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第三章の27◎超速パワーシフト

 「パワーシフト」とは米国の未来学者アルビン・トフラー氏が1990年に発表した著書の題名として使われた言葉なのです。
 「財力や権力が実権の中心となってきた時代は終わり、21世紀は知識や情報力を持つ者が支配力を持つ時代になる」と、そこには説かれていたのです。
「20世紀には、財力と権力を持つ者が実権を担い勝ち抜いてきたが、21世紀には政治・経済・日常生活などのあらゆるシーンで知識や筋力・情報力が時代の中心となる。」という内容でした。
例えば、第二次世界大戦中において米国は広大な領土と天然資源を背後に控え、巨大な兵力と軍事力を保持していました。
それに対し、日本は優秀な技術やパイロットを保持していたにも関わらず最新鋭の「零戦闘機」は「B29」に最後はいとも簡単に駆逐されてしまったのでした。
しかし、21世紀になった今でも残念ながら、暴力と略奪で世界を支配しようと最後の悪あがきをする輩が残っているのが現状なのです。
その傍らで、世の中では物凄いスピードで、しかも目に見えぬパワーシフトが進んでいるのです。
日本人と同じD型遺伝子をもつ、チベットのダライ・ラマ氏が言うように21世紀においては「暴力で紛争は解決できない」のです。
それは「目で見える物」から「目に見えぬ物」へのパワーシフトがあったからなのです。
そして、物事を決定的にする分野でもこのパワーシフトが進んでいるのです。
ですから、本質が見えない人にとっては、この流れは速すぎて全く読めないのかもしれません。
 旧式の「人間牧場」のやり方にしがみついて自分達を変えることが出来ていないからなのです。
弥生時代における戦闘は、騎馬民族が馬に乗り、原始的な胴剣や鉄刀を使って戦っていたのですが、戦国時代になると、西欧から鉄砲が伝わり戦闘の方法が激変したのでした。
 黒田官兵衛のように、水攻めで兵糧を絶つと言う戦術での戦いも導入されて来たのでした。
さらに江戸時代へと進むと、大規模な大砲が戦闘に使われるようになり、より遠距離からの攻撃が可能となって来たのでした。
そして、第一次世界大戦のように近代戦争となると、戦車、航空戦闘機や空母が導入されるようになり、さらに遠距離からの攻撃が可能になったのです。
そして、第二次世界大戦ではついに原爆という、一度の攻撃で15万人を殺戮する掟破りの武器が導入されてしまうのでした。これ以上進めたら、人類全体が破滅してしまうであろう限界まで武器の破壊力が高まってしまったのでした。
原爆は、第二次世界大戦の広島、長崎以降は使われることが無くなりました。いや使えば終りになるから、使いようが無くなってしまったのです。
ですから、その後は、大陸間弾道ミサイル、化学兵器の導入、細菌兵器と使う兵器が変化して行き、そして現代の戦闘は細菌生物兵器やサイバー兵器や超音波兵器というように、まさに目に見えない兵器で戦う時代へと進んで来てしまったのです。
見えない兵器に対抗する為には、まさに見えない物が見える「心眼」を持ち、見えない対抗策を考えなければならないのです。
 今後は、ドローン等の無人兵器やアンドロイド戦闘員等を中心とした戦闘が行われるようになり、戦争がゲーム感覚での対戦になってくるのかもしれません。
 戦争の概念を、パワーシフトで考えて行かなければ対処出来ない時代に突入しているからなのです。

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