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物思いNo.38:モニターレビュー:日本酒缶ホルダー“GINOE(ギノエ)”

※本記事は、モニター調査として日本酒缶ホルダーの無償提供を受けて作成、投稿しています。

さて、今回はこんなお話。
ある日届いた、一通のメール。

お酒の楽しみ方や付き合い方を大事に活動されてらっしゃる姿に非常に感銘を受け、ご連絡差し上げた次第でございます。
(中略)
弊社では日本酒缶ホルダーという日本酒一合アルミ缶を保温保冷する商品を開発しており、この度は今後の開発に向けて「味に関する使用感」のモニター調査を行う運びとなりました。
日本酒に理解が深く唎酒師の資格を持って活動されていらっしゃるダイゴさまにぜひともお試しいただけないかと思いご連絡差し上げました。
(中略)
飲み心地や使用感など、ぜひ忌憚のないご意見をいただけますと大変助かります。

・・・・・・?!

なんか、自分のことをとっても褒めてくれてる!
「お酒の楽しみ方や付き合い方を大事に活動されてらっしゃる姿」だなんて・・・いやぁそれほどでも。よくお分かりで。
そして、なんだか、あるモノを試してくれと言ってくれている!
これまで、InstagramやX、noteなどを投稿しても、このようなご依頼は一度も来たことがありませんでした。
シンプルに嬉しいご連絡でしたので、今回ご協力させていただくこととしました。
まぁもしかしたらいろいろな人に送ってるのかもしれませんけど。

企業・商品情報概要/SNSなど

◾️三恵技研工業株式会社

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三恵技研工業は1948年の設立以来、
「金属と樹脂」の「塑性加工から表面処理」を一貫して請け負える部品メーカーとして、
常に新しい加工技術と商品開発に取り組んできました。
専門メーカーとして真摯なものづくりを続けてきたからこそ成し得る、その確かな技術をもって新たな生活用品のブランドを立ち上げます。
三恵とは天地人を差し、天の恵み、地の恵み、そして人の恵みを享受し、
その恩恵を技術によって社会に還元していく事を旨としています。
その精神と技術を受け継ぎ、新ブランドではより人の生活に密接したところへ技術の恵みを提案していきます。

上記ホームページより

三恵技研工業株式会社さんは、金属・樹脂部品の加工や、表面処理をするメーカーさんのようです。初耳でした。
その中の生活関連の備品の一つがGINOE、ということですね。
車とかの部品を作っている会社が日本酒缶のホルダーを手がけるとはびっくりです。
より人の生活に密接したところ、という部分に、お酒、がくるのでしょうね。
・・・あれですか、ここに勤める人にも仕事終わりの一杯が生き甲斐、という方がいる、ということですかね。とてもよくわかります。

今回、カラーはマットホワイトをご提供いただきました。
手に取った時に、所有欲を満たされる感じがとても好印象でした。

日本酒・日本酒缶で試す

モニター商品の一緒に、缶の日本酒も2つ提供いただきました。
一つは菊水。缶の日本酒といえばこれ!なイメージです。
一つは義左衛門。なんとシブいチョイス。
両方とも好きな銘柄です。なぜ好みの酒がバレているのか。

それでは、実際に使ってみます。

高さは500mlペットボトルの半分よりも少し小さいくらい。

はめ込む前
はめ込み後

固定すれば逆さにしても外れません。(未開栓限定ですが)


一合缶を押し込むと底の3点の凸部に引っかかる形で固定されます。結構しっかりとはめこむ感触がありますね。ちょっと面白い感覚。
ただ、素朴な疑問としては、この固定の機能はそもそも必要なのか、というところ。
個人的には、こういう蓋のないオープンなホルダーだと、そもそもひっくり返さないように水平を意識して持ちます
そしたら、このホルダーを使わずに、結局缶のやつでそのまま飲む/楽しんでしまいそう。
…あ、そうか。
瓶の牛乳を飲むときのように、顎を上げてぐいっと飲むようなスタイルだと、傾けた時にホルダーから外れて大惨事、なんてことにもなりかねません。
そういう意味では固定されていた方が安心ですね。
なお、一合缶の蓋をあけてからホルダーにはめこもうとすると、力加減を間違えると確実に液漏れしますね。(経験者は語る)

そして、やってみたかった、時間によっての温度変化の実験。
2つの一合缶を同時に開け、ホルダーにセットしたのとそうでない方とで、まずは30分ほど放置してみます。
室温は18℃です。

冷蔵庫から出して間もないところで、10℃からスタート。

ホルダーなしは13℃。
ホルダーありは10℃。

さらに30分、トータル1時間放置してみます。

ホルダーなしは15℃。
ホルダーありは11℃。

まぁ確かに温度の上がり方はゆっくりですね。
よく夏場に「氷を入れてずっと冷たさがキープされます」みたいな(サー●スとかの)タンブラーと使用感覚的には同じでしょうか。
ホルダーを手に持った感じ、ひんやりとした感じはあります。
結露は起きませんね。

ただし、日本酒は意図的にゆっくり飲むこともしばしばです。
それは個々人の酒量や飲むペースの兼ね合いももちろん関係しますが、「意図的に温度を変えて、味わいの変化を見たい」という目的がある場合が多いかと思います。
冷酒であれば冷たい→常温、お燗であれば熱い→冷ます、という温度変化を促進させるため、「酒器をわざと手で包んで持つ」、という光景を目にします。
ガラスや陶器の酒器などであれば手のひらの体温である程度調整できるからです。
となると、このホルダーの機能である「温度をキープする」というのは、詰まるところ変化をなるべくさせない(冷える、温まるを共に緩やかにする)ということであり、正直なところ、日本酒の温度による味の変化にこだわる方たちとは相性が悪いように感じました。

また、そもそも日本酒の温度による味の違いを意識する人はお酒に強い人も多いでしょうし、一合ならすぐに飲み切れるような人もざらでしょう。
そうすると、一合缶を買うシチュエーションはよほど短時間で飲むか、電車などでの移動中、お土産などでのプレゼントになってしまいます。
となると、わざわざこのホルダーを使って(ホルダーに入れて固定する、ホルダーに移し替える)までして飲むでしょうか…?
結局、缶のまま飲んでしまいそうです、
たとえば、このホルダーに蓋があってお酒を飲みきれなかった分を移し替えられる、とかなら使い勝手がよさそうです。さながら、ウイスキーのスキットルのようなことを日本酒でやりたい。
(・・・あ、それって水筒、っていうのでは)

なお、当たり前ですがホルダーに入れると、お酒のラベルや説明、成分表示は見えなくなってしまいます。
個人的には、ラベルや説明文を一回見て、ちょっと飲んでから、もう一回改めてじっくり見たりするので、その度に取り外しするのはちょっと面倒でした。

手のひらにすっぽりと収まるサイズ感、そしてこの軽さは、キャンプなどの屋外とかで使うのはよさそうですよね。割れないですし。
持ち運ぶなら、紐やストラップ、カラビナをつけられるようにできると嬉しいかもしれません。首や腰にかけてハンズフリー可能だとありがたいところ。(それこそ、蓋がついてその蓋に紐がつけられればよさそうですが)
また、お猪口やぐい呑みを入れることができるサイズのものがあれば、日本酒のイベントなどでも使えるかもしれません。

このホルダーに直接日本酒を入れても飲んでみました。
口に触れる部分が金属だとどうしてもひんやりした感覚や、物質感を覚えやすいのですが、それはそこまででもなく、柔らかい感触。
ワインでいうスワリングがしやすい形状ということも実感しました。
筒形の形状により香りは直接的にとりやすくなり、弱い香りも拾いやすいこと、飲み口の曲線は通常の蛇目お猪口よりはRが緩く口内に多めにお酒が入ります。結果的にお酒の味わいが舌全体に広がりやすいため、ボリュームを感じやすくなるかなと。

日本酒以外で試す

モニター依頼のメールには、このような文面もありました。

日本酒に限らずお飲み物を直接注いでタンブラーとしてもお使い頂ける2way仕様となっております。
本製品をご使用であれば、(中略)別のお飲み物を試していただいても問題ありません。

ほほう。日本酒以外もOKと。
確かにそうですね。日本酒がOKでほかのアルコールや液体がNGという筋合いもありません。
ポイントになるのは180mlという容量かと。
ウイスキーや焼酎を飲む時には、ストレートで飲むには目一杯入れてしまうと量が多くなりすぎてしまいます。かといって、ロックにするにしては氷を入れるにはちょっと口径が気持ち小さめでしょうか。
ビールで試してみましたが、やはり量が少ないかな、と。ハイボールでも同じ状況になりそうです。
・・・うーん、そうするとやっぱり用途は日本酒でしょうか。もしくはワインか。ソフトドリンクでお茶、ホットでのコーヒーとか紅茶でもよさそうです。

まとめ

味に関する使用感、といいつつ、全体的な使用感について書いてしまいました。
お酒の種類によって酒器を使い分けることに慣れていた最近では、一つの容器でいろいろとお酒をトライする経験は、なんだか初心を思い出させました。
ただ、日本酒にこだわりが強ければ強いほど、このホルダーが持つ機能との相性が相反してしまうということは予想外の発見でした。(そんな人がどこまでいるのかわかりませんが)

なお、GINOEは漢字があてられていて、技乃恵、と書きます。
これだけ高度な技術が詰め込まれた商品。
三恵技研工業さんの技術が、もっといろいろな人に届き、その技術に恵まれることを願います。

それでは、今回はここいらで。

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