見出し画像

【中編】全公開、クラウドサイン 会議ガイドラインVer.1.0。会議改善マニュアルPDF全文公開。

前編に続いての、クラウドサインの会議改革史。会議はバグであるという課題感に触れた前編を是非ご覧いただいてから、今回の会議ガイドラインをご覧いただけますと幸いです。

今回は2023年1月30日付で交付した会議ガイドラインを公開致します。会議は長らく役職者に閉じられたもので、その会議内容を共有するための会議がまた、山のように連なって伝達コストに繋がっていたのは前回記載の通りです。

今回は、その課題解決方法の具体案を共有できればと思います。

CloudSign Meeting Guideline

第1 はじめに

1 ソフトウェア時代の会議の再設計

 会議は一般的に業務時間の内、20%ほどを占め、マネージャー役職者に関しては30%を超えると言われており、クラウドサインでも同様、またはそれを超える割合を会議にリソース投下しています。SlackやZoomなどのソフトウェアがなかった時代には情報共有のためには対面での会議しか方法がありませんでしたが、2023年現在はSlackでの情報共有、非同期での対話、気軽にハドルミーティング(予め日程調整された30分/1時間単位での会議ではなく、必要になったタイミングとメンバーで行う5分/10分単位の会議)などが可能です。

 そこでクラウドサインではソフトウェア時代に再設計された業務生産性の高い会議設定方法に対してガイドラインを交付いたします。

2 目次

 クラウドサイン会議ガイドラインの骨子は、5つとなります。なおアジャイルで運用していく方針のため、今後月次を目処に改訂を細かく繰り返していく予定です。

■クラウドサイン会議ガイドライン

 ① 会議議事録オープン化の義務化
 ② ミーティングマネージャーの設置義務化
 ③ 定例会議(特にステータスミーティング)の統廃合の強い推奨
 ④ 週の半分超を意思決定の伴わない定例会議にすることの禁止
 ⑤ ハドルミーティングの利用推奨 

第2 クラウドサイン会議ガイドライン

1 会議議事録オープン化の義務化

事業全体の方向性を決定し得る本部長・部長が出席するような戦略会議は、事業全体に影響を及ぼし、関わる所属部署及び関係部署に与える影響が大きい。また、意思決定が既決状態で結論のみ共有されるとすれば、関係する部署にも関わらず決定プロセスに関与できない。加えて、共有された結論の理由に納得性が低ければ、意思決定後の実行力が弱まる。

従って、本部長・部長が出席するような戦略会議、多くの施策や人員に影響を及ぼす会議などは会議議事録を記載し、事業本部への共有を義務化することとする。

これにより、プロセス段階から情報共有が徹底され、仮に方向性に疑問等があれば意思決定者に対しての陳情・質問等が可能で、意思決定自体に誤りが介在する可能性が相対的に低くなることを期待する。また、情報のスループットが高まり、階層構造による伝達プロセスの瑕疵がなくなることも大きな副次効果となることを期待する。

オープン化に際しては、議事録テンプレートの作成、Googleドキュメントの命名規則、GoogleDrive上への保管義務化を実施することとする。本件については後日ミーティングマネージャー向けにアナウンスすることとする。

2 ミーティングマネージャーの設置義務化

 上記義務化に伴い、上記オープン化が義務付けられた会議に関してはミーティングマネージャーの設置を義務化する。

ミーティングマネージャーの役割は、その会議により得られる意思決定等の目的の効果を最大化することである。そのため、以下の職務責任を追うロールとする。以下に記載したロールを実行するものは通常部長又準ずる者にしか履行し得ない性質のため、通常は部長となることを想定する。

■ミーティングマネージャーの役割

役割:事業推進のために意思決定等の効果を最大化するために最適な会議等を行うこと


なお、従来「会議オーナー」と定義付けられることもあり類似した用語であるが、会議の時間自体のオーナー・ファシリテーターの役割を超え、ハドルミーティングやテキストでの議論を交える等、リアルタイム動画会議以外の方法も駆使し、効果を最大化する新しい職務の趣旨で「ミーティングマネージャー」という用語を用いることとする。

具体的には以下の役割を含むが、これらに限られない。
 ① 会議参加者、会議時間、アジェンダ会議方法の選定 
 ② 会議ファシリテーション、会議議事録の書記の選定(又は自らによる)及び品質管理
 ③ 会議議事録の共有、共有方法の選定
 ④ 会議により意思決定された事項の進捗管理
 ⑤ 会議により追加の対話、意思決定が必要とされた場合の次回設定

3 定例会議(特にステータスミーティング)の統廃合の強い推奨

定例会議は参加者と時間が予め定められた形式で一定なものの、事業の課題や論点は日々目まぐるしく変化を迎えている。そのため緊急度や重要度が高い事項は事案発生当日に意思決定を行う必要があるものもあれば、緊急度が低いものであれば時間をかけず半年後に議論を再開すればいいものも多く含まれているはずである。

しかしながら定例会議は事業の緊急度や重要度に関わらず、一律に参加者と時間が設定されており、自らの作業進捗を順番に述べて多少のフィードバックをする程度の時間(同会議のことを「ステータスミーティング」という)となり、自らに関わりのない作業進捗報告以外の時間には会議に集中せずに会議以外の作業に費やす要因になりやすい。

そのような生産性の高くない定例会議は都度、会議の頻度、会議の参加者、会議方法などを見直すことを強く推奨し、場合により廃止の判断を躊躇なくすべきである。また従来の会議の廃止を決定することにより、緊急度、重要度の高い会議を柔軟に設定し、事業推進のために繋がる意思決定、アクションプランの策定の優先度を上げることができる。

少なくとも四半期に一度は必ず定例会議の頻度、参加者、方法の変更自体を会議のアジェンダに入れることを義務化する。

4 週の半分超を意思決定の伴わない定例会議にすることの禁止

上述のとおり、定例会議は一般的にステータスミーティングになる傾向が高く、緊急度/重要度の高い課題に集中すべきところ、課題ベースでなく、定例会議が設定されるベースで限られた時間を投下することとなる。

そのため、緊急度/重要度の高い課題にフォーカスすべく、意思決定の伴わない定例会議に週の半分超の時間を投下することを明確に禁止致します。これに伴い、意思決定の有無を明確化するためにも議事録の上段に会議で決定された意思決定事項を記載することを強く推奨し、意思決定事項はその議題に関わる人員に影響を及ぼすものであり、議事録内容を共有することとしてください。

緊急度/重要度の高い議題は定例を待たず、当日や翌日などに設定し解決に向かうべきであり、決裁者となる本部長などを入れずに決定することは難しい事象も多い。その意味でもチーム内に閉じているような一律の参加メンバーによる定例会議よりも、アドホックに緊急度/重要度に応じた会議を設定し、実行に移す方が高い効率性を伴うと判断する。

5 ハドルミーティングの利用推奨

上述の通り、定例会議の時間を削減する代わりに、必要なタイミングとメンバーで行うハドルミーティングの利用を推奨する。また、緊急度/重要度に応じ、緊急度/重要度が高い事象は当日中、遅くとも翌日中の会議の設定を強く推奨する。

現状ではマネージャー以上の役職者が定例会議により予定が埋まっており当日中のハドルミーティング設定の難易度が高い事例が発生しているため、特にマネージャー以上の役職者は「4 週の半分超を意思決定の伴わない定例会議にすることの禁止」の遵守を徹底するようにしてください。

会議満足度調査アンケートのお願い

会議ガイドラインの改訂、その外部公表を続けていく予定のため、その参考にさせていただきたく会議満足度調査にご協力いただけますと幸いです。ソフトウェア時代の会議を再デザインする方式を一般公開していきたいと考えております。

最後に

会議改革は、生産性向上において社会全体に意味のある事象だと考えています。クラウドサインでの改革は社会全体からとってみればβ版の1つの参考事例にしていただきたく、会議改革に関して積極的に取材を受け入れる予定です。

是非取材やインタビュー、セミナー登壇を御希望の方は私のTwitter DMにお気軽にご連絡ください。

お読みいただきありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ