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得した気分だけ

色んな物を売ったり、買ったりする際に、
複数の会社で一括で見積りが取れるサイトがありますが、ご利用になったことはあるでしょうか?

実物が存在する【物】の売り買いでは金額の高さ・低さだけを見ればよいのかもしれませんが、【無から有を生み出す】建築業界でもそのようなサービスがあることをご存じの方も多いと思います。

そこでも比較するのは金額だけですか?


■金額の【差】が何なのかを考えよう

1、物だって安い物より高い物の方が良い物

一般的に、100円のお皿と10,000円のお皿を比較した場合に、高い物の方には何らかの付加価値があると思います。
そうでなければ売れませんので、素材の違いなのか、デザイン性なのか、希少性なのか、金額同等の違いか、または、金額以上・以下の違いがあると考えられます。

2、建築工事の金額差

材料費と人件費、
つまり、どんな物をどれ程使用し、どんな技術者たちがどのくらいの範囲の工事を行うかで工事費用に違いが生まれます。

金額を下げることだけを考えれば、
安い材料をなるべく少なく使用し、安い単価の人に少ない範囲の工事を行わせれば安く出来ます。

安い単価の材料って何?
安い単価の人って何?
安いことには必ず理由がありますよね。

3、見積書を見て比較出来たら凄い

ということで、たくさんのお見積書に囲まれる状況になったとして、
それらのお見積書をどう見ましょうか?

人生最大のお買い物ですので、目を皿のようにして隅々まで隈なくご覧になるのでしょうが、いくつも確認するのは骨が折れますよね。

そして、次はそれぞれのお見積書の内容比較・・・、ご苦労様です。

でも、そうした多大なる労力を割くことで、リフォームなどの失敗率が下がると考えれば、決して、無駄ではないはずです!

しかし、それはきちんと比較が出来た場合に限りますが・・・

4、どんなに安くても赤字で施工する会社は無い

民間企業は会社を存続させるために必ず利益を追求します。
お客様からいただく工事代金の中から経費と利益を出します。

ですから、いくら安くとも、その中に利益が含まれます。

赤字では決して仕事は行いませんし、
もしも、赤字覚悟なんて言っているようでしたら、経営者として正気を疑います。

「安ければ安いだけ企業の利益が少ない」
と消費者は前向きに捉えるのかもしれませんが、全て自社で営業から工事まで施工する会社ならともかく、
営業だけで施工は丸投げの会社では、見積り額が安くかろうとも、きっちり利益は確保した上で下請けに放りますので、材料費と人件費がより削られることになります。
※私の勝手なイメージです

5、そろそろ適正な見積り金額について堂々とご説明していきたい

企業として、売り上げを伸ばすためにはお客様から工事をご注文いただかねばなりません。
相見積で他社と競合する場合、
「一円でも安く見積書を出したい」
と言う気持ちが芽生えます。

昨今はその競争が激化し、歪な方向へと進み続けてしまい、
中小建設会社の倒産、建築技術者の激減、材料の品質低下、技術の低下など、住宅業界の低迷の一因となっていると考えられます。

株価の上昇や春闘の話題を聞いていると、大手企業の業績は好調のようです。
一方で、中小企業の前向きな話題は少ないですよね。
これはこれまでの状況を変えることなく、相変わらず、同じような過当競争を繰り返しているからではないかと思います。

良い仕事をし続けるには、これではまずいです。
そろそろ、真剣に取り組まなければならないと痛感しています。

私どもは100年企業ではございますが、この先も地域の家守りとして、存続していくためにも、技術をしっかりと守れる環境を整えていきたいです。

■最後までお読みいただきありがとうございます