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読書感想文 その5 『夏目漱石全集1』(ちくま文庫) ー我輩は猫であるー 著:夏目漱石 〜2月9日を愛でる〜

 突然ですし過ぎてますが2月9日は夏目漱石の誕生日でした。そして、私もです。

 その他にも、2月9日生まれは一風変わった人物が多く、結構自慢だったりします。例えばクリスチャン詩人の八木重吉、小説家の伊集院静、シンガーソングライターのキャロル・キング、テレビディレクターのマッコイ斎藤、お笑い芸人の木村祐一にますだおかだの増田英彦にオードリーの春日俊彰、、あだち充新海誠ゲルハルト・リヒターラモス瑠偉西村ヒロチョ、、etc…。なかなかうまく行かない人生を、成功している同日生まれの皆様の活躍を拝見しながら癒しております。

 というわけで今回はちくま文庫『夏目漱石全集1』の感想文なのですが、中身は全部『吾輩は猫である』です。今更私なんぞが何をどう書けというのだろうか、と思いますが、とりあえず思いつくままに書いてみるとします。

『夏目漱石全集1』(ちくま文庫) 〜我輩は猫である〜

 というわけで『夏目漱石全集1』〜吾輩は猫である〜 読了。

 最初に、こんな風に読書感想文なんぞ書いている癖して、こんな必読書のような存在に手をつけてこなかったのは何故か……、それはそもそも私“読書嫌い”だからでしょう。

 元々活字を見ているだけで眠くなり、読んでられなくなりますし、小説は余計にいけなくて、他者の想像力を押し付けられる感じがして腹が立ちます。そんな私がこの度「猫」に手をつけた理由は大きく分けて2つ、

1. 単に誕生日が一緒だから
2. 牛込、神楽坂周辺での用事が増えたから

です。

 まず単に誕生日が一緒であるということに誇りを持っています。だって、嬉しいじゃないですか。なのでよく自慢しておりましたが、実のところ何も知らないのです。よって、読まなくてはいけないという思いが長年あった訳です。ただ、正確にいうと全て読んだことがなかったわけではありません。

 学生の頃読もうとしましたが、何文長いし、難しい。禅語だったり西洋の古典哲学だったり、劇作家やらやら……さらにはそんな分かんないもの通しが掛け合わさった洒落だったり、、本嫌いで小説嫌いな私に読めるわけありません。ですが、近頃夏目漱石の出生地付近である、牛込、神楽坂エリアでの個人的な用事が増え、どことなく縁を感じ、このタイミングで挑戦することにしました。
〜ちなみに私は前回の記事にて、ご縁というものについて少々危惧しております…。〜


 さて、読んでみると……あれ?、面白い!分かんないけど、面白い!知的好奇心もくすぐられる!となりました。長く、難しくはありますし、逐一出てくる全ワードについて理解を深けめることも到底できませんでしたが、登場人物の個性、関わり合い、面倒臭さが不思議と自分にマッチし、自身の性質も猫にどやされているような心地で読み進めることができました。とはいえ、こんな自分ですので最後まで読み通すのは結構大変でした。そんな中で、この本の脚注の細かさには助けられました。

 よく出てくる禅語や哲学者、登場人物の洒落発言などについては、ほぼ全て解説が入ります。その中身自体が難しいのですが、手がかりとして読み手(自分)側で想像を作っていくことができました。読み進められたのはその作業が楽しかったというのもありました。
〜ただ細か過ぎて「デザート」という言葉に脚注が入っていたので、目をページ最終に向けたところ「メイン料理の後に食す果物や菓子類」と記載されており、「時間返せ!」って思いました。〜


 総括するとですね、、すごいです。明治ですよ。これだけ長い小説を、これだけの知識と、これだけの先見の明を持ってして書き上げていたなんて。。「今の世は個性中心の世である」なんていう言葉が出てきましたが、いやはや、この後の日本国ときたら……。

 同じ誕生日に生まれたものとして、私も広く多様性を持って、先を見据えて、なるべく知識を蓄えて、生きていきたいと思います。

ありがたいありがたい。

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