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「上手に売り込む小ワザ」

2019年11月13日 作品に語らせることが極めて重要だと思っています。

こんにちは。
駅の乗り場の床にある『8号車』という表示は、『(7号車←)【8号車】(→9号車)』と表記してくれないと、9号車に乗りたい人が左右どっちに行けばいいか分からないので、いいかげんにして欲しい(他者目線を持って欲しい)と思っているキングコング西野です。

さて。
今日は「『影響力』を最終的にどこに落とし込むか?」という話をしたいと思います。
自分で言うのもナンですが、こう見えて僕は、かなりガチめのインフルエンサーです。
自分のブログで書籍をキチンと紹介すれば、Amazonの総合ランキングの1位は確実にとれるレベルのインフルエンサーです。

少し踏み込んだ話をすると、誰でも発信できるようになった今、「本物の影響力」を持つ為には、「どれだけお金を積まれようとも売らないモノを決める」という線引きが非常に重要になってくると思います。

こんな活動をしているものですから、『企業案件』という(ギャラが高い)仕事が頻繁に舞い込んでくるのですが、基本お断りさせてもらっています。
ダイレクト課金がカジュアルになった今は、「広告費」よりも「信用」の方が価値が高いので、嘘をつかなくちゃいけない仕事や、キャラクターに合っていない仕事はお断り。

たった数分稼働するだけで、大御所MCのゴールデン4時間特番のギャラぐらいの金額を貰えたりするのですが、上のルールからハミ出していれば、お断り。
まずは、ここを守らないと「本物の影響力」はついてきません。

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日本でも、宣伝内容の線引きが曖昧なインスタグラマーが淘汰される時代は、そんなに先の未来ではないと思います。

生活に余裕がない人は宣伝したくないモノでも宣伝しなくちゃいけないし、
生活に余裕がある人は、宣伝したくないモノを宣伝しなくてもよいので、
影響力と収入の格差がドンドン拡がっていくという、なんとも皮肉な話です。

このことから逆算し、「本物の影響力」を手に入れようと思うのであれば、「生活コスト(仕事のランニングコスト)を下げておくこと」が一つの解決策かもしれません。

…「前置き」が異常に長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

そんなこんなで、ようやく手に入れた「影響力」を僕らはどこに落とし込むのが一番いいのでしょうか?
まず、国内を見渡した時に気がつくのが「50代以上のインフルエンサーが(ほとんど)いない」ということです。

同じ『影響力』という代物を取り扱っているようで、種類は微妙に違っていて、そのぐらいの年齢になってくると仕事内容は「インフルエンサー」ではなくて「ご意見番」です。

『インフルエンサー』と『ご意見番』をそれぞれ翻訳すると、
インフルエンサー=「現象を起こす人」
ご意見番=「インフルエンサーが起こした現象に対して、感想を言う人」

…といったところでしょうか。
ただ一つ、「ご意見番」は、10年前、20年前は、「インフルエンサー」でした。
ここが重要ですね。
「魔法少女」が「魔女」に繰り上げるイメージです。

では、年齢を重ねても、インフルエンサー(現象を起こす人)のままでいられている人は、どなたでしょうか?

パッと思いつくかぎりだと、草間彌生さん、村上隆さん、村上春樹さん、宮崎駿さん……そうです、“作品を生むことから離れなかった人達”です。

20代、30代で結果を残せば「影響力」を手にすることができます。
その影響力を「自分の身体」に落とし込んだ人がインフルエンサーからご意見番になり、
その影響力を「作品」に落とし込んだ人がインフルエンサーのまま成長する…という整理ですね。

僕が、20年後も、30年後も、40年後も「現象を起こす側」に立っていようと思うのであれば、こうした言葉(考え)を僕の口に言わせはいけなくて、作品に語らせることが極めて重要だと思っています。

それでいうと、生身の西野が語れる寿命は、せいぜい、あと5~6年で、それまでに今の『影響力』を全て作品に移行しなくっちゃ。
「キングコング西野」に残された時間は、あまり長くないようです。

今、結構死ぬ気で作品を作っています。
昨夜もずいぶん遅くまで舞台『えんとつ町のプペル』の脚本と向き合い、そこに出てくる「ゴミ人間」を見て、「コイツは年をとらねぇんだなぁ」とボンヤリ考えていましたとさ。

現場からは以上でーす。

【追伸】
演出家さんから「童謡を作ってもらえますか?」と発注がきて、半泣きで作る西野。
童謡なんて、作ったことがないよ。



2019年11月14日 売りたいものがあった場合、それをただ売りつけるのではなく、「相手が求めているモノ」に練り込んで売った方がいい

皆さん、こんにちは。
老後の楽しみに『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』をやらずに残しているキングコング西野です。僕の老後は明るいです。

さて。
今日は、「上手に売り込む小ワザ」を少し思いついたので、皆さんに共有したいと思います。

皆さん、何かしら「売り込みたいモノ(オススメしたいモノ)」があると思います。
僕の場合だと、国内外で活躍するトップクリエイターさんや、大手のクライアントさんといった『発言力』や『決定権』がある方々とお仕事させていただく機会が多く、その方々に向けて、僕の友達の作家やアーティストをオススメしたかったりします。

その時、YouTubeのリンクなんかを貼って「このアーティスト、最高なんで、ちょっと観てみてください!」とLINEを送ったりしがちですが、トップクリエイターさんや大手のクライアントさんの時間の価値は高く、「好みに合わないかもしれないYouTube」に3~4分を割かせるわけにはいきません。

無名だけど才能溢れる新人アーティストを、『発言力』や『決定権』を持った人達に紹介したくてたまらないのですが、売れっ子は、やらなくちゃいけない自分の仕事が山積みです。
「はたして、どうしたもんか?」と悩んでいた矢先、面白い現場に出くわしました。

映画や舞台の音楽を作る時に、よく僕は、自分で作詞作曲をした曲を自分で弾いて歌って、「こんな感じで、後はお願いしまーす」と制作スタッフに投げています。

来年1月に上演する舞台『えんとつ町のプペル』もこのやり方で制作スタッフに投げたのですが、よくよく落ち着いて見てみると、各界のトップクリエイターさん達が僕のヘタクソな歌をメチャクチャ前のめりで聴き込んでいるんです。

それもそのハズ。
彼らにとってメチャクチャ前のめりで西野の歌を聴き込むことが「自分の仕事」だからです。

僕のヘタクソな曲を何度も聴き込んで、イメージを膨らませ、
演出家さんは演出プランを立て、
美術さんは美術セットを作り、
衣装さんは衣装をこしらえ、
振り付けの先生はダンスの構成を練り、
音楽スタッフは音楽を仕上げます。

ここで、僕はチャンスを取りこぼしています。

会議室に響いているのは「キンコン西野の歌声」ですが、僕は歌手ではありませんので、僕の歌声を彼らに売り込んだって仕方がありません。
その時、僕が歌っている「仮歌」を、僕が彼らにオススメしたい無名の新人アーティストに歌わせれば、彼らは同じようにメチャクチャ前のめりで無名の新人アーティストの「歌声」を聴いてくれるじゃん!
新人アーティストのYouTubeのリンクを貼って、「ちょっと、この子すごいから観てみてー!」とLINEを送るよりも、よっぽど効果的に売り込むことができます。

売りたいものがあった場合、それをただ売りつけるのではなく、「相手が求めているモノ」に練り込んで売った方がいい……という「そりゃそうだろ」な結論なのですが、とくに僕らは「自分」ではなく、「友達」を他人にオススメする際に、意外と忘れがちです。

「自分」を他人に売り込む時の優先順位を、
①他人
②自分
と、配慮できている人でも、「友達」を他人に売り混む時の優先順位が、
①友達
②他人
③自分
と、「友達への想い」が爆発している場合があるので、そこは、やっぱり、
①他人
②友達
③自分
とした方が、結果的に(効果的に)友達を売り混むことができます。

優先すべきは徹底的に「他人(売り込まれる人)」ですね。

ときどき『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿される「けんすうサン」の記事は、そのあたりの配慮が完璧で、大前提に「西野亮廣エンタメ研究所のメンバーが何を求めているか?」があり、「西野」を軸に文章を組み立て、そこに『アル』の宣伝を(上品に)絡めているので、たぶんアイツは売れると思います。
現場からは以上でーす。





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普通に生活費のかかる個人ですから。お金をいただけるのは嬉しいことです。 ありがとうございます。先にお礼を言ってしまいました。返礼の法則って知ってますか?さあ