大学教員の採用人事を知るー補完版1

今年ももうすぐ春がやってくる。大学入試改革が目前に迫ってきているが、これに合わせるように大学改革もいよいよ本格化してくることが容易に予想される。

大学改革にはいろいろな側面があるが、専任を目指す若手にとって一番影響が大きいのは今後ポストの数と公募の数が減っていくことである。近年、大学同士の合併や統廃合、学部の統廃合が話題になっている。具体的には教育学部のゼロ免課程廃止や薬学部4年制の廃止などである。文学部も、学科や専攻によっては風前の灯火のところもあるだろう。また、少子化の影響で大学の数自体が減ってきている。このように、日本の学術界は縮小の一途をたどっている。若手研究者は一刻も早く専任の座を掴まない限り未来はないと言っても過言ではない。

大学教員の採用人事を知るシリーズを書いてからも、何度も採用人事を担当してきた。この記事を書く前と応募者の質がよくなったと言える部分も確かにある。一方で、「そこを知らないかー!?」という、記事どうこう以前にアルバイトの面接をしたらたいていわかってるはずのことを知らない応募者も散見された。おそらく学生時代バイトもせずに勉学に励んだ人だと思うが、知らないとは恐ろしいと改めて思った次第である。そのような人たちは、いくら優秀であっても残念ながら大学に職を得ることは難しいだろう。大学の採用人事は、些細なミスを逃すほど甘くはない。

大学教員の採用人事を知るー補完版は、本シリーズの中で伝えきれていない細かな点を書くものである。本シリーズを読んでいない人は、まずそちらを読んでほしい。補完版は、これらの記事を補うものである。

第1回目は、論文の書き方である。

ここから先は

942字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?