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大人の修学旅行(1)

 高校生の息子が最近ハマっているもの。
 それはボカロ。
 好きが高じて、「大阪で行われるボカロのライブイベントに行きたい」と言い出した。
 「ボカロのライブ・・?」ってなんだ、誰が出てくるんだ、みんなで映像見るのかと、自分は全く世界がよくわからないが、とにかくでもエンターテイメントとしてすごいものなんだろう。
 芸術は、それに夢中になっている時期にとにかく最高のものを聞いた方がいいよ。いいんじゃない。行ってきたら。
 と、言いつつ、息子もあまり一人で泊まりに出かけたこともないので、じゃあわかった、大阪まではお父さんが一緒に行ってホテルもとるよ、という話になった。
 イベントはインテックス大阪で、土日を丸々使って行われる。そして、その昼公演夜公演合わせて3公演に参戦するという。
 なので、土曜の朝早くに出て大阪入りし、翌日の日曜も朝から夜までずっとライブやら会場の物販やらに出撃して、月曜に帰るというスケジュールとなった。おかげで月曜は有給である。
 ただ問題は、土曜日に大阪に一緒に着いて以降、月曜に帰るまで、自分は全くもって完全にヒマだということだ。一体何をするか、そんなことは全く決めないまま出発当日を迎えた。

 よく考えたら、大人になってこれほどまでに全くやることがない時間がまる二日間あるというのも稀なことである。これはこの機会を存分に楽しんでやろうぞ。

 当日は朝7時台の新幹線で大阪へ向かう。この日は新幹線が止まってしまっていて焦ったが、40分くらいの遅れでなんとか到着。子供はインテックスに直行。自分は子供の荷物を預かって一度ホテルに預け、昼前には完全にフリーとなった。

 さてどうするか。
 まずは、行ってみたことのない「太陽の塔」に行ってみようと思う。
 こういう時、もう最近はGoogleMap先生に一言入力すると完璧に連れて行ってくれる。どうも、門真市でモノレールに乗り換えるようだ。
 通り過ぎる駅名や駅の電車乗り換えの案内に全く馴染みがないこの感覚が新鮮だ。門真市について乗り換える。モノレールと言っても、かなり大きなサイズの車両だ。自分は湘南モノレールとかゆりかもめ的なものを想像していたのだが、しっかり電車サイズで立派なモノレールである。
 20分ほど乗り、ようやく太陽の塔のある万博記念公園駅に着く。

 駅を降りる。暑い。猛烈に暑い。日差しが痛い。何しろ今日は8月13日なのだ。
 駅から公園までは日差しを遮るものが全くなく。一気に体温が上昇して行くのがわかる。公園入り口に着くまでに完全に身体が熱せられて、入り口のところにあるお店でフローズンマンゴー的なものを注文し、一回冷やす。
 正直、この場所の時点で、というより、駅に着いた時点で、ばかでかい太陽の塔はよく見えている。入場料を払って中へ。なんと言っても、太陽の塔の中に行くことができるのが楽しみだ。自分は岡本太郎が好きなので、太陽の塔そのものもだが、有名な塔の中の展示も一度ぜひ見てみたいと思っていたのだ。

改めてでかい。周囲の柵などと比べるとその大きさがわかる。
太陽の塔って、エレキングの模様みたいですよね
裏側の黒い太陽

 公園内も本当に日陰がない。なんというか、RPGのさばくマップを歩いてHPががんがん減って行くあの感じだ。それでも、間近で見上げる太陽の塔の迫力は感動的である。普段あまり写真などに映らない裏側の黒い太陽も圧倒的な存在感だ。

 そして塔の真下に到着。ようやく塔の中に入れる。何より涼みたい。。
 と思っていたところに思わぬ悲劇が。塔の中に入るのには予約が必要で、今日の分はもうすでに売り切れてしまったというのだ。
 なんとうかつな。全くもって、予約が必要なシステムのものだいう発想がなかった。博物館のように、行けばただ入れるものだと信じ込んでいた。
 でもこれに関してはでもどうしようもない、調べていかなかったのが悪い。行き当たりばったりに行動するからだ。
 そうと決まると、あまり長居は無用、次の目的地に向かうことにする。
 次は、一気に神戸だ。神戸の、湊川神社が次の目的地である。

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