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【諸事雑感📝】注文の多い料理店

先日、子供から頼まれて近所の図書館で【注文の多い料理店】を借りてきた。

だいぶ古いものらしく本の小口は茶色く変色しており紙質も水気がなく乾燥しているような肌触りで、縦が約17cm、横が約11cm、約200ページのポプラ社の文庫本である。

【注文の多い料理店】は小学校の国語の教科書に掲載されていることもあり世代や地域による違いはあれど多くの方が一度は読んだことがあるとされる著名な童話だ。

ただ、私は本作を読んだことがない。いや、もしかすると多くの方と同じように小学生の頃に国語の教科書で勉強したのかもしれないが、しかしまったく記憶にない。

宮沢賢治の別の作品で正体不明の「クラムボン」で有名な【やまなし】を勉強したことははっきりと覚えているのだが。

かくいう私も本作が宮沢賢治の代表作のひとつであることは一般常識としておさえてはいるものの、本作の内容やストーリーまでは知らなかったので、子供に渡す前にものは試しにじぶんで読んでみることにした。

まず、【注文の多い料理店】は全九作の童話が収められた短編童話集であり、そのなかのひとつの童話として三作目に同タイトルの本作がある。

次に、タイトルから想像するに有名レストランを切り盛りする家族のハートフルストーリーか、もしくは一代で有名レストランを築き上げた店主のサクセスストーリーのどちらかだと思っていたのだが、本作は怪談のたぐいであったことが意外であった。

ネタバレに繋がるので本作のストーリーは割愛するが、童話らしいゆたかな比喩表現や独特なオノマトペが印象的で、示唆に富む内容であった。

また、随所に絶妙なあいまいさがあり、読み終えた後もついつい思考を巡らせてしまう面白さもある。

はたして我が子はどのような感想をいだくのだろうか。


最近ふたたび通い始めた図書館では自分好みの書籍に手を伸ばしがちだが、たまにはまだ読んだことのない名作も合わせて借りてみよう、あらたな気付きへの期待を込めて。



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