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さきのないさよなら

私は、ラルゴと一緒にいると
その時々で起きることに、いちいち反応して
湧いてくる感情に飲み込まれる。

ラルゴが甘えてきたり
ラルゴが楽しそうだったり
そんな時は、一緒に幸せに感じるけど

ラルゴがテーブルに上ったり
ラルゴが椅子にマーキングしたり
そんな時は、本気で叱っていたし
片付けしながら腹を立てまくっていた。

ラルゴが病気になって
死に向かっていくのを見る時は
寂しいや悲しいを通り越して
ただただ苦しかった。

胸も重いし、息苦しいし
ラルゴがいなくなった後の毎日が
どうなるかを想像するだけで
気持ちが陰鬱とする。

けれども、ラルゴから距離をおくと
ラルゴと一緒に過ごしている自分を
まるっと幸せな感覚で、見ることができた。

甘やかしたり
本気で怒ったり
悲しい予感に怯えたり
ネガティブな気持ちも含めて
私は幸せだなと思える。

私はラルゴに、全ての感情を動かされたし
味わった感情の全ては
素晴らしい思い出になってる。

あの時の私を、ラルゴから切り離して
俯瞰するように文章で残していくことが
私を癒していく。

こんなに悲しくなるくらい
ラルゴに愛情を注いだし
注いだ愛情に気付いたぶん
ラルゴも飼い主である私たちに
愛情を返してくれていたと思う。

もしかしたら、ラルゴは自分がボスで
私たちへの愛情は、従者にかけるような
気遣いだったかもしれないけれど。

老衰で逝ったパグたちとは違い
ラルゴは私たちを
最期まで振り回してくれた

9月20日 6時42分 ラルゴ永眠
さきのない、さよなら
今まで、本当にありがとう

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