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チェーン店だらけの日本、自営店の逆襲

どうもシェア型クラウドキッチンKitchenBASEの山口です。

黒船ウーバーイーツの上陸、軽減税率の対象、いろいろと追い風になりつつあるデリバリー市場。全体外食市場が伸び悩む中、年次5パーセント前後の勢いで伸びつつあるデリバリー市場。

今までのハレの日のお食事という出前文化から、日常のケのものとして扱われ始めている。僕らの日常を変えつつあるデリバリーの台所を作って行くんだと思うと、いささかワクワクしてくる。

そして、これは今までの飲食店の構造を大きく変える可能性も秘めている。と僕は思っている。

道を歩いて飲食店を探せば、目につくのはフランチャイズ。東京で見ている都会の景色と大阪で見ている都会の景色はともすれば、まるで同じなのではないかと錯覚に襲われることがある。

別にそれが悪いことではないと思う。僕自身、吉野家の牛丼が大好きだし、マックのポテトには人並みにお世話になっている。

> しかし、それらのフランチャイズによって、どんどん個人店が負けてしまっている現状があることもまた事実である。

その敗因はいくつもあれど、大きな要因はフランチャイズ店の圧倒的な資本力とオペレーション効率による価格破壊だ。

飲食においての立地は、本当に重要な要因を占めている。しかし、良い立地ほど当たり前であるが地価が高く、資本力あるフランチャイズにかっさられてしまうのである。

そして、大量仕入れとオペレーションの効率化によってコストを下げて、価格破壊を殴りつける。

日本は諸外国を見ても類を見ないほどの価格の低さであろう。

それでも歯を食いしばって、フランチャイズに抗って、低価格で出そうものなら、低コスト路線から次第に人件費カットへと流れていき、ブラック企業をまた一つ生み出してしまうのだ。

では、果たして個人店はどうやって戦えばいいのだろか?

それが我々の挑戦している命題である。

そして、我々の介入するデリバリーにこそ、それは存在していると思っている。

クラウドキッチンの個人店にとっての本質的な価値とは何か。

これは大きく2つあるだろう。

場所は選ばないこと。

これに関しては単純明快。デリバリーは配達商圏さえ抑えていれば、それが駅前だろうが、駅から離れた殺風景な路地裏だろうが関係ない。それ故に、料理以外の立地という部分で、優位性をなくすことが可能になる。もっというと、立地の広さなども関係なく5坪ほどのキッチンの大きさがあれば、十分に注文を捌けるであろう。

高単価で成立すること。

デリバリーには配達料が存在する。350円の料理に600円の配達料を払うような商品はこれからは成立しなくなる。それ故に、商品単価が次第に向上して、料理の値段差というのはどんどんなくなっていくのではないかというのが持論である。

歴史をマクロに見たときに、フランチャイズの流れというのは普遍的な動きであった。しかし、これからの時代を見る限りにおいて、僕はその逆をいく流れができるんじゃないかと考えている。もちろんフランチャイズのお店が低コストで出店できるクラウドキッチンに一気にデリバリー店舗を作っていくことは容易に考えられるであろう。しかし、どうだろう。今度は料理の味以外の条件はほぼほぼ一緒である。人々が求める利便性がフランチャイズと個人店が一緒になったときに、人はどちらを選ぶだろうか。これからが本当の料理の戦いになると僕は信じている。

ある意味、フランチャイズではなく、個人店がこれから栄えるという仮説は、今の世の中では逆の形かもしれない。でも消費者にとって、どちらが幸せか。それを考えるといささかこの流れは消費者にとっても面白いような気がする。

飲食店の今後の地動説になるか、天動説になるか、誰にもわからない。


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