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ウルトラセブン最終回の素晴らしさを綴る

円谷プロ公式から、ついにセブン最終2話の予告が出ました…と書くと、現在進行形の作品のようですね(笑)。

明確に描かれた、最後の戦い

ウルトラセブンの最終回、もうこれは伝説の域に達していると思っており宇宙人と地球人の別れを描いた締めくくりの物語として、全49話を傑作に昇華させた名編であります。

あらすじはもうあえて私が書く事でもないので、上の予告にもあるように現在無料公開されていますし、是非ご覧くださいといった感じです。
では個人的に、この最終2話を初めて観た時の話をしますと、小学生時代、夏休みの早朝(6時だったと思います)にウルトラセブンが再放送されており、それで観たのが最初だったと思います。「観た」のは初めてでしたが、その頃ウルトラマン関連の本を穴が開くほど読み込んでいた諸星だりあ少年は、最終回がどんな話なのかは前もって知っていたのです。ですが…知っていたにも関わらず、大感動したのも覚えています。

この傷ついたモロボシダンの姿、あまりにも衝撃的でした

森次さんの演技力の賜物ですが、まず満身創痍となったダンの姿が胸に刺さった、というのがあります。大汗をかき、目の下にはクマ。虚ろな表情で、ミスからゴース星人の円盤の侵入を許してしまうという前編の失態。セブンに変身しパンドンと戦うも普段の力が出せず(エメリウム光線がチョロッとしか出ないところは、笑ってしまうのですが)、アイスラッガーを手に持っての斬撃で辛くも勝利。カッコ良かったのですが、普段とは様子が違う、のがよく表現されていたと思います。

セブンが万全の状態なら、そこまで強敵でもなさそうなパンドンです

そして後編はまさに人類にとっての最終決戦、セブンも命を懸けての最終戦に臨むことになります。変身を止めるため幻影のようにセブン上司が現れますが、これが実体なのかダンの見た幻なのか、解釈が分かれるところになっていて、偶然の産物ではありますが面白い要素ですね。
子供心に、頭に包帯を巻いているのが格好良く見えたのは余談です(笑)。

血が滲んでいるのも、また格好良さとして映りました

セブンの最後の相手は、手足を機械化して復活した改造パンドン。正直炎を吐かなくなったので弱くなってないか、という気がしていましたが(笑)。SFCのウルトラセブンではラスボスゆえに炎がパワーアップしていましたが、それでも改造前と大して変わらないな、って思ってました。

アイスラッガーをキャッチしたのは凄いですが、それで浮かれてたのが
コイツの敗因ですね

とにかくここまでセブンがボロボロだと、否が応でもこれが最後なのだな、と納得させられます。敗れたので帰っていった初代ウルトラマン、と同じようにセブンもまた、完全無欠の超人ではなかったということです。
そしてそれが、魅力として映ったのもこの作品ですね。

初めて悶えた、愛の物語

これも説明不要ですが、ダンとアンヌの恋模様がこの最終回を最も盛り上げた要素なんですね。違う惑星に生まれた者同士ですが惹かれ合い、そして別離を涙が彩る。この切なさは半世紀以上経った今でも数限りない作品に影響を与えていると思います。

このシーンなくしてセブンは語れぬ、とまで言われます

まだ子供だった私ですが、男女の関係に胸を締め付けられた、つまり「カップリング萌え」の初体験だった気がします。これはここに至るまでの二人の関係性があってこそですが、満田監督がこのラストを見越してダンとアンヌのシーンを前々から撮っていた、と仰っていますし私はまさに監督の術中にハマった一人だったのでしょう(笑)。

あとこの頃は、俳優さんが演じている、という認識が無かったのも大きいですね。本当に二人をモロボシ・ダンと由里アンヌだと思っていましたから。もしその頃に、ダンが「ギャラが3倍くらい違うアンヌに嫉妬していた」なんて裏話を聞いたら、ショックで倒れていたかもしれません。


他にも語りたいことは色々あるセブン最終2話「史上最大の侵略」ですが、思い出も含め勢いで綴ってみました。
セブンの前後編エピソードは3つありますが、どれも素晴らしいものばかりですね。

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