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「急登山NEXT」2019年8月18日の日記

・ライター仲間の神田くんからわりと唐突に「○○を見に行くので、奥多摩に行きませんか」と誘われて(○○は何かはそのうち記事でわかります)、昼にヤスミノさんと新宿に集まって奥多摩へ。移動に2時間半くらいかかった。まったくそういう心構えをしていなかったものだから、あれ? こんなに本格的にレジャーをする日だっけ今日? と内心で戸惑う。

・奥多摩の駅前はのどかであり、レジャー観光客(家族連れ)も多く、ツバメがピュンピュン飛んでいた。この休日レジャー感よ。


・2時過ぎに駅前の食堂で遅い昼食を取って「○○を見たら、ついでにニジマスでも釣ろう」などと話していたら、


・バカ大雨が降り出して全体が霧に包まれた。そういえばさっき、ツバメが飛んでいましたね。低めの位置を……。

・雨の中をとぼとぼ歩いて○○のある方向へ。○○は山の中にあるので、雨中軽登山が始まることになった。


・閂(かんぬき)だ! 閂の漢字みたいな閂だ!(川柳)


・奥多摩には工場がいくつかあり、稼働しているものもある。山の中に溶け込んだトタンと鉄の城が醸す雰囲気は異様で、さらに遠景を満たす霧がその眺めをフィクションじみたものに演出してくれる。


・子どもが描いたような山を眺めながら目的地へ。高低差が激しくて足に来る。


・整備された道かと思いきや、いちおう道っぽい形にはなっているもののほぼ獣道(ビーストロード)みたいな山を登るハメになる。誰もこんな険しいルートを行くとは知らず、めちゃくちゃ軽装で来てしまった。スニーカーも泥まみれだ。言い出しっぺの神田くんは「これこれ、これがいいんだから」と空疎なポジティブを幾度となく繰り返して、責任を逃れていた。


・○○を見た。


・本当に遭難するんじゃないか、みたいな不安を抱えながら直進していたら、道なき道を抜けてどうにか国道に出れた。ちっちゃいカエルがいたので捕まえて遊んだ。


・雨がやんだ。すぐに猫が出てきた。人間の避け方に本気度が感じられなかったので警戒されないように気をつけつつ近づいたらチラチラとこちらを振り返りながらゆっくり離れていた。


・橋の下を覗き込んだら猫がいて、ニジマスを盗んでいた。


・つついて遊ぶだけなのかよ。


・こんな雨の直後にニジマス釣りなどできるのだろうか……と心配していたが、神田くんは「大丈夫です、魚は常にマジだから」と全く意味不明なことを言っていた。

・ニジマス釣りは、とっくに受付時間が終了していた、どころか、営業ごと終了していた。神田くんは「なるほどね」と言っていた。

・結局、奥多摩では食堂で蕎麦を食い、大雨でびしょびしょになり、山道で泥まみれになり、魚は釣れず夕方になってしまった。なんだこの一日? なんらかの罰か? 神田くんは「やっぱり夏はこういうことやらないとね……」とフワッとした自己弁護を繰り返していて、数年の後に振り返ったとき良い思い出になるように記憶の印象を操作しようという目論見が見て取れた。

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