級
 一般的なカリキュラムに沿った教育が提供されるクラスです。通常の学級の標準人数は40人です。

特別支援学級
 障害を持つ子どもたちのために、より個別化されたカリキュラムとサポートが提供されるクラスです。特別支援学級は小学校と中学校のみに設置されます。

 特別支援学級の対象となる障害の種類は知的障害・肢体不自由・身体虚弱・弱視・ 難聴です。その他の障害でも、特別支援学級において教育を行うことが 適当と判断されれば在籍することができます。

 特別支援学級の人数の上限は8人です。子どもたちの特性に合わせた教育方法が採用されます。特別支援学級においては、小学校・中学校の教育課程を基本としながら以下の3つの「特別の教育課程」を編成することが認められています。
①自立活動を取り入れること
②必要に応じて、下の学年の各教科の目標や内容に代替することができること
③必要に応じて、知的障害特別支援学校の各教科で代替することができること(知的障害のある生徒のみ)

 自立活動とは、児童や生徒が自立を目指し、障害による学習上や生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識・技能・態度や習慣を養う教育活動です。

 特別支援学級は中学校や状況によっては内申点がつかないことがある点には注意が必要です。高校進学を目指す生徒は早い段階で学校側と相談しておくことが望ましいでしょう。

通級による指導
 一般学級に在籍しながら、サポートの必要な一部の授業を別の教室(通級指導教室)で受けるプログラムです。通級による指導は小学校、中学校、高等学校に設置されます。

 通級による指導の対象となる障害の種類は弱視・難聴・言語障害・自閉スペクトラム症・情緒障害・学習障害・注意欠陥多動性障害です。その他の障害でも、通級による指導を行うことが適当と判断されれば受けることができます。

 通級による指導においては児童生徒13人につき1人の教諭が配置されます。通っている学校に設置されている通級に通う「自校通級」、他校の通級に通う「他校通級」、教師が学校を訪問する「巡回通級」の三つの形式があります。

交流学級:
 
特別支援学級に在籍しながら、ホームルームや給食の時間、得意な科目などの授業時間に通常学級に移動して活動するプログラムです。

2.2 特別支援学校の役割

 特別支援学校とは、心身に障害のある子どもが通う学校です。幼稚園、小学校、中学校、高校の学習過程に合わせて「幼稚部」「小学部」「中学部」「高等部」が設けられています。
 
 特別支援学校の目的は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることです。

 特別支援学校の対象となる主な障害の種類は視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱です。これらの障害や状態については、個々の子どもの状況に応じて慎重に評価され、適切な教育環境が提供されるよう配慮されます。

 特別支援学校の1学級あたりの人数の上限は6人です。特別支援学校では、「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」に基づく子どもの障害や年齢に合わせた教育を行っています。また、子どもの障害や特性に合わせた教科書・教材が使われています。特別支援学校においても特別支援学級と同様に自立活動が授業として組み込まれています。

大学進学に関する注意点
 特別支援学校の高等部を卒業すると大学入学資格を得ることができますが、特に知的障害を持つ生徒の場合、大学側が定める特定の科目の単位を取得していないと、受験資格を得ることができない場合があります。

 このため、大学進学を目指す生徒は早い段階から、志望する大学が要求する単位を確実に取得できるよう、教育課程を個別に編成してもらう必要があります。事前に学校側と入念に相談し、卒業までに取得可能な単位数などを確認しておくことが重要です。

就職に関する注意点
 特別支援学校卒業生の学歴が「高卒」と見なされるか「中卒」と見なされるかは、企業の判断により異なります。障害の種類によっても受け入れ方が違うことがあるため、就職活動を始める前に、これらの点を確認しておくことが重要です。 

2.3 放課後に過ごす場所は?:放課後等デイサービスの役割

 放課後等デイサービスとは、学校の授業が終わった後や休日に障害を持つ子どもたちが過ごすための場所を提供し、社会的スキルや自立した生活能力を育むためのサービスです。子どもたちが友達との交流を深め、様々な活動を通じて新しいことを学ぶ機会が提供されます。

 放課後等デイサービスは原則として小学生から高校生(6歳~18歳※最長20歳まで)までの障害のある子どもを対象としています。

 放課後等デイサービスでは、遊びや学習活動、生活スキルの訓練など、子どもたちの発達段階に応じたプログラムが提供されます。これらの活動は、子どもたちが自己表現を学び、協調性や問題解決能力を養うのに役立ちます。

参考:LITALICOジュニア「放課後等デイサービスとは?利用条件や支援内容、児童発達支援との違いなどをわかりやすく解説【専門家監修】」

3. 就労の選択肢:一般就労・就労継続支援・就労移行支援・就労定着支援・生活介護

 就労期に入る障害者には、一般就労、就労継続支援、就労移行支援、生活介護といった複数の選択肢が用意されています。これらの選択肢は、障害のある人々が社会に参加し、有意義な仕事を持つことを支援するためのものです。それぞれの選択肢がどのような役割を果たし、誰に適しているのかを理解することが大切です。

3.1 一般就労:一般雇用と障害者雇用の違い

 一般就労における一般雇用と障害者雇用は、企業が従業員を募集する際の二つの異なる採用方法です。一般雇用と障害者雇用では、目的や、対象者、応募条件などに違いがあります。それぞれのメリットとデメリットを把握して自分に合った環境を選択できるようにしましょう。

一般雇用:
 
一般雇用とは、企業の応募条件を満たすすべての人が対象となる雇用形態です。障害の有無にかかわらず、職種や職場環境に合致する人材を募集し、採用する方式を指します。

 一般雇用の目的は 企業の業務遂行や成長に必要な人材を確保することです。対象者は障害の有無にかかわらず、応募条件を満たすすべての人となります。

 一般雇用の特徴として「職種や求人数が豊富な点」や「障害に対する特別な配慮がない場合が多い点」が挙げられます。

障害者雇用
 
障害者雇用は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、障害のある人が自分の特性に合った働き方ができるよう企業や自治体が雇用する制度です。

 障害者雇用の目的は障害のある人が安定して働き続けられるよう支援することです。対象者は「障害者手帳」を所持する人となります。これには身体障害者手帳や、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳が含まれます。

 障害者雇用の主な特徴として法律に基づき、「障害や特性に応じた合理的配慮が義務付けられている点」や「雇用されるためには障害者手帳の所持が必要である点」が挙げられます。

3.2 福祉的就労:就労継続支援A型とB型の違い

 就労継続支援は、障害を持つ人が一般企業で働くことが難しい場合に、障害や体調に合わせたペースで働けるよう支援するサービスです。この支援には、A型とB型の2つの形態があります。
 A型とB型には目的や、対象者、仕事内容、もらえるお金などに違いがあります。それぞれのメリットとデメリットを把握して自分に合った環境を選択できるようにしましょう。

就労継続支援A型
 
就労継続支援A型とは、一般就労が難しい障害者が、雇用契約に基づいて働くことができる支援サービスです。

 対象者は、障害を持つ人で、特別支援学校卒業後や就労移行支援利用後に一般就労に結びつかなかった人や、一般企業での就労経験があるが離職して現在働いていない人などです。

 仕事内容は、雇用契約に基づいて働くため、比較的専門性が求められる作業が多い傾向にあります。A型の事業所は障害者が安定して働けるように設計されているものの、一般企業に近い環境での就労が可能です。
 以下のような仕事があります。
・パソコンを使用したデータ入力や事務作業
・カフェやレストランの運営、ホールスタッフや調理補助
・地域の特産品の製造、梱包、発送
・軽作業や製造業務(部品の組立や検査など)
・インターネット関連の作業(オークションの出品管理など)

 就労継続支援A型では、雇用契約に基づいた給料(最低賃金以上保障)が支払われます。令和3年時点の一人当たりの月額平均給料は「81,645円」で、時間給にすると「926円」です。

就労継続支援B型
 
就労継続支援B型とは、一般就労や雇用契約に基づく就労が困難な障害者が、雇用契約を結ばずに自分のペースで働けるよう支援するサービスです。

 対象者は 障害を持つ人で、年齢や体力等の理由で一般企業での雇用が困難な人や、就労移行支援でのアセスメントで就労に関する課題が明らかになった人などです。

 仕事内容は、雇用契約を結ばずに福祉的就労の中で働くことになるため、比較的シンプルで、短時間で完了するような作業が中心となります。
 以下のような仕事があります。
・手工芸品の製作(ビーズアクセサリー作り、縫製作業など)
・簡単な組立作業や包装作業
・園芸や農業作業(植物の植え付け、収穫など)
・クリーニング店での洋服のたたみや仕分け
・軽食の提供が可能な喫茶店での接客や簡単な調理
・パンやお菓子作りなどの製菓作業
・文書や資料の封入、郵送作業

 就労継続支援B型では、雇用契約ではないため賃金ではなく「工賃」が支払われます。令和3年時点の平均月額工賃は「16,507円」で、時間給にすると「233円」です。

3.3 就労移行支援と就労定着支援の役割

 就労移行支援と就労定着支援は、障害を持つ人々が社会に参加し、安定した就業を目指すためのサポートを提供する制度ですが、目的とサービス内容において異なります。

就労移行支援
 就労移行支援とは、障害を持つ人が一般企業等での就職を目指すための準備や訓練を行うサービスです。就労移行支援の目的は、障害者が一般企業での就労に必要な知識やスキルを習得し、就職活動をサポートすることです。

 対象者は就職を目指している障害を持つ人です。

 主な支援内容は以下の通りです。 
職業能力の向上や職場適応能力の強化を目的とした訓練
・パソコンスキルやビジネスマナーの習得
・就職活動の支援(履歴書の作成支援、面接練習など)
・職場体験やインターンシップの機会提供

 支援期間は原則2年以内です(個別の状況に応じて延長可能)。

就労定着支援
 就労定着支援とは、障害を持つ人が一般企業等に就職した後、その職場に定着できるように支援するサービスです。就労定着支援の目的は、一般企業等に就職した障害者が、長期にわたり安定して就業を継続できるようにすることです。

 対象者は一般企業等に就職した障害を持つ人です。

 主な支援内容は以下の通りです。
・就職後のフォローアップ(職場での適応状況の把握、悩みの相談など)
・職場での人間関係や業務に関するアドバイス
・必要に応じた職場との連携や調整
・キャリアアップを目指したスキルアップの支援

 支援期間は就職後3年以内です。

参考:LITALICOワークス「就労継続支援とは?A型B型の違いや対象者などをわかりやすく解説」

3.4 生活介護の役割

 生活介護は、日中に障害のある人への食事・入浴・排泄などの基本的な介助サービスを提供するとともに、家事支援や生産活動の機会提供などを行う福祉サービスです。これには、身体機能の維持・向上のための機能訓練や医療的ケアの提供も含まれる場合があります。

 生活介護の主な目的は、障害を持つ人々が自立した生活を営むための支援を提供することです。これには日常生活の基本的なサポートや社会参加の促進、生活の質の向上が含まれます。

 生活介護の対象となるのは、原則として18歳~65歳の障害者や難病者で、常時介護が必要な人です。障害支援区分が3以上の人が対象で、50歳以上の方は障害支援区分2以上の方が対象です。

 主な支援内容は以下の通りです。
・食事・入浴・排泄などの介助
・調理・洗濯・掃除などの家事支援
・日常生活に関する相談対応
・創作活動や生産活動の機会提供
・身体機能維持、向上のための機能訓練
・医療的ケアの対応

 生活介護事業所では、利用者が生産活動に参加する場合、その対価として「工賃」が支払われることがあります。ただし、工賃の支払いは就労継続支援などと比べると下限額や報告義務が特に定められておらず、事業所によって対応が異なるようです。

まとめ

 障害のある子どもたちやその保護者が直面する就園、就学、そして就労という人生の大切な3つの段階における選択肢について解説しました。

 就園期では、保育園、幼稚園、認定こども園、児童発達支援という4つの選択肢があります。これらは対象年齢や目的、利用時間、休日などに違いがあり、子どもの特性や家庭の状況に合わせた選択が重要です。

 就学期には、通常の学級、特別支援学級、通級による指導、交流学級、特別支援学校という教育形態があります。特別支援学級や特別支援学校では、一人ひとりに合わせた教育計画が策定され、障害の種類に応じて適切なサポートが行われます。

 就労期では、一般就労と福祉型就労、生活介護が主な選択肢です。一般就労には、障害の有無にかかわらず応募条件を満たす人を対象とする一般雇用と、障害者雇用があります。福祉型就労には、就労継続支援A型とB型があり、障害者が自分のペースで働けるよう支援します。生活介護は、常時介護が必要な障害者や難病者が日中に利用するサービスで、基本的な介助や生産活動の機会を提供します。

 これらの選択肢を理解し、子どもや障害を持つ人々のニーズに合った最適なサポートを提供することが、彼らの自立と社会参加を促進する鍵となります。

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