ピボットからのピボット

この一ヶ月あらゆる人にSocial Kitchenのサービスについて聞いて回っていた。世の中にないものであるが故に、イメージをしにくいが、意見の大半が消極的な意見であった。noteでもしっかりとしたサービスの概要を説明できていないが、簡略化した説明をすると、食材とキッチンが整えられた場所で、みんなで一緒に作って、食べられる共有空間サービスである。シェアハウスでシェアメンバーとご飯を一緒に食べた時の人と飯を食べる時の楽しさと人々が繋がっていくコミュニティ社会を実現したいと思って考えていたのだが、インタビューをしていく過程でどハマりするユーザーには出会えなかった。というか大半が、人と自炊することをあまり好ましく思っていなかった。少し視点を変えてCtoCモデルの料理を作る人と食べる人のマッチングサービスとしてどうかというトライもしてみたが、反応はイマイチ。

インタビューした時のユーザー意見の一部(インタビューの仕方すらまだまだな感じ)

人間とは実に弱いものである。というか、人間などとひとくくりにしている自分自身が弱いだけだが、インタビューの過程を通して完全に煮詰まっていた。

インタビューを通して、日常的な使われ方を目指しているのに対して、単発利用での意見が目立ち、そして自分が価値として考えていたつながりという部分を人々は毛嫌いしていたのである。

「これ、筋悪い気がしてならない」

成功している起業家のストーリーなどでは、おそらくここで何かの踏ん張りをきかせて、このサービスを実行にうつして大逆転のホームランを打ち上げるだろう。僕の大好きなAirbnbなどがまさにそうだと思う。

だから、自分に言い聞かせるように、これは行けるこれは行けると信じ込ませてやろうとしていた。

しかし、タイトルでのネタバレに裏切らず、僕はここでサービスの転換をする。

決定的な理由は特にはないけど、このまま絶対うまくいくと自分自身が信じられないこと。変更した理由はこれに尽きる。実現したい社会と課題は間違っていなかったと信じたい。でもそれを自分がやろうとしているソーリュションが間違っているのではないかと考え始めていた。


いつものジムのサウナの中で、考えを改める。

なんでという質問を5回くらいしたら本質に近づくというどっかの起業家の言葉を信じてみた。

(何をしたいんだっけ?)

・コミュニティの価値を最大化させたい

(なんでコミュニティの価値を最大化させたいだっけ?)

・旅を通して、日本にコミュニティの価値が薄れてきていると感じたから

(なんで旅を通して、日本にコミュニティの価値が薄れてきていると感じたんだっけ?)

・日本にはあまりなじみのない宗教のつながりやコミュニティ文化からビジネスになって、社会を動かしている大きな動きが海外にはあると感じたが日本にそれがあることをあまり実感できなかったから


ん? 

少し自分がやりたかったことを気付き始める。

サウナから上がり、水を飲むことも忘れ、スタバでパソコンを広げる。

どうやら、僕はコミュニティを作りたい理由の根源は、コミュニティの価値が最大化され、その価値のベースにあるのはビジネスでのコミュニティだということを。

・コミュニティの価値=人々が繋がりたいと自発的に感じて、繋がることによって当事者たちにとってプラスに働くこと。

・ビジネスでのコミュニティ価値= 繋がった人々通しで相互のビジネスを発展させられること。


これって、weworkじゃん〜コワーキングスペース事業じゃん〜

もうやってるし。。。げんなりした。結局やりたいことは、すでに数千億の価値のついた会社がやっている。

でも、もう少し考えよう。本当に彼らはコミュニティとして繋がる価値が最大化されているだろうか。起業家という共通項で価値が発揮されているのだろうか。もっと絞ったコミュニティでやった方が価値が出るのではないか?

そんな時にふと、ソーシャルキッチンで探していたデータに気づく。

1年間の飲食店での廃業率は実に35.4%。他の業種に比べた時の廃業率は圧倒的。そして、飲食店も同じフードスタートアップ。

キッチン版WEWORK

ふと気づいた時には、そう独り言をつぶやいていた。

これ、いいかも。


続く

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