見出し画像

値引きに弱いのはしかたない

「〇〇%OFF」
「半額」
などのシールを見ると、つい手が伸びてしまいますよね!

例え、それが100円前後の商品であってもそうなのですから、
100万円、1000万円となれば、
もっと注目してしまいますよね!


■値引きのしくみ

1、値引きは売り上げを上げるため

一般的に、
商品の価格が下がるほど、消費者の購買意欲を高めると考えられます。
急な値引きに警戒感を示す方もいらっしゃるかもしれませんが、
大体は安い方になびくのではないかと思います。

安いほど、売れる ということです。

2、値引きは利益を削っている

同じ価格の商品を販売するとして、
値段を下げるほど、一つ当たりの利益が減っていきます

一つ当たりの利益を削っても、販売数が増えれば売り上げが上がり、
結果的に利益も増えるという考えです。

3、値引きは原価を削っている

同じ価格の商品を販売するとして、
一つ当たりの利益は減らしたくない場合には、原価を削ります

建築業界言えば、
材料を仕入れる問屋さんや施工する下請け業者などを叩く
(支払金額を下げる)
ことになります。
しかし、こうした行為は社会全体として問題にもなっています。

大手企業ばかりが利益を出し、中小企業の経営を苦しめることにつながっているからです。

■値引きの結果

1、値引きした結果で安く買えた

建築業界では相見積が普及していますので、
苛烈な値引き合戦があちこちで見られます。

結果として、消費者が金額的なメリットを受けられているので、
競争するのは悪いことではないと思います。

2、値引きした結果で業者を選べなくなった

金額を重視する場合、
地元業者やかかりつけ業者、大手企業などではなく、ローコスト業者を選択せざるを得なくなります。

これまで付き合ってきた期間、信頼関係、安心感、などを覆すほどのインパクトのある安い値引きをする業者も存在します。

3、値引きをした結果で不満・満足を感じた

同じ工事を実施して、
同じ品質で完成したのであれば安い方が良いと思います。

なかなかそうはならないので困ったところなのですが、
結果がすぐに判明しないのが建築のさらに難しいところです。

数年後、10数年後に結果が判明することも良くあります。

■値引きの不思議

1、定価って何なの?

家電量販店で家電製品を見ていると、
メーカー希望小売価格と言う記載と、実際の販売価格に大きな開きがあるのが分かります。

メーカー希望小売価格がいわゆる「定価」と言うことなのだと思いますが、
建築業界でも、カタログなどに掲載されている「定価」と実際の価格に大きな開きがあります。

建築の場合には、
施工費 がかかるので製品代だけでは判断できないとしても、
ショールームなどに掲示されている金額が当てにならないほど違うことが良くあります。

お客様からも過去に何度も尋ねられたことがございますが、
「業界の慣習です」
としか言いようがないです。

2、半額になるの?

一般的に、
売上金額の50%以上の利益
を出している企業はほとんどないと思います。

1億円の売り上げで、
5000万円の利益が出るような企業があったら凄いですよね。

しかし、
商品を50%OFFで販売している場面はよく見かけると思います。

もちろん、
赤字にしてでも50%OFFにして販売しているケースも無いとは言いませんが、50%OFFにしても利益が出るようにしていると考えるのが普通ですよね。

10%OFF ではなく 50%OFF の方がインパクトがあります
ので、そのように出来る定価設定なのだと考えられますね。

■値引きの善悪

と言うのは基本的にないと思います。
買う側、売る側の意志、利害などが一致さえすれば値引きは正常に成立すると思います。

しかし、ご承知の通り、
過度な値引き合戦が繰り広げられている建築業界においても、
値引きによる弊害は無くはないのが現状です。

「なぜ値引き出来たのか?」
「値引きした結果でどうなるか?」

については、多少は頭に思い浮かべていた方が良いとは思います。

■最後までお読みいただきありがとうございます