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毎週日曜はファーマーズマーケットへ#イタリア6

オレが3週間住んでいた田舎街には、毎週日曜の午前中にファーマーズマーケットが開催される。広大な敷地を持つ人が多いこの土地では、農家や家畜を育てる人の割合が高い為、お互いに収穫したものを交換し合うのだ。採れたて野菜、果物、蜂蜜、収穫した小麦を使って焼いたパンや焼き菓子、チーズなどの乳製品、そして自家製ワインまである。また、フリーマーケットのような形で服や本、アンティーク雑貨を売っている人もいる。街の人が購入していく人は勿論のこと、出品者同士で足りないものを補い合う物々交換もあり、文字通り地産地消を体現している。農家の多くはオーガニックで体に優しい野菜を出品しているが、このここで買う野菜はスーパーで買うよりもうんと安い。それにここに訪れるみんなが顔見知りになっているため、友人にお金を落とすことができるという意味ではとてもいいサイクルになっているように思う。

オレがお手伝いしている農家からは自家製の蜂蜜を出品しており、おれも販売に参加した。採れたてを一度味見したが、甘すぎないぎゅっと密度が詰まったようなこの蜂蜜は絶品である。オレのホストファミリーは顔が広いようで、彼らの友人たちが来ては「今年も蜂蜜ができたんだね、買ってくよ!」と言って買って行っていく。毎年楽しみにしてくれている人が多いみたいだ。瓶詰めを手伝ったたくさんの蜂蜜も、あっという間に完売で今年も蜂蜜の商売は絶好調だったようだ。

街の人の笑顔が溢れるこのマーケットがおれはとても好きで、将来田舎に住んだら開催したいななんて思う。広大な敷地を管理しなければならない農業は大変だということを改めて知ることになったが、田舎に住んで、友人や街の人たちと物々交換をしながら生活するこの暖かさに幸せに感じる。今もう一度あの時撮ったマーケットの写真を見返すと、まだ街の人たちの声が聞こえてくる気がする。


ホームメイドペストリー
採れたて野菜

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