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ハウツー本疲れにはミステリー小説がいいのかも

何年ぶりだろう。久々にミステリー小説を読んだ。タイトルはアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」。中身とは関係ないが、「為になる本」を読むことに疲れていたんだなぁ、と読みながら気付いた。ぼくにとって読書は、基本的に勉強の姿勢だった。「いい文章の書き方」とか、「いい写真の撮り方」とか、「自己啓発」とか、「脳の知識」とか、もちろん読んでいて楽しいのだが、その楽しさは成長とか発見から来る楽しさだった。「そして誰もいなくなった」はミステリー小説なので、当然為になる内容は少ない、というかほとんど無いのだが、改めて、「活字の本をじっくり読むのっていいなぁ」としみじみ思った。今までも活字の本は好きだったのだが、ミステリー小説という味付けをされたものを食べたことでもっと好物になった。お母さんがチキンナゲット食べすぎて嫌いになったという話を聞いたのだが、ぼくはハウツー本を手に取りすぎていたのだと思う。嫌いになる前にミステリー小説といううまいソースに味変できてよかった。

あ、ミステリー小説という括りにしてしまったけど「そして誰もいなくなった」が本当に面白かったから、そう思った。終盤は読む手が止まらなくなった。こんな経験久しぶりだ。最後の最後は朝に読んでいたのだが、読み切りたすぎて遅刻ギリギリに家を出発した。そして会社に着いても最後の驚きの余韻が残り、いつもより20%生産性が落ちていたように思う。王様のブランチで湊かなえが「記憶を無くして、もう一度読みたい」と言っていた理由がわかった。

この経験をきっかけに、朝は小説の時間になった。朝の読書タイムっていうのが小学生の時にあって、苦でしかなかったけど、大人になると変わるもんなんだなぁ。小学生の時の俺よ、31歳になった俺は、眠くならずにちゃんと読めるようになってるぞ。登場人物を書き出しながら読むと、忘れなくていいぞ。

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