『横浜1963』リビジット 【歴史奉行通信】第四十五号

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こんばんは。

いよいよ夏ですね。
まだ梅雨は空けていないようですが、
灼熱の季節は目前です。

夏といえば、
スイカ、そうめん、とうもろこしの
季節です。
私はこの三点がこよなく好きで、
夏には三点セットばかり食べています。

それでは「歴史奉行通信」
第四十五号を
お届けいたします。

〓〓今週の歴史奉行通信目次〓〓〓〓〓〓〓

1.

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『楽園』6~悲しくて優しい物語~

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 ノアエディション(フリーペーパー社)に雇われている前畑滋子の元に、中年女性・敏子が訪ねてくる。敏子には夫はおらず、40歳を過ぎてから産んだ一人息子・等を事故で失ったばかりだった。敏子は等には超能力があったのではないかと思っており、滋子に捜査を依頼に来たのだ。
 等が生前に描き残した絵には不思議なものがあり、それがサイコメトラー能力のなせるものではないかというのだ。
 滋子はこれを

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どんでん返し小説『村一番の美女の肝試し』

城下町から街道を抜け、橋を渡った。月が川に映えている。舞鶴は夜空を見上げた。
「星が綺麗だわ」

 月は川に映れど、星は映らぬ。星は空でしか見られない。舞鶴は星が好きだ。
 星に恍惚していると、ふと風が吹いた。冷える。着物の袖の中へ手を引っ込ませ、舞鶴は村へと戻った。

 舞鶴は村一番の美女だ。村に住む侍も百姓も漁師も、舞鶴に夢中だ。男たちは彼女へ求愛してやまなかった。
 けれども、舞鶴は嫁いでい

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どんでん返し短編小説『君子がいるね』

江戸川区に現れた悪魔を退治し、病院へと寄った後、浜崎唯は自宅へと戻った。
「遅いよ。今日は浜崎さんが夕食当番の日なんだからね」
同居人の金沢舞が口を尖らせた。
「ごめん、今作るから」
浜崎はトンガリ帽子を脱ぎ、台所へと立った。アボカドとツナを使ったパスタをさっさと作り、金沢に差し出す。

「いただきます」
嬉しそうに金沢はパスタを頬張った。魔女の仕事で疲れている浜崎は食欲がわかず、結局フォークを握

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インサイド・アウト 第16話 おとぎの国(3)

《左右対称の顔の女》の話は常軌を逸していた。人間の脳内に宇宙を創り出せること。この宇宙は、肉体を捨てて脳だけになった男が頭の中に創造したものであること。その男の分身とも言える人物が、この宇宙の中で自死のループを繰り返していたこと。そして、この宇宙へ来るために自らの肉体を捨てた女の話……。普通だったら到底信じられる内容ではなかった。しかし、首から下が切り離された状態で、頭部だけの姿でベッドに置かれて

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第1話 大坂九龍城(オオサカクーロンジョウ)~過去へ向かう列車~#006

私が時生と会うためにBarを訪れたと知った店員は、奥の部屋に入ったきり顔を見せなかった。私以外、誰もいないカウンターでノイズとしか思えない音楽を聴きながら、時生がこの店を来るのを待った。私は普段から飲み歩く事もなければ、酒も殆ど飲まない。ビールはよく冷えていたが、唯苦いだけで、時々何か思い出したように口をつけても酔うはずもなかった。

 酒にも酔えず、手持ち無沙汰な私の視線の先には、文字盤のない緑

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【読んだ本】すべてがFになる/森博嗣

すべてがFになる/森博嗣

ミステリーに革命を起こした名作。

ミステリーは特に好きなジャンルではありませんでした。
小学生の時にはシャーロック・ホームズを読んでみたり、
中学生の時には西尾維新さんの戯れ言シリーズを読んでみたり、
「読書好きならミステリー読まなきゃね~」という顔をしていましたが、あんまり推理ものにハマりはしなかったんですよね。

この本を買った時も、最初は「すべてのFになる、読ん

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境界の旅人 13

時間と空間が絡みあわないように、

まっすぐ進んで行くのを見張っている。

それがおれの使命だ。

三郎は自らを『時間と空間の番人』だと名乗った。

京都×青春×ファンタジー×ミステリー。ページを繰る手が止まらない‼︎

前回のお話はこちらから

登場人物紹介

小野由利   東京から京都へやってきた少女。桃園高校の一年生。
小野辰造   由利の祖父
小野玲子   由利の母親
三郎(椥辻) 謎の少

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『楽園』5~悲しくて優しい物語~

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 ノアエディション(フリーペーパー社)に雇われている前畑滋子の元に、中年女性・敏子が訪ねてくる。敏子には夫はおらず、40歳を過ぎてから産んだ一人息子・等を事故で失ったばかりだった。敏子は等には超能力があったのではないかと思っており、滋子に捜査を依頼に来たのだ。
 等が生前に描き残した絵には不思議なものがあり、それがサイコメトラー能力のなせるものではないかというのだ。
 滋子はこれを

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