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Hikakinさんは「YouTuber」ではなく“プロのクリエイター”だと思う今日この頃

今年の夏ごろから、HikakinTVにハマっている。
それまでは、なんとなく名前を聞いた程度だったのだが、日々の娯楽がYoutubeとなると、どこかで動画を目にするタイミングが出てくる。

最初に見た動画は「スーパー定員だったころの自分を映したもの」か、「バク転にチャレンジするもの」かの、どちらかだったと思う。
1つ動画を視聴すると、次々とレコメンドされるので、そこから芋づる式にいろいろな動画を見てしまった。
さらに、今年がちょうどHikakinTVの10周年であることから、タイミングよくその企画動画に乗っかることができた。
自分も見事に、Hikakinさんのマーケティング戦略にハマり、彼のチャンネル登録者数1000万人の中の1人となったのである。

最初はこんな感じで、「面白い企画をやるなぁ」とか「よく思いつくなぁ」とぼんやりと動画を漁っていただけなのだが、そのうち“彼がプロフェッショナルとして動画を作り込んでいる”ということに気づかされる。

その1つのタイミングが、とある聴覚障害の方のコメントを見た時である。
実際に最近のHikakinTVの動画を見ると、話した内容ほぼすべてに字幕がついている。
つまり、音声が聞こえなくても、ある程度動画コンテンツを楽しむことができるように作り込まれている。
これは、何も聴覚障害の方だけにウケているわけではないだろう。
現に、自分も子供をあやしているときや寝かしつけをしている時など、“イヤホンは付けられないし音も出せない状態”での動画視聴では、この字幕が大変役に立った。
音声がなくても、コンテンツを見続けることができるのである。
ここに着目したHikakinさんの着眼点はお見事である。

2つ目は子供とHikakinTVを見ていた時のこと。
HikakinTVの動画には、ルーティンとして組み込まれている部分があって、
●幕間(ぶ~んぶ~んとハチになったHikakinさんが画面を横切るシーン)
●じゃんけんタイム
●「とーろくとうろく♪」のエンディング
の3つはほぼ確実に見ることができる。
これが単純で覚えやすいため、子供でも“Hikakinの動画である”ということが認識できる。
我が子も
「「とーろくとうろく♪」の動画見たいー!」
「ぶ~んぶ~んは?」
と、自分がスマホを眺めていると聞いてくるので、効果は絶大である。

さらには日常的に使うじゃんけんにオリジナリティを持たせる(「最初はグー」ではなく「最初はブンブン」という)ことで、覚えられる&使ってもらえるというメリットが埋まれる。
現に我が子もじゃんけんをするときは、「最初はグー」ではなく「最初はブンブン」を使っている。
もし保育園で周りの子がこのじゃんけんを知らない場合は、我が子が「Hikakinだよ」と教えることができるので、なんと超低年齢層においても口コミでHikakinTVが広がるという状況を作り出すことができる。
この手法はお見事である。

最後にHikakin本人が徹底したプロ意識を持っていることが、ここまで成功している最たる理由だろう。
ここまで挙げた2つを実行するにしても、コンテンツの作り込みが必要で、単純に撮った映像をアップするだけでは、こういった効果を生み出すことができない。
ある程度これらの施策が成果を出し始めると、今度はHikakinさん自身のセルフブランディングが必要になる。
彼はこのことをよくわかっていることから、自分の評判=ブランド力が低下するような行動には細心の注意を払っているのだろう。
いくらUUUMというマネジメント会社がついているとしても、その最高顧問はHikakinさん自身であるので、失態したときに守ってくれる人はほとんどいない。
Youtubeというプラットフォームがいつまでも続くかわからない中で、ほぼ個人事業主に近い形でやっていかなければならないわけだから、個人の評判に傷がつくことは、失業することを意味する。
最近のお騒がせYouTuberとの決定的な違いはこの部分で、彼らは後発であるためにそれほど自身のブランドは気にしていないのかもしれないが、反対にHikakinさんはYouTube≒Hikakinという図式が成り立ちつつあることから、自身の失態がYouTubeそのものの凋落に繋がりかねない。
このことをHikakinさんはよくわかっているからこそ、寄付を行ったりゴミ拾いを行ったりするのではないだろうか。


ここで挙げた3つのポイントを徹底的にやっているからこそ、Hikakinさんはチャンネル登録者数1000万人を突破できたのだと思う。
この徹底したさまを見ると、もはや“YouTuber”と呼ぶよりも“プロのクリエイター”と呼んだほうがふさわしい気がしてくる。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられてもおかしくないほどの、恐ろしいまでのプロ意識である。
(そう考えると、「プロフェッショナル 仕事の流儀」でちょっと裏側を見てみたい気もする)

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