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【ダブドリ×JUBF 連動企画 インカレ2023インタビューvol.2】 佐賀バルーナーズ95年世代対談

12月2日、今年も大学日本一を懸けた戦いが始まる。

インカレの愛称で親しまれてきた本大会も75回目を迎え、本連盟((一財)全日本大学バスケットボール連盟)は、大会ロゴのリニューアルを始めとする様々な取り組みを推進。その一環としてバスケ雑誌『ダブドリ』とコラボさせていただき、これまで知られてこなかった新たな側面から、大学バスケの魅力を発信していく。

選手も、チームスタッフも、運営スタッフも。みんな、大学生。それぞれの想いで駆け抜けた4年間の全てを懸けて、大学生が創り出す、忘れられない戦いを、皆さんにお届けします。((一財)全日本大学バスケットボール連盟一同)

学生達の熱い思いに触れ、ダブドリはインカレ2023の新しいチャレンジをご協力させていただくことになりました。今回はインカレ2023特別インタビューとして、インカレ2017で大東文化大学を初優勝、自身もMVPを受賞した葛原選手、関西リーグで活躍していた岸田選手、井上選手と当時を振り返ります。ぜひ最後までお読みいただき、大学バスケの魅力が少しでも多くの方に届けば嬉しいです。(ダブドリ編集長 宮本將廣)

今回の登場人物について
葛原大智選手
1996年2月5日生。福岡大附属大濠高校から大東文化大学に進学。インカレ2017にて、大東文化大学をキャプテンとして初優勝に導き、自身も最優秀選手賞(MVP)を受賞した。現在は B1佐賀バルーナーズでプレーしている。

岸田篤生選手
1995年10月28日生。鳥取県立鳥取東高等学校から大阪体育大学に進学し、平成29年度関西学生バスケットボール選手権大会で優秀選手賞を受賞。インカレ2017に出場した。現在はB1の佐賀バルーナーズでプレーしている。

井上諒汰選手
1995年4月19日生。東海大三高校(現東海大諏訪)から関西大学に進学。2年次にインカレに出場。2017年はキャプテンとして関西大学を2部優勝に導いたが、惜しくもインカレ出場は逃した。現在はB1の佐賀バルーナーズでプレーしている。

勢いに乗ればどんなチームでも上がっていける可能性がある

宮本 12月2日からインカレ2023が始まります。今回は佐賀バルーナーズの95年世代の3人と一緒に、皆さんが4年生の時のインカレ2017を振り返っていきたいと思います。なんと今回はインカレ2017MVPが登場です!
岸田・井上 え?!
葛原 そうなんだよね!
一同 ハハハハハ。
宮本 インカレ2017のMVPは葛原選手でした。岸田選手は大阪体育大学で出場していて、井上選手の関西大学は残念ながら出場できずでした。
井上 僕も出てますよ!
宮本 あれ? そうだったっけ?
井上 はい! 2年の時に!
宮本 今、4年の時の話をしているから!
井上 そんなこと言わないでくださいよ!
一同 ハハハハハ。
宮本 当時の注目は馬場雄大選手(長崎ヴェルカ)が抜けたとはいえ、4連覇を目指していた筑波大学。杉浦佑成選手(横浜ビー・コルセアーズ)を中心とした筑波大学を破って初優勝をしたのが、葛原選手がキャプテンだった大東文化大学でした。当時の思い出はありますか?
葛原 正直、優勝できるとは思っていなかったです。僕らの世代は4年生が少なくて、インカレも後輩に連れてきてもらった感じがありました。決勝も1つ下の熊谷航(秋田ノーザンハピネッツ)だったり、2つ下のモッチ・ラミーン(JR東日本秋田ペッカーズ)が中心となって優勝させてもらったっていう感じでしたね(笑)。僕は泥臭いプレーをやるだけではっきり言っちゃえば、あまり力にはなれてなかったので、MVPを取ったっていう実感もなかったです(笑)。
宮本 98年世代最強の左利きモッチ・ラミーンね。
葛原 そうですね(笑)。当時感じたことは、インカレは勢いが大事だってことです。1試合勝って勢いに乗ればどんなチームでも上がっていける可能性があるし、強いチームだったとしてもその1試合に負けたら終わりなので、強い弱い以上に気持ちを出して勢いに乗れたチームが優勝するんだなって思いました。

真面目に頑張ったら、絶対にトップに行けただろなって選手がいっぱいいた

宮本 これはすごいストーリーだなって思ったんだけど、皆さんのヘッドコーチである宮永さん(宮永雄太/佐賀バルーナーズHC)が大東文化大学のOBで2003年に惜しくもインカレ準優勝に終わりました。その後、大東文化大学に悲願の初優勝をもたらしたのが葛原選手達という。
葛原 いやー(笑)。僕が入学した時に1部から2部に落ちたんですよ。いい感じに1部に上げてもらって、勢いそのままにインカレも優勝できたって感じです(笑)。
宮本 実はそのストーリーは宮永さんも一緒で、宮永さんも2部スタートで4年で1部に上がって、インカレ準優勝だった。ただ、宮永さんはスーパーエースだったけど。
岸田 おー、そうなんだ!
宮本 すごいよね。当時の関西はどうだったんですか? どうしても関西は注目度がひとつ落ちてしまうけど、素晴らしいチームがたくさんあります。関西の大学出身者はBリーグでもたくさん活躍していて、FE名古屋の満尾竜次選手(立命館大学出身)とか北海道の中野司選手(関西学院大学出身)。A東京の吉井裕鷹選手(大阪学院大学出身)や滋賀の川真田紘也選手(天理大学出身)は日本代表でも活躍しています。2人もそうだし、多くの素晴らしい選手を輩出している関西リーグは、当時どんなリーグだったんですか?
井上 僕のイメージは意志の強いやつなら上に行けるって感じですね。
宮本 能力以上にってこと?
岸田 能力がある選手はたくさんいましたね。宝の持ち腐れっていうとあれですけど(笑)。
井上 うん、それは俺も感じた(笑)。
岸田 真面目に頑張ったら、絶対にトップに行けただろなって選手がいっぱいいたと思います。
宮本 能力はあるのに全然練習してないみたいな?
井上 いや、そもそもプロを目指す気がないって感じですかね。逆に僕とかあっちゃん(岸田選手)みたいに高校までは無名だけど、プロも諦められないなっていう人もたくさんいたよね?
岸田 そうだね。
宮本 なるほど。2人は腐らずに頑張れたからこそ、Bリーグで活躍できているっていうことは間違いないと思います。勝手な印象だけど、関東以上に選手間や大学間でも意識の差が大きいのかなって思っていて、それでも自分の意志を貫けた理由はなんだったんですか?
岸田 性格ですかね?
井上 それは僕も思います(笑)!
一同 ハハハハハ。
宮本 じゃあ、単純に脇道に外れるようなタイプではなかったっていうこと?
井上 本当にそうだと思います。
葛原 性格って大事やな!
一同 ハハハハハ。
井上 周りを気にせずに頑張れる性格だったと思うし、そこに関しては今も自信があります。Bリーグで活躍しているみんなもそういう人たちが多いと思うので、割と間違っていないと思います。

このまま終わるのもなって思った

宮本 大学バスケの中心はどうしても関東にあると思います。そんな中で、「どうせ頑張っても関東には勝てねーよ」みたいなことはなかったの?
岸田 僕らの頃の大阪体育大学はそもそもインカレに出ることは目標でした。目標が高いのかって聞かれたらあれですけど、関東がどうこうっていうよりも自分達に目標があったことが僕としては大きかったですね。
宮本 なるほど。プロになりたいって思ったのはどの辺だったんですか?
岸田 僕は大学3年生の頃ですね。それまではずっと教師になろうと思っていたんですけど、もう少しバスケを続けたいなって思ったんです。そしたら4年の時に前十字をやっちゃって。その時にこのまま終わるのもなって思ったんですよね。できるところまでやろうって決心をしました。
宮本 すごいね! それで今はB1プレーヤーにとして活躍している。
岸田 いや、ほとんど運ですけどね。
葛原 あと性格な!
岸田 運と性格ですね(笑)!
一同 ハハハハハ。
宮本 性格って書きまくったら、逆に性格悪いやつみたいになるよ(笑)。
一同 ハハハハハ。
宮本 チームの中で一番大学生に近いのは、それこそインカレ2021で優勝した角田太輝選手(白鴎大学)ですけど、自分たちの頃と今の大学生はこの辺が違うなとか、ここがすごいなってあったりしますか?
井上 物おじしないですよね。(角田)太輝が来た時に思ったんですけど、入ってきたデビュー戦でスリーをボコスカ打って、しかも決めてきたんですよ。僕がもしも大学生で特別指定選手として試合に出たら、シュートが打てるタイミングでも遠慮して打たないと思います。大学の試合はあんまり見てないですけど、プロっぽいメンタリティでやっているのかなっていうのは勝手に思っています。でも、すごい選手は出てこないでほしいです。ポジションを取られちゃうから!
宮本 そこはプロとして、負けないように頑張ろうよ!
一同 ハハハハハ。

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