映画館へ(日記の練習)

2023年7月17日(月)の練習


 連休最終日。友人と『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』を映画館で観る。途中までは新宿ピカデリーで観る筈の話が、友人が新宿ピカデリーの上映回には間に合わないというのでTOHOシネマズ池袋へ。却って時間に余裕ができたのもあって『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第二期の続きを観る。第十一話「過去・未来・イマ」まで。最終話までは間に合わなかったけど、残り二話の展開はNEXT SKYのあらすじでおおよそ知っているので、鑑賞に差し支えはないだろう。第二期に関しては、前半まで観た放映当時の印象に比して、時間を置いてきのう観た第八話以降後半で印象がぐっとよくなっていた。NEXT SKYへの期待も高まる。
 TOHOシネマズ池袋前で友人と落ち合うと、既に友人がチケットを購入してくれていた。『君たちはどう生きるか』を観に来たであろうひとびとで館内が混み合うなか、来場者特典のクリアファイルをもらって早々に入場する。インターネット予約は今までもあったけど、それでも映画館での発券が必要だったのに、とうとうQRコードをかざすだけのオンラインチケットになってしまった。映画の半券を栞がわりに本にはさんで、しばらくして本を開いたときに、この本を読んだ当時あの映画を観たのだと思い出すことがあった。こうやって、あの手この手でいろいろな本に思い出の時限装置を仕込んでいるし、古書で他人のそういう装置を見つけると嬉しくなる。あの頃この映画を観た、という証は、かたちあるものとしてはもう残らないのか、などと思う。
 最前列まんなかの席に座って、上映前に忘れないうちにお互いお土産を渡し合う。絶対に今しなくてもいいのに忘れそうだからとしてしまう、おばあちゃん的振る舞い。沼津のお土産に寿太郎みかん入りみかんアイスゼリーを渡して、北海道のお土産に白樺樹液をもらう。樹液だけど、れっきとした飲料水だという。頑なにおいしいとは言わなかったことだけが気になる。

 本編はというと、OVAとして文句のつけようがなく楽しかった。テレビアニメ約一話分の時間でそれぞれのキャラクターに見せ場とまではいかずともファンからすれば嬉しいカットやセリフが随所にあり、そのうえで一話完結ですっきりまとまっているのもいい。(体感になるが)冒頭5分から10分あたりは特筆して、これまでラブライブ!シリーズを追いかけてきたひと誰もがはわわとなるシーンだった。これを観るだけのためにお金が払える。
 事前知識をほとんど持たずに観たこともあり、まさか三船栞子がメインとなるとは思わなかった(てっきり第二期終盤のロンドン留学の流れから上原歩夢がメインだと思っていたのだけど)。しかし、第二期から登場したR3BIRTHに更にぐっと焦点をあてたかったのだとしたら理に適っている。また、栞子はテレビアニメシリーズで示唆されてNEXT SKYでは与えられた生徒会長という外的要因により変化と成長を促されざるを得ない唯一のキャラクターかもしれない。テレビアニメ第一期では、優木せつ菜から歩夢へ、歩夢から高咲侑へ、作中で何度もくりかえされる「トキメキ」がバトンのように渡されていった。けれども、この「トキメキ」のバトンは一方的にただ渡されるものではなく、差し出された者がみずからの意志で受け止めるものであること。姉から妹へ渡されたバトンを時を経て改めて受け止めて走りだすまでが、第二期で描かれた三船栞子の物語だった(第一期における近江彼方・遥の姉妹の物語と好対照にある点にも注目しておきたい)。栞子がファンとの距離を測りかねる悩みとは、まさにバトンを渡す側に立たされた戸惑いでもある。それでは、このバトンはスクールアイドルそのものを規定する学校という場所から出ることを許されず……尽く「終わりがあるからこそ輝く」物語に収束してしまうのか。それを主題として乗り越えたのが映画『ラブライブ!School Idle Movie』ではなかったか。『ラブライブ!School Idle Movie』が提示した答えの実践として『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』があることは論を俟たない。
 だからこそ、本作で三船栞子というひとりのスクールアイドルが時間を越えて受け止め、空間を越えて渡す「トキメキ」のバトン――その希望は、ひと続きの空に託されている。

 映画を観終わったあとはHUB+82でビールを飲む。沼津旅行の話をして、あとは映画の感想と、第二期第八話がいかによかったかを一方的に語る(侑ちゃんが苦悩に立たされた時に遠くステージから漏れ聞こえてくるのが、まさに優木せつ菜と上原歩夢のいるA・ZU・NAの曲であること。ここには、明確に第一期第十三話の先を描こうという意志がある)。巨人対ヤクルト戦の中継が流れていたが、ヤクルトのユニフォームが緑色になったと知らなくて驚く。
 餃子の王将に移って、今期放映されているアニメ『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』の話をする。アニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』の話も。テレビアニメは第一期も第二期も観ているのにRTTPは観ていない友人に、最近は会う度にRTTPを観てくれと懇願している。
 アニメの話ばかりして、三連休最終日が終わる。


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