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古き善き場末の映画館(5) 映画初出演編

1983年8月6日に公開された「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」は寅さんシリーズ31作目で私の映画初出演作品です。当時父が務める映画館の担当だった松竹映画の営業マンから映画のロケを小千谷市内でやることを聞きつけ、当時中学生だった私は当日が土曜日だったこともあり友達を誘い午後からの部活をサボってロケ現場である船岡公園に向かったのでした。

到着すると屋台のセットが組んであり、寅さん恒例のオープニングの夢から覚める場面の撮影の為にスタッフが忙しく動き回ってました。

程なくして渥美清さんや関敬六さんなどの出演者達が衣装を着て登場するとギャラリーから歓声があがりました。敬六さんめちゃめちゃ愛想良かったな。

撮影が始まり、同じ芝居をアングルを変えて何回もやったり、タイミングが合わなくてやり直したり、場面転換の度にカメラの位置を変えたりして数分のシーンを撮るのにこれだけ時間がかかるなんてと思ったのを覚えています。撮影の待ち時間に今は亡きカメラマンの高羽哲夫さんに話かけられました。「君たち中学生?」「ハイ!」船岡山から見える小千谷市内を見渡しながら「あの建物は?」「小千谷総合病院です」、「あの橋は?」「旭橋です」、「あの山は?」「山本山です」みたいな話をしました。

すると助監督が私たちに駆け寄って「君たち、あこからそこまで歩いてもらってもいいかな」 (!)なんですと?それはエキストラってことですかい?

撮影が再開し渥美清さんの後ろを歩くことになりました。ツーパターン撮影し、結局使われたのは遠くを歩いているバージョンでしたが、バッチリ写ってました。

撮影終了後、関敬六さんから『関敬六劇団』のチラシをもらいました。「大きくなったら役者になれよ」って。どこのロケ地でもやってるんだろなwww

いい思い出です。



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