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ライトノベル『転生しても寿司職人だった件』(AIと共作)

Youtubeで配信しながら小説生成AI「AIのべりすと」と一緒に書いた異世界ライトノベルです。辻褄の合わないところなどを中心に3割くらい人力の手が入っています。詳しくは動画を見てみてください。


■プロローグ(人力)

 俺の名前はニギル。

 下町で店を営む平凡な寿司職人だった俺は、魚市場で起きた事故に巻き込まれ、冷凍マグロの山に潰されて絶命してしまった。

 しかし、どうやら俺の死は神様の手違いだったらしい。
 お詫びにと、神の遣いである女神様から「いつでも寿司を握れる能力」を授けてもらい、異世界転移させてもらえることに。

「……ここが、異世界?」

 目が覚めたら見ず知らずの草原にいた俺は、とりあえず街っぽいものが遠くに見える方向へと歩き出した。


■異世界生活のはじまり(ここからAIと共作)


 ……いやぁ、マジかよ! 本当に異世界だぜ!? すげーな!! テンション上がってきた!!!

「異世界転生って、こういうことなのか!!」

 俺は興奮しながら、手に持った『神からの贈り物』を見つめた。
 これが女神様から貰ったスキル【どこでも寿司】だ。
 このスキルがあれば、どんなものでも無から生み出せるというスグレモノ。さっそく俺は目の前にある木に向けて、スキルを発動する。

「どこでも寿司!」

 すると一瞬で木が消え去り、代わりに寿司桶が現れた。中にはシャリが入った状態で。俺はその桶を取り出すと、そのまま中身を握り始める。
 ネタはないが、とりあえずシャリだけでも握って勘を取り戻したいのだ。

「うん、腕は衰えていないな」

 俺は出来上がったシャリをひょいと口に運び、街へと向かった。

(コメント)スキルの名前がダサい

※※※

「おい、あいつ……」
「あぁ、間違いねぇ……。あの恰好、日本人だぞ」
「なんで、こんなところにいるんだ?」

 街に入った途端、住人たちの視線を感じた。
 どうやら俺は、この世界の人間とは少し容姿が違うらしい。
 肌の色も黒に近いし、髪も黒い(俺の父親はアフリカ系アメリカ人なのだ)。
 服装だけは寿司屋を営んでいた時のままだったせいか、日本人だと思われてしまったようだ。

(コメント)AIの出力に人力で辻褄を合わせようとしてより変な文章になった段落である


 ……まてよ?
 この世界の人は、日本人を知っているのか?

「すみません、ちょっといいですか?」

 俺はとりあえず、そこらにいた少女に声をかけてみた。少女は怪しげなものを見る目つきでこちらを見ると、ボソリと呟く。

「……魔王軍?」
「へっ!?」

 まさかそんな反応されると思わず、変な声が出てしまう。
 少女はさらに警戒した様子になり、腰元の剣に手をかける。
 えぇ……嘘ぉ……この子、本気で言ってる感じだよなぁ……。

「ちょ、待ってくれ! 怪しいものじゃない!」
「じゃあ何? 私たちを誘拐して奴隷にする気?」
「いやいやいや! しないしない! 頼むから話を聞いてくれ!」

俺が必死に弁明しようとすると、突然誰かが間に割って入ってきた。

「こら、止めないか! 申し訳ありませんね。うちの妹が失礼なことを言いまして」
「兄さん!?」

 現れたのは、眼鏡をかけた長身の男性だった。
 妹と呼ばれた少女と同じ金髪碧眼だが、顔立ちは随分違う。

「私はレイスといいます。こっちは妹のミィナです。あなたは一体どちら様でしょうか?」
「俺はニギル。日本っていうところから転移してきた者なんだが……」

 俺は事情を説明した。
 この世界に来た経緯と、自分の能力についてを。

「なるほど……つまり君は神からギフトを与えられて、異世界にやってきたと?」
「そういうことだ」

 レイスは顎に手を当てた。

「まさか、魔王軍とは関係ありませんよね?」

 レイスの目に警戒心が浮かんでいる。俺は言った。

「魔王軍って……何も俺は知らないよ。もしかして、魔王軍は日本人なのか?」
「いえ、魔王軍というのは我々エルフ族に対する蔑称のようなものでありまして。我々はハイ・エルフと呼ばれる種族なのですが、彼らはダーク・エルフと呼ばれています」
「あぁ、そうなんですか……」

 魔王軍って名前だったから、てっきり敵かと思った。
 なるほど、俺がアフリカ系アメリカ人の父を持つがゆえに肌が黒いから、ミィナは俺をダークエルフ……すなわちいわゆる「魔王軍」と勘違いしたということか。

(コメント)AIの突飛な設定に無理やり辻褄を合わせようとするとこうなる

「そういうことです」
「安心してください。俺は敵じゃありません。ところで、このへんに宿屋はありませんか?」
「そうですね。この街にはギルド会館しかありませんが、それでもよろしいでしょうか?」
「はい。構いません」

 俺はレイスと握手を交わした。異世界転生してから初めて出会った現地人との交流。なんとか友好的な関係を築けそうだ。

「あ、でも金がないな。どうしようかな……」
「お金なら私が出しましょう。先ほどのお詫びとして」

 こうして俺は、異世界での生活を始めたのであった。


■モンスター退治でお金稼ぎ

 宿代を払った後、俺とレイスは街にあるギルド会館へとやってきた。冒険者たちが集まる場所らしく、中は大勢の人で賑わっている。
 受付で手続きをした俺たちは、さっそく掲示板へと向かった。この世界で生きていくにもお金が必要だ。それは異世界も築地も変わらない。

「どれどれ、今募集している仕事は……?」

 俺は依頼書を確認してみる。内容は様々だ。モンスター討伐や素材採集、護衛任務など。

「ふむ、この辺りが無難だろうな」

 俺は一枚の依頼書を剥がすと、受付嬢の下へと向かう。

「すみません、これお願いします」
「はい。えーっと……『森の街道にゴブリンが現れたため退治してほしい』ですか。報酬額は金貨1枚。はい、受理しました。頑張ってきてくださいね」
「ありがとうございます」

 俺はペコリとお辞儀をしてその場を離れた。

「いやぁ、親切な人だったなぁ」

 異世界転生して最初に会った人がいい人でよかった。

(コメント)ニギルはもうミィナやレイスとの出会いを忘れている。

※※※

 俺はゴブリンが出るという街道に到着した。俺の能力「どこでも寿司」がゴブリンに通用するのかどうかは未知数だ。

「ま、やってみるしかねえか」

 そのとき、遠くから悲鳴が聞こえた。

「きゃあああっ!!」
「助けてくれぇー!」
「グギャアァッ!」

 見ると、武装した男たちが数人、逃げ惑っていた。彼らの前にいるのは一匹の大きなオークである。

「あれは……」

 オークは醜悪な顔を歪めながら、手に持った棍棒を振り回していた。
 その姿を見た瞬間、俺はピンときた。

「間違いない! あいつが『ゴブリン』だ!」

(コメント)オークである。

※※※

 数分後、俺はゴブリンの死体の前で佇んでいた。

(コメント)戦うシーンを勝手に全カットされてしまったので、会話を書き足して何があったのか聞いてみようとしたのが以下のやりとり。

「…………」

 逃げ惑っていた雑兵が感謝してくれた。

「いやぁ、助かったよ! 君のおかげで命拾いしたぜ! それにしても君、いったいどんなふうにあのオークをやっつけたんだい?」
「それは簡単ですよ。俺のスキルで、あいつらの目の前に寿司桶を出しただけです」
「すし?」
「はい。寿司桶です」

 俺はゴブリンの死体を指差した。
 そこには握りたてホカホカの寿司桶があった。
 俺の能力は「どこでも寿司」。目の前にあるものを、無から生み出すことができるのだ。

「でも、スシオケ? があったからなんなんだい? 桶に炊いた穀物が入っているだけで、どうするんだい?」
「はは、俺の故郷の料理ですよ。これを握り飯にして食うんです」
「へぇ~、変わった食べ方だねぇ」
「ははは」
「ははは」

(コメント)話を逸らされた。

と、そこへ。

「ニギルさん、ここにいましたか」

 レイスが駆け寄ってきた。
 どうやら、悲鳴を聞いて慌てて来たらしいが、もう俺がゴブリンをやっつけているのを知って大変驚いていた。

「一体、どうやってゴブリンをやっつけたんですか!?」
「それはな、俺が持っている寿司桶で……」

 俺は簡単に説明した。

「なるほど、スキルで生み出せるんですね」
「あぁ。だから、この世界では俺が神みたいなもんだ。はは」
「ははは」
「ははは」
「ははは」

(コメント)何があったのか頼むから教えてくれ。

※※※

 それから俺は次々とクエストをこなしていくことにした。次に現れたのは、三つ目グマだ。ゴブリンの数倍は凶暴らしい。

「グオオオ!!」

 俺は右手を突き出してスキルを発動させる。
 すると目の前に巨大な丼が現れた。
 その中身は……。

「おおぅ!……これはまた、豪勢だな」

 マグロのトロだ。しかも大盛りの。
 俺はその丼を掴むと、一気に掻き込んだ。……うんまい!!……やっぱりマグロのトロといえば醤油だな……。……ん? 醤油なんてあるのかって?……あぁ、あるんだよ。俺の故郷にはね。

(コメント)なんでマグロ丼食べただけでモンスターに勝てるのかは描写してくれない。

※※※

 次に俺が向かった先は、火山だった。ドラゴンが出たらしい。

「グオォン!」
「どこでも寿司!」

 俺の手には、いつの間にか大きな寿司桶が握られていた。中には、真っ赤なネタがたっぷりと詰まっている。
 俺はそれを取り出し、そのまま口の中に放り込む。

「うまぁ~いっ!」

 さっきのトロよりもさらにうまい! 俺は夢中で寿司を食べた。

「……ふぅ、ごちそうさまでした」

 俺は腹をさすった。
 そして思った。……この能力があれば、俺は無敵なんじゃないか? いや、間違いなくそうだ!……よし! 俺は最強になったぞ!

(コメント)だからなんでなんだよ。

※※※

 俺が街に戻ると、レイスが声をかけてくれた。

「やぁ、お疲れ様です。調子はいかがですか?」
「あぁ。腹いっぱいだよ」
「それにしてもニギルさん。寿司を食べるだけで、どうやってモンスターに勝っているんですか?」
「それはな、俺のスキルで……なんでもない」
「?」

 レイスは首を傾げていた。……この世界にはまだ、存在しない食べ物だから仕方ないか。

(コメント)人力でしつこく能力の種明かしを誘導しているのだが、必ず話を逸らされる。それにしてもレイスばっか出てくるな。

■変わり果てたミィナ

 冒険者ギルドにやってきた俺は、早速掲示板を眺めてみた。そこには様々な依頼書がある。素材採集の依頼もあれば、討伐任務もあるようだ。
 その中で一番簡単なものを探してみる。……あった。『街の外れにある森で薬草を採集してほしい』という仕事だ。俺にしてみればかっぱ巻よりも簡単な仕事だが、何か惹かれるものがあった。
 なぜなら、依頼主がミィナだったからだ。俺はこの依頼を受けることにした。

(コメント)ミィナが依頼主のくだりは人力で書き足し。登場させたかったので。

※※※

 街から少し離れたところにある森へとやってきた。
 鬱蒼とした木々が立ち並び、昼間だというのに薄暗い。

「……さて、探すか」

 俺は気合を入れて草むらに分け入った。

「おぉ、なんか生えてるな」

 俺は見つけた薬草を摘んでいく。薬草というか、これは芽ネギだ。俺もよく握った。この世界にもちゃんと生えているようで安心した。

「これで終わりか」

 依頼された分だけ採集し終えた。
 俺はミィナがいるであろう場所に戻ろうとしたが、その時、視界の端に奇妙なものが映った。……なんだあれは? 木の上に、緑色の肌をした生き物が座っている。

「ゴブリン?」

いや、違う。ゴブリンは二足歩行だし、人間のような服を着ていない。こいつはどう見てもゴブリンじゃない。俺は慎重に近付いてみる。

「なんだこいつ……」

 それはゴブリンより一回り大きい体をしていた。顔つきも醜悪だ。……これが、ハイ・エルフ? まさかな。何故俺がハイエルフだと思ったのか。それは、こいつが着ている服が、ミィナと全く同じものだったからだ。

(コメント)ミィナがあまりにも出てこないのでモンスターの正体がミィナだということにした。

「まさか……ミィナなのか!?」
「グギャギャッ!」

 それはニヤリと笑うと、飛び降りて襲いかかってきた。

「くっ!……どこでも寿司!」

 俺は咄嵯に手の中の握り飯を投げた。
 それはハイ・エルフの顔面に命中した。……が、あまりダメージは与えられなかったらしい。

「……おい、なんなんだよお前は! いきなり襲ってくるなんて、失礼じゃねえか!」

 俺は腰の刀を抜いた。
 寿司職人にとって、寿司を斬ることは日常茶飯事なのだ。

(コメント)そんなわけがない。

「グルルルルゥ……!」
「ええいっ!……どこでも寿司!!」

 ……しかし何も起こらない。

「なんでだ! なんで発動しないんだ!!」

 そのとき、俺の頭上に影が差した。

「グギャギャッ!」
「うわああっ!!」

 俺は尻餅をつく。……そこにいたのは、やはり先ほどの変わり果てたハイ・エルフである。

「ど、どういうことだ……?」

 そのとき、俺の脳裏に閃きが走った。

「そうか、わかったぞ!」

 俺は自分の手のひらを見た。

「そういうことか……」

 俺はもう一度手をかざす。……イメージしろ。俺の能力で生み出せるものは一つだけだ。無からものを生み出すことができる。つまりそれは……

「ほらよ」

 俺は握り飯を差し出した。
 それは紛れもなく寿司桶に入っていたものだ。

「グウウッ……」

 それは悔しそうな顔をする。

「俺の能力で生み出した寿司を食えば、元の姿に戻れるはずだ」

 俺はそれを握り飯にしてやったのだ。

(コメント)ニギルだけが納得している。

「さあ食えよ」
「……」

 それはしばらく躊躇っていたが、やがて覚悟を決めたように握り飯を口に運んだ。

「……」

 ……数秒後、それは人の姿に戻った。

「あーっ!!ニギルさん! どうしてこんなところにいるんですか!!」
「いや、俺はクエストを受けたんだ。ミィナ、お前はモンスターになっていたんだよ」
「私が……!?」
「ま、とりあえず、俺の寿司でも食えよ」
「あ、ありがとうございます」
「ところで、なんでモンスター化したのか、心当たりはあるかい?」
「いえ、特には」
「そうか」
「でも、私と同じような服を着ている人を見かけました。……きっとあの人が……」

 つまり、彼女と同族のハイエルフが、悪意を持って、彼女をモンスターに変えた……ということか!?

「その人はどこにいる?」
「わかりません。すぐに逃げられてしまったので」
「そうか」

 俺はそれらしき足跡を追ってみることにする。

(コメント)ミィナに呪いをかけた犯人探しに話をフォーカスしていく。

■ミィナを呪った犯人を探せ!

「……ここが、その現場だな」

 そこは森の奥深く。
 大木がいくつも立ち並ぶ場所だ。

「この辺に、誰かがいたような痕跡はないな」

 ……だが、確かに人の気配はする。
 俺はゆっくりと足を踏み入れる。
 すると、突然地面が揺れ始めた。……地震か?……いや、これは……!

「……この感覚は……!!」

 俺は地面に手を当てた。……間違いない!

「……寿司だ!!」

 俺が地面に触れると、そこから巨大な寿司桶が現れた。
 中に入っているのは……。

「マグロの赤身!」

 俺はそれを掴んだ。……うんまい!

「……ふぅ、ごちそうさまでした」

 俺は腹をさすった。

(コメント)なんなんだこのシーン。

「でも、なんでこんなところに寿司が……。俺はスキルを使っていないのに」

……そうか、わかったぞ!! 俺は確信した。……俺の能力は、目の前にあるものを無から生み出すこと。そして、俺は今まで何度も寿司を握ってきた。つまり、俺は既に寿司を握れる状態になっている。そして、俺のスキルは寿司を握ることで発動される!

「……ということは、俺の寿司を握った状態で、俺が『寿司だ』と言えば、俺が握った寿司が生まれる……というわけか」

……この能力を使えば、俺は無敵だ!!

(コメント)最も意味不明な解決編。

「さて、次は何を作ろうかな」

 俺は森の中で、寿司の材料を探していた。

「あ、ウニがあるじゃないか」

 俺はウニ軍艦を作り出した。……うんまっ!

(コメント)全てが無駄なシーン。

※※※

 俺は次に、森の泉で水遊びをしている妖精を見つけた。俺はその子に寿司を渡してみた。

「はい、どうぞ」
「え? これ、くれるんですか? わぁい、いただきます!」
「おいしいですか?」
「……おいちいですっ!」

 女の子は無邪気に笑った。

「よかったです」

 俺は思わず笑顔になる。

「ところで、あなたは誰ですか? 見たことのない人ですけど」
「俺はニギルといいます。冒険者ですよ。ところで、このあたりで、人をモンスターに変える呪いを使えるハイエルフを知りませんか?」
「ああ、それなら知ってますよ。ここからずっと北に行ったところにある、『魔王城』に住むハイ・エルフです」
「……魔王城のハイ・エルフ……なるほど、わかりました。情報ありがとうございます」

 俺は移動するためにスキルを使い、巨大な穴子寿司に乗って大空を飛び、魔王城の近くの荒野に到着した。

(コメント)いつまでもウダウダと森を歩いていそうだったので、無理やり穴子に主人公を乗せて魔王城まで飛ばすことにした。

■魔王との戦い

「……随分と遠いところまで来てしまいましたね」

 レイスは呟いた。

「そうだな」

 俺たちは荒野を歩いていた。

(コメント)いつのまにレイスが来たのか。

「……見えてきました。あれが『魔王城』です」
「……うわっ、すげえ禍々しいな」

 それはまさにおどろおどろしいという表現がぴったりくる建物だった。
 壁は漆黒に塗られ、所々に不気味な装飾が施されている。

「……なんか、入るの怖くなってきたな」
「ここまで来て引き返すことはできませんよ」
「わかってるよ。行くしかないよな……」

 俺は意を決して門をくぐった。

※※※

「よく来たな勇者よ!」
 玉座に座っている男が言った。こいつが魔王だろう。
 黒いマントに身を包み、口元からは牙が見え隠れしている。
 顔つきもどこかゴブリンに似ている気がした。……いや、ゴブリンそのものなのかも……。

「俺は異世界から来た寿司職人なんだがな、ちょっと聞きたいことがあるんだ。ここにいるレイスって奴の妹……ミィナっていうんだが、彼女をモンスターに変身させた奴がいるらしい。お前だな?」

 俺は指差してそう聞いた。

「ほう? ミィナを知っておるか」
「やっぱりお前の仕業か!」

 俺は刀を抜いて駆け出した。

「おい待て! 戦う気か!?」
「問答無用!」


 ……結果から言えば惨敗であった。
 俺はいつものようにスキルを使って寿司を魔王に食べさせようとしたのだが、全く通用しなかったのだ。

「無駄だ! 貴様の寿司など食わぬわ!」
「クソッ!」

(コメント)そりゃそうだ。

「……ニギルさん、ここは私が食い止めます!」

 その時、レイスが前に出てきた。

「おい、何するつもりだ!?」
「こうなったら、私の力を使うしかありません!」
「……そういえば、そんなのあったな」
「はい!」

 レイスは両手を前に突き出し、叫んだ。

「……シャリリウム・フィールド!!」

 その瞬間、俺の体が発光し始めた。

(コメント)シャリリウム・フィールドはセンス良すぎる。

「こ、これは!?」
「ニギルさんの寿司をめちゃめちゃ美味くする魔法です。寿司を握ってください!!」

 俺は再び寿司を握り、魔王に向かっていった。

「くらえ!!」
「ふん、効かぬ!!」

 しかし、魔王は全くダメージを受けていないようだった。

「そ、そんな……」
「無駄だと申したであろう?」
「……ちくしょう……」
「さあ、もう諦めろ。大人しく死ぬがよい」

 俺は観念するしかなかった。……だが、ここで死んでたまるものか。俺はまだ、この世界に来て何も成し遂げてはいない。

「……まだだ」

 俺は最後の力を振り絞って、寿司を握った。

「……これで最後だ!!」

 俺はその寿司を魔王に叩きつけた。

「……むっ!?」

 寿司は魔王の口の中に入り込んだ。

「……どうだ!?」
「……うっ!?」

 その途端、魔王の表情が変わった。

「……まさか……これは……!?」
「どうだ! 俺の寿司は!」
「……ま、不味い!!」

 魔王は吐き捨てるようにそう叫んだ。

(コメント)そこは美味くあれよ。

「なっ……!?」
「こんなもの食えるか!! こんなまがい物を食わせやがって! ふざけやがって!」
「ま、まがい物……?」
「こんな寿司が本物であるはずがない! こんなものがまともなものか!! こんなまがい物がこの世に存在するなんて許せない!!こんなまがい物は俺が全部ぶっ潰してくれる!! 死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

魔王はそう叫ぶと、持っていた剣で自らの首を掻っ切った。

(コメント)自殺するほど不味い寿司。

※※※

「……あーあ、やっちまったな」

 俺は頭を抱えた。……俺のスキルが通用しないのは、この世界には存在しない寿司だから。俺のスキルが通用するのはこの世界で作られたものだけ。……つまり、俺がこの世界の食べ物を作っても、俺が握っても、この世界の人はそれがどんな寿司であろうとも「偽物」と感じる。……つまり、俺はこの世界でも、このスキルでも、生きていけないということだ。

(コメント)よくわかんないけど、つまりこの世界にはもともと寿司が存在しないから、寿司を生成しても美味いと思ってもらえないということらしい。

■絶望、そして再起

「……終わった」

 ……俺は自分の愚かさを呪った。……もっと早く気づくべきだった。……この異世界で俺が生きていく術はないということに。

「……俺の人生は……一体なんだったんだ」
「まあまあニギルさん。寿司はまずかったですが、そのおかげで魔王は自害して消え去りました。ニギルさんのおかげですよ」

 レイスが肩に手を乗せてガッツポーズする。

「いや、そういう問題じゃないんだよ」
「え?」
「あぁ、なんでもない。……とりあえず、これからどうしようか」
「そうですね。……私と一緒に暮らしますか?」
「……は?」
「いえ、一人でいても退屈でしょうから」
「……いいのか?」
「ええ、もちろんです! これからよろしくお願いしますね」

 こうして俺は、レイスと暮らすことになった。……もちろん、最初は不安もあったが、彼は意外と良い奴で、毎日楽しく過ごすことができた。

(コメント)なぜかレイスと同居することになってしまった。

■エピローグ…新たなる旅

……それから数年後。

「さて、今日は何を作ろうかな」

 俺は冷蔵庫の中を漁っていた。……すると、突然レイスが現れた。

「おはようございます、ニギルさん。今日の朝ご飯は何ですか?」
「そうだな、今日は鮭にするか」
「いいですね。……ところで、ミィナを知りませんか?」
「いや、知らないけど」
「おかしいな。昨日寝た時は一緒にいたんですが」
「……え?」
「……あ」

 レイスは口を手で押さえる。

「……おい、どういうことだよ」
「い、いやぁ、実はそのぉ」
「……」
「……ごめんなさい」

 レイスは頭を下げた。

(コメント)兄妹なら同じ部屋で寝ても不思議ではないが、焦りからして、そういう意味なのか?

「レイス、お前まさかミィナに……」
「い、いやその……」

 レイスが冷や汗を流しながら目を泳がせる。

「……おい、レイス」
「……はい」
「……覚悟しろよ」
「ひいっ!?」

 俺は寿司を握る。
 俺のスキル「どこでも寿司」を最大出力にして、目の前にある全てのものを寿司に変えていく。

(コメント)すごいスキルだ。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 レイスが慌てて俺を止める。

「……なんだ? 今更謝ったって遅いぞ」
「いや、確かに悪かったと思っていますが、あの子は本当にあなたを魔王の手先だと思っていたんですよ。仕方ないことなんです」
「……そんな話してないだろう!」

 俺は力任せにレイスを殴った。

(コメント)初の普通の暴力。

「ぎゃああああ!?」

 俺はレイスに寿司を握り続ける。

「痛いですニギルさん! すみませんってば!」
「……はあ、もういいよ。過ぎたことを責めてもしょうがない」

 俺は寿司を止めた。

(コメント)「寿司を止める」という表現は新しい。

「……それで、お前の妹はどこにいるんだ」
「魔王城の近くにいると思いますよ」
「……そうか。……よし」

 俺はレイスの家をほとんど寿司に変えたあと、ふたたびミィナを救うための旅に出るのであった……。

終わり

【あとがき】

 寿司ネタのリクエストを募集しております。
 寿司ネタ以外のリクエストも募集しております。

(コメント)本当にあとがきっぽい。

■おまけ キャラ設定(自動生成)

【名前】ニギル
【能力】どこでも寿司
【能力の説明】このスキルを使用すると、半径5メートル以内のあらゆるものが寿司に変化する。ちなみに、ニギルがスキルを解除するまで、この効果は持続する。

ニギルの使える技
・鮪アタック
・回転寿司(最大)
・巻き寿司
・軍艦巻き
・手まり寿司
・鉄火丼
・海鮮丼
・天ざるそば
・ラーメン
・肉まん
・カレーライス
・オムレツ
・ピザ




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