見出し画像

令和のジュドー・アーシタが、ニュータイプでは無くなっていたという話

昨日、時間を経ても美しい美少女戦士たちのことを書きましたが、今日は逆の驚きがあったことについて綴ろうと思いました。
発端はTwitter(未だにXと呼ぶのに慣れない)で、流れてきたあるツイートだったのですが…。
「令和のジュドー・アーシタの声に衝撃を受けた」
というものです。

元のツイートは別のゲームのボイスについてでしたが、現在の矢尾一樹さんが演じるジュドーの声に私も驚いてしまったんですね。

声優という仕事の異質さ

ZZガンダムは1986年の作品で、もう38年前になります。その頃20代半ばで14歳のジュドーを演じていた矢尾さんももう64歳です。あまりに声に覇気がないため、加齢だけが原因ではなさそうだと思って調べてみると、他の出演作であるONE PIECEのフランキーも「声が出ていない、呂律が回っていない」などの劣化と本人の瘦せ具合から体調面を心配する声が挙がっているようです。
「なんだよ、プロのくせに代表作の声を維持出来てないのか」と最初は軽蔑の感情がありましたが、どうやら事情がありそうですしそもそも還暦を過ぎた人にティーンエイジャーの声を演らせる方がどうかしている、と思い直しましたね。

声優は声で聞かせる役者です。俳優なら年齢に合わせ役柄も変わっていくものですが、アニメの声はキャラの見た目がずっと変わらず、同じ声を何十年も出し続けることを要求される仕事、だとも言えます。それをこなしている人が沢山いるので見落とされがちですが、中学生の役をやる60代の俳優なんてドラマにはいません、それはコントになってしまいます。
そもそも90年代のスーパーロボット大戦の頃から、既に40代の矢尾さんが演じるジュドーに少し違和感を感じてもいました。オリジナルキャストが尊重されるのは作品のファンに喜ばれることではあります。ですがドラえもんやルパン三世のように新キャストへの交代もまた、そのキャラが魅力を放ち続ける為に大事な事なのかもしれませんね。

モンスターが多すぎるレジェンド声優の世界

矢尾さんのケースは一般的な場合、と置いておいて、もう一つ、上の漫画の動画にカミーユバージョンもありました。

こっちは聞きなれたカミーユの声なんですね。
飛田展男さんも矢尾さんと同じ64歳ですが、全く衰えを感じさせません。飛田さんはストリートファイター5で是空という老人キャラもやっており、こちらは明るいながらも渋みのある声で「ああ、飛田さんもこういうキャラの枠に入ったんだな」と感じたものですが、カミーユはカミーユで全然変わらず演じられるのが凄いな、と思いました。やはり30年以上、ちびまる子ちゃんであの学級委員長を続けているのが効いているのでしょうか(笑)。

飛田さんを含め、日本の声優陣は声質や表現を十年二十年単位でキープ、または進化させている凄い人達が多いんですよね。なので今の年齢を後で知って驚く、というパターンが多いのですが…それでも人間ですから、矢尾さんのようにいつまでも同じ役をやることに無理が出てくる人もいます。ガンダムのように未来永劫愛されるコンテンツの場合、それも考えてキャラクターの歴史を紡いでいって欲しいと思います。
余談ですが昨年、シティーハンターを観た時に神谷さんや玄田さんは流石だと思いましたが、ちょっとキツそうだなと感じる声優さんもいましたから。

「亡くなったりしない限り、声優変更はするべきではない!」
という頑なな意見もあります、私もどちらかといえばそう考える派ですが、それもケースバイケースだな…と思った、という話です。
声優交代に拒否感を示す人は、
「地球の重力(オリジナル)に魂を引かれた人間」
なのではないか、と感じさせた…そんなジュドーの現在の姿でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?